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のぼみ~日記2019

2019/10/23

10.23(じゅってんにいさん)から15年

2004年11月の日記より

世間ではすでに原発爆発のことさえ忘れられつつあるが、ぼくらは3.11の前に10.23を経験した。
じゅってんにいさん、といわれても、ほとんどの人はピンとこないだろうが、2004年10月23日に起きた中越地震のことだ。15年かけて修繕し、終の棲家に仕上げたと思った「タヌパック越後」が、一夜にしてつぶれてしまった。
takuki.com のTOPページには今も「中越地震で家を失った記録」という目次の項目が残っている。
15年前も、ちゃんと日記をつけていたんだな。あたしって、ほんと、書くことは飯食うことや風呂入ることと同じなんだな~、と、我ながら呆れる。同じように楽器を弾いていたら、凄い演奏家になれたかもしれないのに……ざんね~ん! うだうだ言ってねえで練習しろ~~斬り(ギター侍風に)

あれから15年経った。
あれが15年前と思うと、不思議なことに、長いとも短いとも感じない。多くのことは「え? そんなに昔のことだったの?」とか思うんだけどね。なぜかこの15年は長くも短くも感じないのだ。
ただ、今から15年後に自分は生きていないだろうと思うと、いろいろ考えてしまう。あのときからの15年という長さの時間を、自分はもう経験しないのだな、という感慨というか……。

紙の本を作って、一冊でもいいから残すという作業はまだ続いている。
今日も↑これを仕上げてAmazonに商品登録した。Kindleブックにはなっていたが、紙の本にはしていなかった。売れないことが分かっているのでしていなかったのだが、今は売れなくても形にして残す、という作業に意味を見出そうとしている。
今までと違うのは、この本に978-4-910117-17-1というISBNコードが振られていること、Amazonのカタログに収録されたことでASIN: 4910117172というコードもついた。
ASINコードはAmazonが独自に商品につけている識別コードだが、Amazonだけでなく、あらゆる商品を識別できるコードとして世界のデファクトスタンダードになりつつあるという。
また、この本は近々、国立国会図書館に納本もされる。国会図書館の所蔵物となった時点で、国会図書館が作成している図書一覧リストにも加わる。
ちなみに、著作者としては恥ずかしいことだけれど、不覚にも今まで国会図書館への納本が法律で定められた「義務」であることを知らなかった。
第十一章 その他の者による出版物の納入
第二十五条 前二条に規定する者以外の者は、第二十四条第一項に規定する出版物を発行したときは、前二条の規定に該当する場合を除いて、文化財の蓄積及びその利用に資するため、発行の日から三十日以内に、最良版の完全なもの一部を国立国会図書館に納入しなければならない。
(国会図書館法 昭和二十三年法律第五号 平成二十七年七月十七日公布(平成二十七年法律第五十九号)改正)
この「前二条に規定する者」とは、国、地方公共団体、独立行政法人等のことなので、この第十一章は一般の出版社、出版者を意味している。
ここにいう「出版物」とは、オンデマンド書籍やCDも含まれ、国会図書館のサイトを見ると、オンデマンド書籍の場合、発行部数が15部以上のものを概ね対象の基準としているそうだ。

というわけで、私は今まで法律違反をしていたことになる。
終活の一環として、まずはすでに作成済みの書籍、CD合わせて二十数点をまとめて国会図書館に送った。もうすぐ『神の鑿』も『Orca's Song』も国会図書館の所蔵リストに加わり、誰もが閲覧、試聴できるようになるはずだ。上の短編集は第二陣納本分に入れる。

この法律の施行は昭和23(1948)年。敗戦の3年後にはこうして日本の文化をしっかり保護し、再建していこうという意志を実行に移していたのだなあ。
国会図書館への納品書に押すために、「タヌパック」のハンコを作った。送料・税込で680円!! 柘植材の本物よ。なんでそんな値段でできちゃうの??
国会図書館に送るために本とCDを詰めた段ボール箱を見ながら、ああ、これは自分にとってのタイムカプセルだな、と思った。
掘り起こすのは自分ではなく、未来の誰か……。何人が掘り起こしてくれるかは分からない。井津先生は「数は重要な問題ではない」と教えてくださった。「一人に向かって」何かを真剣にする。タイムカプセルだから、その一人の姿を見ることはできないけれど、そういう「一人に向かって」があってもいいだろう。
上柘角印 21.0mm Amazonで購入で680円!

