のぼみ~日記 2020
2020/01/04
箱根駅伝2020 雑感(3)
青学の運営管理車ドライバーさんが面白かった
さて、日テレのテレビ中継には1つ注文をつけたい。運営管理車(監督車)から檄を飛ばす監督の言葉をしっかり拾ってリアルタイムで流してほしいのだ。
監督が選手に声かけできるポイントは決まっていて、1km、3km、5km、10km、15km、あと3km(2、9、10区は20km)、あと1kmの7箇所。時間は1分以内。それ以外は何があっても声かけはできないが、中継ポイントで簡単にねぎらいの言葉と走りだした選手への激励はOKとなっているそうだ。
こんな面白いものを、テレビ中継ではほとんど流してくれない。視聴者は監督車からの声を必死に聴き取ろうとするのに、そこにアナウンサーの絶叫が被って聞こえない。なんとかしてくれぃ。
で、今回面白かったのは青学の運営管理車のドライバーさん。原監督が檄を飛ばすのに合わせてニコニコしながらいちいち頷いていた。
特に印象的だったのは4区の中継所あと1km地点での光景。4年生で初めて走ることができた吉田選手に対して原監督が「すごいぞおまえ!」と声をかけると、ニコニコしながらウンウンと頷いていた。
こういうのが箱根駅伝のテレビ観戦醍醐味なんだから、日テレはそういうの、しっかり理解して細かいカメラワークと音声をよろしく。
4区で予想外の劇走をした吉田祐也選手に「すごいぞ! 相澤の区間記録を破れるぞ!」と声をかける原監督と、その言葉に一つ一つ頷きながら笑顔で運転し続けるドライバーさん。ちなみに、今回、青学はスポンサード契約しているアディダスの靴から話題のナイキのヴェイパーに全員が履き替えていた。
ナイキのヴェイパーフライ 配給か自腹か?
ナイキのヴェイパーフライについては、すでにいろいろなメディアやSNSでの書き込みで話題になりすぎているので、ここでは詳しくは触れない。
なにせ、走った210選手(21チーム×10区間)中178人(85%)がナイキを履いていたというのだから驚く。(以下、ニューバランスとミズノが9人、アシックスが7人、アディダスが6人
だそうだ)
↑上のピンクのモデルの後、EKIDEN PACKという新色(緑とオレンジで左右の色組み合わせが違うやつ)が出たばかりで、それを履いている選手は「配給ヴェイパー」、ピンクを履いている選手は「自腹ヴェイパー」などと見分けるマニアもいる。
ナイキと契約している大学にはEKIDEN PACKが支給され、それ以外の大学の選手にはピンクのやつが支給、あるいは選手が自腹購入したのだろうか。そんなに単純な話なのだろうか?
東洋大、東海大、國學院大は全選手がEKIDEN PACKだった。あれは確実に「一斉配給」っぽい。
アディダスと契約している青山学院大は、今年からシューズは全員がヴェイパーだったが色はバラバラだった。1区・𠮷田圭太、6区・谷野航平、7区・中村友哉がEKIDEN PACK。9区の神林勇太はなぜかグリーンのナイキ(カスタムモデル?)でそれ以外はみんなピンクのヴェイパー。
青学クラスになると、注目度も飛び抜けているから、ナイキが選手ごとに無償配給したような気もするのだが、あるいは契約上、配給ができず、選手はなんらかの支援を得て、形式上は自腹で買ったことになっている??
東京国際大のY・ヴィンセント(ゴンちゃんのほう)や国士舘大のR・ヴィンセント(ライちゃんのほう)もEKIDEN PACKカラーのヴェイパーだったが、ケニア人留学生がしっかりEKIDEN PACKを履いているということは、ナイキは大学単位だけでなく、選手単位でもサポート契約みたいなものを結んでいるのだろうか。
そのへん、すごく知りたいねえ……。
それにしても、レース後のインタビューで青学の選手全員がアディダスに履き替えていたのはなんともいえない図だった。SNSでも散々いじられていたが、あれはかえってアディダスには屈辱だったんじゃないかしら。アディダスはわざわざ青学のチームカラーである緑を基調にした箱根記念モデルのシューズを日本国内限定販売したばかりだったのに……。
↑走るときは全員がナイキだったが、インタビューのときは全員がきっちりアディダスに履き替えていた。
ナイキを履かなかった唯一の区間賞選手
今回、全10区の区間賞獲得選手中9人がナイキだった。元日のニューイヤー駅伝(全7区間)でも、区間賞を取った全選手がナイキだった。
両方合わせて17区間のうち16区間の区間賞がナイキ。
で、唯一ナイキを履いていなかったのが箱根10区(23km)で区間新(1時間8分40秒)を出した嶋津雄大(ゆうだい)選手(創価大2年)。
彼は網膜色素変性症という目の病気を抱えていて、暗くなると視力が極端に落ちるというハンディを抱えながらも、13年間破られなかったいちばん古い区間記録を破ったということで話題になったが、彼はまた区間賞獲得選手中「ただ一人ナイキを履かなかった選手」でもあるのだ。
彼が履いていたのはミズノ。
「試してみたが、自分にはナイキが合わなかった。底が厚くて、背が高くなってしまうので、走っている時の体のバランスが崩れてしまう。ミズノのシューズを履いているが、ナイキと同じような反発がある。しかも、バランスも問題ない」
とのことだが、実はミズノは箱根駅伝の公式スポンサーの1つ(スポーツ関連グッズでは唯一)で、駅伝の応援グッズ(ロゴ入りのボアコート、Tシャツ、スウェット、キャップ、タスキの形をした応援タオルなど)を独占的に販売している。
ミズノとしては嶋津選手のコメントがどれだけ嬉しかったことか。
また、テレビ中継などでナイキの靴の話題を実況アナウンサーは一切出さなかったが、あれもやはり公式スポンサーであるミズノに遠慮してのことなのだろう。
そんなことを考えながら今回のナイキフィーバーを見ると、またいっそう面白い??
まあ、公式スポンサーなどにならずとも、駅伝で圧倒的なPRができたナイキは、笑いが止まらないだろうね。
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