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のぼみ~日記 2021

2021/03/05

世代ギャップいろいろ



クイズ番組で「県の数」というのを見て、助手さんがすかさず「42」と答えた。
「だって、『いっと・いちどう・にふ・しじゅうにけん』……でしょ」
……ん?
あたし「なんか増えたんじゃなかったっけ?」
助手さん「……え? 沖縄? それ入れて42じゃなかったっけ?」

……違うみたいである。
改めて調べたら、沖縄の本土返還は1972年(昭和47年)なのね。
そのとき、俺たちはすでに高校生で大学受験勉強中。「いっといちどーにふしじゅうにけん」って、確かに覚えたけど、それは小学生のとき。
あの頃に覚えたことって、忘れないのよね。
他の出題で、答えが「形声文字」というやつなんか、選択肢が出る前から「けいせいもじ!」って答えられたけれど、考えてみるとそんな言葉、小学生のときに習ってから65歳の今まで、生活の中で一度たりとも使ったことはないと思う。それくらいどうでもいいことなのだが、忘れていない。大切な人の名前は忘れるのに……ほんと、悲しくなる。

お袋はよく「含水炭素」って言っていた。「含水炭素ばかり食べてちゃダメよ」みたいに。
「今はそれ、炭水化物って言うんだよ」と指摘したら、ものすごく不機嫌な顔をしたのを覚えている。

円の大きさと順番で、太陽系の惑星の並びを見抜くクイズ番組では、円が8つしか並んでいなかった。
あたしらは「すいきんちかもくどてんかいめい」って習ったのだが、いつだったか、海王星と冥王星の順番が入れ替わって「すいきんちかもくどてんめいかい」になったというニュースが流れた。
これも確認したら、1979年1月22日のことで、その後、1999年3月までこの状態が続いて、また元の順番に戻ったそうだ。次にまた順番が入れ替わるのは2230年ごろだそうだ。
しかし、その後、2006年8月24日に、冥王星は惑星じゃない、なんてことになって、今は「すいきんちかもくどってんかい」って覚えるようになったそうだ。
「すいきんちかもくどってんかい」の人たちはまだ成人していないことになる。

「いい国(1192)作ろう源頼朝」も、今は、
現在、鎌倉幕府の成立年については、頼朝が東国支配権を樹立した治承4年(1180年)、事実上、東国の支配権を承認する寿永二年の宣旨が下された寿永2年(1183年)、公文所及び問注所を開設した元暦元年(1184年)、守護・地頭の任命を許可する文治の勅許が下された文治元年(1185年)、日本国総守護地頭に任命された建久元年(1190年)、征夷大将軍に任命された建久3年(1192年)など様々な意見が存在する(Wikiより)
……だそうで、1192年を答えさせる問題は出題されないらしい。
「無事故(645)の戦い大化の改新」も、今は、「乙巳の変」と習うらしい。
大化の改新は、
皇極天皇4年(645年)6月14日の乙巳の変に始まる一連の国政改革。狭義には大化年間(645年 - 650年)の改革のみを指すが、広義には大宝元年(701年)の大宝律令完成までに行われた一連の改革を含む]。改革そのものは、天皇ではなく、皇極太上天皇とその親友とされる中臣鎌足(内臣)の主導のもと、年若い両皇子(中大兄、大海人)の協力によって推進された。(Wikiより)
……なんだそうで、645年は蘇我氏が滅ぼされた年であって、それをもってして「改新」とはならない、というわけだ。
単純に「大化の改新は645年」と丸暗記していた歴史の授業よりは進歩したのかもしれないが、そもそもそんな大昔のことがどこまで分かるのか疑問である。お札にもなっていた聖徳太子に関しては架空の人物説まであって、何が本当か分からない。

中学生くらいからずっと疑問に思っていたのは、歴史上の出来事の名称だ。
「大化の改新」にしろ「明治維新」にしろ、何かが刷新されて社会がよくなったというイメージが植えつけられるが、どちらも殺人を伴う政争である。
「神武東征」「○○征伐」なども同じで、悪いものをやっつけるという露骨な意味合いの言葉を平気で使っていた。最近はかなり改められているようだが、「明治維新」は未だにそのままだ。

単位とかもずいぶん変わった。
ミリバール、って、いつから言わなくなったんだっけ、と思って確認したら、1992年12月1日だそうだ。
30代後半かぁ……。
「国際単位系」というのに従うようになったらしい。「ヘクトパスカル」なんて長ったらしく言いづらいのになんでわざわざ変えるんじゃい、と、日本国中がイラッとしたけれど、日本人は従順なので反乱は起きなかった。