「健康年齢」の限界

肉体の衰えが加速しているのを日々感じる。
いわゆる「身体がきついわ~」という状態。作業に集中できる時間が短くなった。ちょっと作業すると、すぐに疲れて、睡くなる。無理をせず、少し横になって、10分くらい眠って起きて、また作業を続ける。
階段の上り下りも意識を集中させないと危なくなってきている。なんでもないところで躓いたりすることが多くなった。
しかしまあ、脳がしっかりしていればなんとか活動は続けられる……と思いながら、ゆっくりやっているのだが、脳もかなりまずい。
最近、変な夢を見る頻度が増えている(毎晩必ず見る)。しかも、その支離滅裂度、不条理さがエスカレートしている。
で、登場する人物が、小学校時代の同級生(しかもまったく親しくなかった)とか、どこかで会ったことがあるけれどよく分からない人とか、そういう人が多い。夢の中の場所も、夢を見ているときは「そこ」なのに、起きてから思い返すとまったく知らないというか、行ったことも見たこともない場所(なぜか旅館みたいなのが多い)。今までは数日に一度くらいだったのが、今は毎日。なんか、脳が壊れていっているのではないかと不安になる。

昔の名前、今の名前

人の名前を忘れるのは加速度がついていて、この前は義妹夫婦の姓を思い出せなくなって焦った。固有名詞ではなく、普通名詞が出てこないこともある。
脳の記憶容量がいっぱいになって、あふれているのだからしょうがない、と思おうとしていたが、どうも記憶容量よりも機能が弱っていることが明らかな感じ。古いHDDみたいなものか。
しかし、忘れやすい名前と、どうでもいいのに忘れない名前というのがある。
役者の「槍魔栗三助」は一度も忘れたことがない。今は違う名前で出ているんだよなあ……なんだっけ……。
どうしても思い出せないので(今、これを書いている瞬間もまた忘れている)ググってみたら、こうだった。


「槍魔栗三助」をググった結果↑

槍魔栗三助は関西ローカルの『週刊TV広辞苑』に出ていて、そのときに名前を覚えた。上の動画『ムイミダス』はその後継番組だと思うが、面白さは『週刊TV広辞苑』のほうがずっと上だったと思う。『ムイミダス』になってからはつまらなくなって見るのをやめてしまったような気がする。(これも記憶が曖昧だが)
で、『週刊TV広辞苑』に一緒に出ていて「○○マン」という役を演じていた役者の名前は思い出せない。その「○○マン」が何マンだったのか気になって「広辞苑 槍魔栗三助」でググって、ようやく分かった。
蘊蓄マンで、役者は上海太郎だった。
槍魔栗三助はその後、大成功しているが、上海太郎はどうしているんだろう(死んじゃった?)と気になって、これまたググってみたら、出てくるのは極端に少ない。死んではいないみたいで、こんなのが出てきた。
YouTubeにUPされた日付は2010年だが、コピーライトは「(C) 2003 Universal 」となっているので16年前のものらしい


真面目な話、↑これを見て(聴いて)、あたしは「ベートーベンってすごいんだな」と改めて思ったのだった。好き嫌いでいえば、そんなに好きでもないのだが、とにかくすごい作曲家なんだなあ……と。

で、さらに「週刊TV広辞苑」は「そとばこまち」という劇団がやっていたんじゃなかったっけ、と思い出して、「そとばこまち」をググったら、
1976年に京都大学演劇研究会を母体にして誕生した学内サークル「卒塔婆小町」が発祥である。
1978年5月に創設メンバーが全員脱退し、辰巳琢郎・川下大洋ら当時の大学1回、2回生のメンバーで新たに「劇団卒塔婆小町」として立ち上げた。1979年6月に現在の名称となる。(Wikiより)

だそうで、辰巳琢郎が二代目座長(当時の芸名は「つみつくろう」)、上海太郎が三代目座長、槍魔栗三助(生瀬勝久)が四代目座長なのだった。
劇団そとばこまちはかなりアート性を追求していた劇団だったみたいで、上海太郎がやりたかったことは決して「週刊TV広辞苑」みたいなこと「だけ」ではなかったのだろうな、と思う。
しかし、能天気なアングラ劇団ファンとしては、無条件に笑える演劇はすごいと思う。東京乾電池がいちばん面白かったジアンジアン時代を知っているというだけでも、人生において「得」をしたなあ、と思うもの。
そのときにしかできない「旬」の傑作ってあるんだよね。でも、それをほとんどの人はテレビのようなメディアを通じてしか知る機会がない。「週刊TV広辞苑」をテレビで見なかったら、そとばこまちを知ることはなかったわけで、アートの追求と持続、記録というのは本当に難しい。

そういえば、即位の礼の裏側みたいなのをやっていたニュース番組に東儀秀樹が出ているのをみた助手さん曰く「この人の真似をしていた女の人、なんていったっけ……」
あたし「……う~~ん、蚊にさされた、とかなんとか……あ、カニササレアヤコ……かな?」

こういうのは覚えているんだから、能は、じゃなくて、脳は不思議だ。(ちなみにギター侍をやっていた芸人の名前は出てこない)
ほんとに「カニササレアヤコ」で合っていたかどうか確認したら、合っていた。


そんなこんなで、今日もまたあがきながらもなんかやっているあたし。そして今では……っていう曲を大学生時代に書いたなあ。あれは駄作だったよね(>てっちゃん。いやがるのに速弾きを強要して、ゴメンねゴメンね~)

↑書いたときは不満と不安だけが残っていたけれど、今読み返せば、あのときにしか書けなかったような「旬」な作品もいくつか含まれているような気もする。
ISBN978-4-910117-17-1 B6判・228ページ オンデマンド 1200円(税別) 送料:220円



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