『デジカメに1000万画素はいらない』(講談社講談社現代新書) 立ち読み版
内容紹介
■はじめに
デジカメの世界には、大きな嘘や迷信、間違った「常識」がはびこっています。
その最たるものはカメラの高画素化競争でしょう。今の技術で500万画素のCCDを作れば、確実に1000万画素のデジカメより「きれいな写真」が撮れるのに、メーカーは「結果的に写真が汚くなる」ことを承知の上で、無理な高画素CCDを開発し続けています。
理由は単純で、高画素をうたったほうが「売れる」からです。結果として、ユーザーは本来実現できる性能以下のカメラを買わされているわけで、技術者にとってもユーザーにとっても、これほど馬鹿げた不幸はありません。
一方、多くのデジカメユーザーは、「面倒なことは知りたくない。シャッターを押すだけできれいな写真を撮りたい」という願望を強く抱いています。
これは基本的には間違っていません。しかし、マナーモードを知らずに携帯電話を使ったり、エンジンブレーキを知らないで車を運転する人はあまりいません。
デジカメは魔法の小箱ではありません。人間がそこに何らかの関与をすることで、写真の出来が大きく違ってくるからこそ、趣味としても奥が深く、長く楽しめるのです。
ごく簡単な仕組みを知り、工夫するだけで、見違えるような写真が撮れるのに、それをしないのは実にもったいないことだと思いませんか。
本書は、朝日新聞be紙上で2007年3月から2008年9月まで、80回に渡って連載した『デジカメのキモ』をベースにして、大幅加筆したものです。この連載中、常に念頭に置いていたのは、「デジカメ写真の世界にはびこる単純な嘘・迷信・誤解の呪縛を解いていくことで、デジカメ本来の楽しさを取り戻したい」という思いです。その思いは読者のみなさんにも通じたようで、画素数や明るいレンズの話では、特に反響があったと、担当者から聞いています。
これらは決して難しい話ではありません。
ふんだんに使ったカラー写真を楽しみながら、気軽な読み物としてページをめくっていってください。読み終えたとき、あなたのデジカメライフは大きく変わっていることでしょう。
■目次
第一章 嘘がまかり通るデジカメの世界
●デジカメをダメにした高画素信仰
●高画素化で写真はかえって汚くなる?
●デジカメの進歩は「ごまかし技術」の進歩?
●200万画素時代の幸せ
●「自然な発色」ってなんですか?
第二章 間違いだらけのカメラ選び
●「メーカーブランド」信仰の幻想
●消えてしまったバリアングルモニター
●一眼レフのよさとは
●デジタル一眼は3種類ある
●手ぶれ補正機構はボディ側? レンズ側?
●セット販売レンズで室内撮影は無理
●35mmフィルム用単焦点レンズを使う
●本当にデジタル一眼が必要なのか?
第三章 デジカメは「買ったまま」使うな!
●初期設定を変えよう
●デジタルズームは当然OFF
●「手ぶれ補正機構」はもはや必須アイテム
●オマケのハンドストラップは捨ててしまおう
●明るい場所でこそフラッシュを使え!
●シーンモードは本当に「親切設計」か?
第四章 「ガバサク理論」で写真が激変する
●デジカメとハサミは使いよう
●ガバッと大きく撮れ!
●望遠ズームで大きく写せ!
●暗い場所では「念写」せよ
●「お散歩写真」のススメ
●条件を変えてたくさん撮れ
第五章 デジカメ達人への第一歩
●人物撮影のキモ
●風景をもっと楽しい写真に
●面白写真は広角で撮れ
●夜の面白写真はこう撮る
●ガバサク流に必要な道具
第六章 自由自在にカメラを操る
●逆光を怖がらずに生かせ
●オート露出を信用するな
●オートブラケットを使い倒せ
●暗い場所でもマイナス補正をする理由
●ISO感度を変えて撮る場合の注意点
●背景をぼかしてプロっぽい写真を撮る
●本格的ポートレート撮影に向いたレンズとは
●プロに近づく「物撮り」のキモ
●撮りづらいものを撮る楽しさ
第七章 撮った写真はサクッと直す
●フリーソフトでサクッと直す
●横の写真を縦に切る(トリミング)
●トリミングはズームアップでもある
●ガンマ補正で明るく
●彩度・コントラストを上げる
●シャープフィルターは最後に
●邪魔なものを消す、ないものを付け加える
●フィルターで遊ぶ
●サクッと直せなければ長続きしない
●Exif情報は「ガバサク流」のよき教師
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