部屋の広さが4畳半、なんていうのは今でも使うけど、若い人は7.45㎡のほうがピンとくるのかしら?
面積だと、坪は分かるけど、反や町になるとピンとこないなあ。ビンボーさんだから広い土地とは無縁なのか……。

モノに関しては、腕時計の自動巻とかフェンダーミラーとかテレフォンカードとかは、そろそろ「何のこと?」と首をかしげる人のほうが多数派になっているかもしれない。
運動会でラン足袋履いている子もいないし。給食で脱脂粉乳は出ないらしいし、鯨はいつしか幻の高級食材だし。
VHSかベータか、なんて話も通じない。

初めてカセットデッキを買ったのは高校生のときだった。ソニーが民生用に出してすぐの頃。でも、その前にオープンリールデッキを持っていたような気がする。やっぱりカセットはノイズがひどい、なんて思ったものだ。

そのカセットを発明した人が亡くなったというニュースを見て改めてビックリ。
オランダ紙フォルクスクラントなどによると、カセットテープを発明したオランダの技術者ルー・オッテンスさんが6日、オランダ南部の村ダイゼルで死去した。94歳だった。
オランダの電機メーカー・フィリップスで製品開発部門の責任者を務め、1963年にカセットテープを発表。同社は1965年に特許を無償公開し、カセットテープの技術が世界に広まった。(読売新聞 2021/03/11)

1965年というとあたしは10歳だ。
この仕事部屋には今でもDATデッキは2台あるけれど、カセットデッキはもうない。一時期、3台くらいあったけど、どんどん壊れていって、ついにはなくなってしまった。

コンピュータソフトのアイコンで「保存」がフロッピーディスクの形をしているのが今の人には分からない。「この黒い四角はなんのことですか?」って訊いたりする。最近ではさすがにこれはもうやめようということになってきたらしい。

クイズ:これはなんでしょう?



これ、だいぶ前にも出題した記憶があるんだけれど、そのときの写真がすぐに出てこないから、改めて実物を捜しだして、今、撮り直した。
まだ持っていたわ。
ヒント1↓

こういう4点セットなのだ。

もう分かったかしら?
答えは……↓
よく見るとアメリカからの輸入品なんだねえ。5900円! ずいぶん思いきった買い物をしたものだ。結婚後だったかなあ。買うのにものすごく躊躇いがあったと思う。


昭和一桁時台に一般家庭で電話なんてありえない

NHKの朝ドラで、大正時代や昭和初期の家で平気で電話で話してるのを見るたびに、脚本を書いている人の年代では、電話のない時代のコミュニケーションが想像できないのだろうか、と驚愕する。
電話機の形も通じない。今の子供はスマホが電話だと思っているから、「ダイヤル」というものを知らない。公衆電話はまだわずかに残っているが、使い方を知らない人が多いという。
ちなみに上の写真(↑)はバブルの頃にアメリカから輸入したレトロなプッシュホンで、今でも回線につながっているので使える。実際には電話そのものを滅多に使わなくなったし、ベルの音がけたたましいので呼び出し音を切ってしまっているから、この電話機の存在を忘れている。でも、受話器を取って耳に当てると「ツー」という発信音が聞こえるし、ちゃんとダイヤル(プッシュホンだけど)もできる。

元ネタが分からない!


最近、モノマネとか歌ネタのお笑いのほとんどが、「元」が分からないので笑えない。
知らない学校の先生のモノマネを生徒がやるほうがまだ笑える。そんな先生がいるのか……と想像できるから。
でも、歌ネタの「元」にはなんの興味もないから、リモコンでスキップしてしまう。
助手さん曰く「孫でもいたら分かるのかしらね」
……どうなんだろねえ。
子供がいたら40近い中年。孫がいたら中高生くらいだろうか。そういう老人なんだよなあ、俺たちは。
カセットテープが存在しない時代に生まれ、カセットテープが消えた時代を生き抜いてきた。カセットテープの寿命よりも長い人生なんだよなあ。

そういえば、この日記では「助手さん」を使い続けているけれど、フェイスブックでは「かみさん」にしている。
「かみさん」は「上さん」かなと思うので、うまく使われている私はこの言葉をよく使っているが、よそ様に関しては、なんか最近いろいろ言葉の選び方がうるさくなってきているので、「旦那さん」「ご主人」「奥さん」はやめて、「夫さん」「妻さん」にしている。
まだ会話の中で使うのは勇気がいるが、文章の中では使っていこうかな……と。
「そういえば、おたくの妻さん、体調を崩したと聞いたけど、よくなったの?」……とか……。そんな風に。

