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のぼみ~日記 2026

2026/08/29

Clarii miniが届く


中国製の小さなウィンドシンセサイザー Clarii mini が届いた。
小さいとは分かっていたが、本当に小さい。



こんな大きさ。小学生が持たされるリコーダーとあまり変わらない




↑収納袋が附属していて、それに入れるとまさに小学校時代のリコーダー感覚



↑設定や音色選択はすべて液晶で表示される



英語・中国語の取説小冊子の他に、日本語も入っている簡単な多言語対応ガイドペーパーもついていた



EWI SOLO との大きさ比較


小さいながらも立派な音を出す。ただし、運指の違いや、オクターブ切り替えボタンの切り替えなどがEWIに慣れている私には難しいので、EWIよりも演奏が難しい。



Clarii miniとEWIではデフォルトの運指ポジションがかなり違う!
Clarii miniの運指は、現在(OSバージョン2.23)、デフォルトではEWI(またはSAX)となっているが、実際のEWIのデフォルトの運指とはかなり違う設定になっている。
例えば、EWIでは、左手の人差し指のポジションを外すと1全音半上に上がるが、Clarii miniでは1オクターブ上の音を出す。
これは実際に演奏してみると、Clarii miniはオクターブシフトのボタンが押しづらいので、EWIのように素早く移行できない。なので、左手人差し指を一本外せばオクターブ上がるというのは、覚えてしまえば非常に楽ではある。
ただ、曲の途中で転調するときなどは、EWIで使えたポジションがことごとく使えないので、EWIで練習していた曲がClarii miniでは吹けないという事態が起きる。

他にもいろいろ違っている。右手中指を抜いたポジションはEWIならD#だが、Clarii miniはそのポジションの設定そのものがない。
これらはある程度、AndroidかiOSの専用アプリでキーポジションを変えることができるので対応可能だが、どうせなら最初からEWIのセッティングと同じにしておいてほしい。

Clarii アプリで設定を変更する
ダウンロードした専用アプリを立ち上げる。Clarii miniとの接続はBluetoothなので、ケーブルを使わなくても同期する



アプリからClarii mini本体の設定を変更できるが、ほとんどは本体だけでも設定できる項目



デフォルトの運指は、Clarii mini本体では「SAX」となっている(液晶にそう表示される)が、なぜかアプリではEWIと表示される。しかし、Clarii miniのデフォルト運指はEWIとはかなり違っている



アプリでは、運指を細かく設定できる

例えば、デフォルトではこのポジション↑↓には設定がなく、右手中指を外しても出る音はDのままで変わらない。これはさっそくD#が出るように変更した




また、Clarii miniでは、Cのポジション(すべての音階ボタンを押した状態)から、左手の人差し指を外すとオクターブ上のCが出るようになっているが、EWIではそれはEbのポジション


これを変更するかどうかは非常に悩ましい。
というのは、Clarii miniはオクターブ移動がローラーではなくボタンなので、EWIに比べるとオクターブの瞬時移動が難しい。指を1本外すとオクターブ上が出るのは、覚えてしまえば楽なのだ。
しかし、それをやると、EWIを演奏しているときと指使いが根本的に変わってしまう。

また、EWIでは、途中で転調したとき、左手のポジションで移調に対応することがあるのだが、Clarii miniではそれができないから、転調のある曲を演奏するとき、どうしていいのかまったく分からなくなる。

今のところ、このポジション変更には手をつけていない。やり始めると大変やっかいな作業になるし、おそらくClarii miniを吹くことは今後なくなりそうだからだ。

というのも、ここまで分かると、どうしても上級機種のClarii Pro C2 というのを試したくなる。値段が倍以上するので勇気がいるが、71歳という自分の年齢を考えると、少しでも気力があるうちに決断しないと人生が終わってしまう。
Clarii Pro C2 が来れば、おそらくClarii miniは触らなくなるだろうから、メルカリで売りに出すとかになりそうだ。

Clarii Pro C2 をポチする


……というわけで、Clarii Pro C2 もポチしてしまった。
Amazonでは売り切れのようで、Clarii miniを買った大阪の楽器店にまた頼もうと思ったら、そこも売り切れ。
人気があって製造が追いつかないのかもしれない。
探し回ると、島村楽器とサウンドハウスでは買えるようなので、島村に発注した。

中国に完全に負けている日本

Clarii miniという楽器は実によくできている。
EWI SOLO との比較なら、携帯性ではClarii miniの勝ち。音質とか高級感はEWI SOLO の勝ち
この小ささで、これだけの音が出るのは凄い。アンプにつなぐと、EWI顔負けのリアルででかい音が出る。内蔵音源の質の高さを証明している。
小学生には最適だし、大人でも旅行のお供とかにはバッチリ。介護施設で吹く、呑み会で吹く、なんていうのにもバッチリ。

EWIを世に出したAKAIは、我々世代にとってはテープレコーダーなどのトップメーカーだった。その後、電子楽器やMIDI機器を製造し初めても、音質においてはヤマハやローランド以上のセンスと品質を誇っていた。
そのAKAIがなくなってしまい、AKAIというブランド名を買い取ったアメリカのベンチャー企業がEWI5000、EWI SOLO と、EWIの後継機を作ってきたが、EWI5000は不安定で、音質もひ弱で完全な失敗作。
EWI SOLO は本体だけでもかなりいい音を鳴らす傑作だが、なにせでかい。
その後、EWIシリーズは発表されず、ヤマハやローランドが出したウィンドシンセサイザーは、いわゆる「電子サックス」というコンセプトで、本物のSAXに比べると玩具臭く、魅力がなかった。
EWIは「電子サックス」ではない。EWIという独立した楽器なのだ、というプライドが感じられたし、実際、そういう音が出せた。
そのEWIの精神を忠実に引き継いだのが中国の新興メーカーだったというのは、なんとも皮肉というか、日本人としては複雑な思いもある。
日本には、もはやデジタル文化に魂を込める力がなくなってしまったのだと、改めて思い知らされる。

その中国製の電子楽器を使って、私は今からまだ演奏力を上げていけるのだろうか?
ナベサダは93歳で全国ツアーをやっている。とても真似できないが、AI時代になった今、最後に残された「意味のない価値」は音楽かもしれない。
ナベサダと違って、私には実力も実績も聴衆もない。「自分ひとりに向かって」こんなメロディは? と問い続ける行為をいつまで、どこまで続けられるのか?
そういうのがなくなって、ただのズボラな畑いじりをしながら死を待つのは虚しい。……まぁ、それだけでも十分に幸せな老後なのだろうけれど、「意味のない価値」を求める欲望を、まだ失いたくない。

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Digital Wabi-Sabi 3 -A Soul Inhabits EWI-


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