(たくき よしみつ・著 講談社) 立ち読み版
- 書名:介護施設は「人」で選べ 親を安心して預けられる施設とは?
- 発売:2020年10月15日
- 著者:たくき よしみつ
- 種別:単行本 224ページ
- 版元:講談社
- ISBN 978-4-06-520926-4
- 価格:1400円+税
- 介護施設の実態は、よくある解説書、ガイドブック、ネット情報では分からない。ウィズ・コロナ時代対応の、本人も家族も幸せになる「生の情報を伝える書」
数多ある「介護施設ガイドブック」とはまったく違う!
本書は、よくある介護ガイドブック、ハウツー本の類とは違います。認知症の要介護親を持った子の立場で、介護施設探しから看取りまでに経験する難問の数々をいかに解いていくかを「本音で」書いたものです。
私は小さな介護施設に入居していた父を2019年3月に、ようやく入れた特養(介護老人福祉施設・特別養護老人ホーム)でお世話になっていた義母を2020年4月に看取りました。この2人の介護を通じて、様々な介護施設の関係者や医療関係者と交流し、勉強も重ねてきました。どちらも終の棲家になる施設に巡り会うまでは紆余曲折があり、そこに入居させるまでも、入居した後も、様々なトラブルや試練に直面しました。
次々に降りかかってくる困難な課題を乗り越えるために、膨大な量の資料を調べ、介護現場や医療現場で働く人たちからも多くの生の教えを得てきましたが、改めて痛感するのは、一般に目に触れる「介護案内」の内容があまり役に立たないということです。
介護施設選びに関する本はすでにたくさん出ていますが、とおりいっぺんの情報やノウハウを列挙しただけのものが目立ちます。それらを読んで、私たち利用者側は「なるほどそうなのか」と勉強していくわけですが、いざ実際に体験してみると、「え? 聞いていた話とはずいぶん違うではないか」ということが多々あります。
特に、特養だからこうだ、民間の老人ホームだからこうだ……といった「一般論」が通じないということを痛感させられました。施設ごとに、雰囲気も、対応のきめ細かさも、その施設なりのローカルルールも大きく違うのです。
ここ数年で介護業界は激変し、かつての常識や通説が通用しなくなってきました。今までのマニュアルや通説通りに施設探しをしても、よい施設にたどり着くことはまず難しいのです。
(略)
本書はそうした表に出てきにくい情報や、よい介護施設にたどり着くための具体的な戦略について、赤裸々に、「超本音」でストレートに語ってみました。
よくある類書のように、制度や仕組みについて建前を厳密に説明するのではなく、私自身の体験をもとに「そうはいっても実際にはこうなのだ」という介護現場の実状・実態を、極力分かりやすく書いたつもりです。
さらには、運よく介護施設に入居できたとしても、その後、親を看取るまでに起こりうる典型的な事例として、骨折や肺炎による容態急変の際の医療機関との関わり方についても、実例をもとに詳しく説明しました。
(「はじめに」より)
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内容紹介
介護施設は「人」で選べ 親を安心して預けられる施設とは?
1 施設選びの前に知っておくべきこと
そもそも「うちの親は頑固なので施設に入るのは無理」と諦めることから始まる悲劇。「介護」とは、素人ができるほど生やさしいものではない。まずは介護というものに対する「考え方」を整理しよう。
●「家で家族が面倒をみる」がいちばん劣悪な介護環境
●老木の移植は難しい
●家族の中に最終決定権を持つ責任者を一人決める
●要介護認定を受けるタイミングと注意点
●「動ける認知症」がいちばんやっかいである
●「認知症の進行度」が最大の考慮要因
●パンフレットやネットの情報は役に立たない
2 「特養」の最新事情・裏の裏
介護施設といえば「特養」をまず思い浮かべる人が多いが、今どきの「特養」とはどんな施設なのか。
●特養の中身が変わってしまった
●特養は「死に待ち」施設なのか
●ユニット型特養の裏事情
●多床室型特養の裏事情
●特養の入所は「順番待ち」ではない
●特養に入るための「技術」
●特養は「安い」のか?
●ロングショートステイという「裏技」
●ロングショートの落とし穴
●医療施設直結の特養が安心とは限らない
3 「老健」の最新事情・裏の裏
老健を「特養の入所待ち施設」として選んでいいのか? 老健が向いている人とはどんな人か?
●特養の空き待ちには利用できなくなりつつある
●要介護3以下なら老健も選択肢に
●寝たきり老人にもリハビリをせざるをえない?
●老健の医療対応は特養よりも優れているのか
●老健は個室タイプが少ない
●老健でも看取りをしてくれるのか?
4 「民間老人ホーム」への大誤解
「介護付き」とはどういうことか。「特定施設」指定を受けた老人ホームのほうが優れているのか? 多くの誤解を解いていく「本音」の実録ガイド。
●誤解を与える「老人ホーム」区分
●居室面積が広いからよいとは限らない
●「特定施設」指定にこだわる必要はない
●介護サービスの質は料金ランクによって違うのか
●民間ホームは施設ごとの個性を出しやすい
●対応力に幅のある施設を選べ
●同一企業グループでも個々の施設で大違い
●地域密着型サービスって何?
5 よい施設を見分ける技術
ただでさえ難しい介護施設選びの具体的な「技術」をすべて公開。
●老人ホーム紹介業者は信用できるか
●ネットで調べられることと調べられないこと
●ネットの評判や口コミ情報はあてにならない
●ケアマネジャーという重要な存在
●よいケアマネを見つけるには
●行きすぎた「囲い込み」に注意
●施設長の裁量権が大きい施設は風通しがよい
●面談・見学までの手順
●重要なのは医療面の対応と看取りの可否
●施設見学ではここを見逃すな
●重要事項説明書のチェックポイント
●どうしても近所によい施設見つからない場合は
6 介護と医療を連携させる難しさ
医療者と介護従事者はまったく違う人たちである。違う哲学、役割を持ったプロの間で、あなたがなすべきこととは?
●どこまで医療行為をするべきか
●病院に連れていくリスクと連れていかないリスク
●これぞ名医の診断
●訪問診療医を見つける困難さ
●病院で死なせないという覚悟
●介護施設と医師の連携
●医師も悩み抜く抗精神病薬の処方
●高齢者にとって骨折は死に直結する
●手術させるリスク、させないリスク
●「絶対にここを出たくない」と訴えられて
●介護スタッフの健康や生活が守られるか
●手術をするなら短期決戦で
●医療にかかるコスト
7 施設で看取るために必要な覚悟
また自宅に戻れるわけではない。でも、病院では死なせたくない。……後悔のない看取りをするために知っておくべきこと。
●毎晩「狼男化」する地獄
●介護のチームワーク
●心残りのない見送り
●終末期近くに肺炎を起こした場合
●口からものが入らなくなったときの選択
●苦しませないことを第一に
●病院で死なせないためには
●死亡診断書と死体検案書
●最後の最後で迷わないために
おわりに
「やっぱり、おじいちゃん、おばあちゃんたちが大好きだったから」この職を選んだ、という特養の相談員さん。コロナ禍の中、旅立っていった義母に心のこもったお別れの言葉を寄せ書きしてくれたスタッフ……彼らの自然体の笑顔にどれだけ救われたことか……。
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