やがて悲しき……

先ほど出題したクイズ、「答えを見せられても何のことだか分からない」という人がいっぱいいたので、改めて解説。



これは、6mmオープンリールテープを継ぎ接ぎするための道具だ。録音したテープの不要な部分をカットし、必要な部分だけをつないでいく際に使う。
  1. 両手でテープのリールをグリグリと動かしながら、カットしたいポイントで再生ヘッドのところに①のダーマトペンシルで印をつける。普通の鉛筆では硬すぎてヘッドを傷つけるし、柔らかすぎると残りカスがべたついたり裏写りするので、専用の芯(色は白)のものが使われる。
  2. つなぐポイントも同様に印をつけ、②の金属の台の上で③のカッターで切る。これも普通のカッターではなく、帯磁しにくい金属でできている。それでも念のため、使う前には消磁器で消磁する。カットするガイドラインがテープに対して90度の溝と45度の溝があるが、つなぐときは45度のほう、テープの端なら90度のほう。
  3. 切ったテープの端と端を合わせて、④のスプライシングテープで裏側を貼り合わせる。セロテープなんか使ったらとんでもないことになる。薄くて、糊がべたつかない特殊なテープなのだ。
すべて特殊な道具なので、量産が効かないから高価なものになる。

今はテープレコーダーなんて使わない。コンピュータでデジタル録音し、録音されたデータはハードディスクやSSDに記録される。録音物の編集もコンピュータ上でいくらでもできる。間違えてもUNDOでやり直せる。カッターとスプライシングテープで磁気テープを切ったりつないだりすることはない。

これを使っていた時代、オープンリールテープは新品が高くてなかなか買えず、秋葉原で放送局放出の使用済みテープを買ってきた。
放送済みの編集したテープを業者がただ同然で買い取って、それを売っていたのだ(それでも結構な値段だった)。そういうテープを再生すると、放送された番組が流れてきて、ああ、TBSラジオか……とか、文化放送から出たテープか……とか分かった。
編集済みテープだから、つぎはぎだらけで、中には途中で色が変わっている(違うメーカーのテープが継いである)のもあって、そこで急に音量や音質が変化する。継ぎ目が多いのはハズレ、少ないのは当たり。
そういうテープに録音していた。ようやくまともに演奏できたと思って再生すると、いちばんいいところにその継ぎ目があって、音が急に変わる。「あ~、よりによってここでかよ~」とか……そんなことをやってた。

……作曲家としては、そんな苦労はしなくてもいい苦労だ。そんな時間はもったいない。その分、曲を書く苦労に時間をつぎ込みたかった。
編曲も、演奏も、録音も、もちろんパッケージングも広告も販売も、全部その道のプロにやってほしい。
しかし、それがかなわないまま歳を取ってしまった。もう人生が終わろうとしている今も、デジタルで同じことをしている。苦手だし、自分がやらないほうがいい仕事。……ほんとに悲しい。

今やっている音楽は、20代のときとは違う味も深みもあると満足しているけれど、自分が満足できる作品ができるようになったときは、世の中が変わってしまっていた。音楽の主たる「消費者」である若い人たちの「耳」(音感)が変わってしまっていると感じる。音感が違えば、感じ方も違ってくる。どんなに内容の素晴らしいことを喋っても、知らない言語の言葉でなら伝わらないのと同じようなことか……。
きっと、音楽なんて、所詮そんなものだったのだろう。まぼろし~。

カセットテープが存在しない時代に生まれ、カセットテープが消えた時代もまだ生きている。カセットテープの寿命よりも長い人生なんだなあ。

レコードが消えても、カセットが消えても、CDが消えても、自分が生みだした音楽はどこかで生き続けているかもしれない……そう思うことは煩悩だろうけれど、別に消えてもいいから、今まだ生きている自分のために……だな。自分の音感や感性はまだ「自分の世界」に残っているのだから、それを幸せなことだと思って、あがき続けようかな。
まぼろしと戯れ、苦しみながら死ねれば、そんな幸せな人生はないのだろうから。

2021/03/06


カルフールも再開していた。これでパンの入手先が増えた。



↑一人でこれだけ購入してくださったかたがいる。8か月以上かけて、リピートで、というのが嬉しい。感謝。アナログ製品の存在価値も大切にしつつ、まだもう少し頑張ろう。


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