2019/06/10
SH-M08のカメラ性能はどうなの?
左からXZ-10、SH-M08、iPod touch6
スマホが来てからも、腰の左側には相変わらずXZ-10というオリンパスのコンパクトカメラが一日中ぶら下がっている。
スマホの内蔵カメラで大差ない写真が撮れるなら、これをぶら下げておく必要はないのでは? と、普通は思うよね。
では、実際には「お散歩カメラ」「日常のメモ代わりカメラ」として、シャープのスマホSH-M08はどうなのか?
iPod touch6も加えて、3つの撮り比べをしてみた。
まずはのぼるくんをモデルに。
暗い室内、窓から射し込む光が逆光になっている場所で撮ったものを顔の部分だけトリミングして、さらにIrfanViewで調整してベストな見ばえにしたものを比較。普段の使い方でどれだけ差が出るか……。

iPod touch6 F2.4、1/30秒、3mm固定

SH-M08 F2、1/34秒、3mm固定

XZ-10 F1.8、1/80秒、5mm
近接撮影ではそんなに差が出ないというか、何かのタイミングでよくも悪くもなる感じ。
よく見れば、SH-M08は色味がいちばん不自然で、かつ、白い毛の部分が飛んでいる。iPod touch6は相当頑張っていて、改めてすごいなと感心するのだが、XZ-10に比べれば、背景のぼけ方が汚かったりする。でも、パッと見のインパクトは変わらない。
最近は海外の刑事物やスパイものドラマなんかで、現場写真や書類の盗み撮りにiPhoneを使っているシーンがよくあるが、実際、このくらい写れば何の問題もなさそうだ。
iPod touch6は1/2.3型とほぼ同じ面積で800万画素CMOS、SH-M08はサイズが分からないが、おそらく1/2.3型くらいで1200万画素センサー、XZ-10もやはり1/2.3型で1200万画素センサー。
レンズはiPod touch6がF2.4、3mm。SH-M08がF2.0、3mm。XZ-10はF1.8~2.7、4.7mm~23.5mm(26mm~130mm相当)。
レンズ性能はさすがにXZ-10の圧勝なのだが、この差がはっきり出るシーンとそうでもないシーンがあるわけだ。
次は草むらの写真。

iPod touch6


SH-M08


XZ-10

こういう写真だと、緑色の色調に差が出る。CMOSセンサーの性能があまり変わらないとすれば、やはりレンズの差なのだろうか。
上の写真の一部をトリミングで拡大し、花にとまっているミツバチを見てみる。

iPod touch6

SH-M08

XZ-10はトリミングせずとも光学ズームでここまでいける↑し、それをさらにトリミングしてもこれだけクリア↓

結局、XZ-10最大の強みは130mm相当のズーム端でもF2.7の明るさを誇るZOOMレンズなのだ。昆虫やカエルの写真を撮ることが多いあたしとしては、やはりスマホの内蔵カメラですべてOKというわけにはいかない。
……ということで、大体結論は出た。
iPod touch6とSH-M08の内蔵カメラ性能は大差ない。
料理の写真とかメモ代わりの近接撮影ではiPod touch6やSH-M08でも十分いける。
しかし、風景の細かな色階層やズームマクロ的な撮影ではXZ-10とは比較にならない。
そりゃまあそうだよなあ。それじゃなければ「カメラ」を別に持ち歩く意味がないものね。
では駄目押しで、いくつか撮り比べを並べてみる。
iPod touch6でトリミング拡大した丸池のトウダル↑

XZ-10ならここまでいける↑

iPod touch6

SH-M08

XZ-10

SH-M08↑

XZ-10↑

iPod touch6↑

SH-M08↑

XZ-10

逆光でどこまでいけるか iPod touch6

SH-M08

XZ-10

上の写真をトリミングして拡大 iPod touch6

SH-M08

XZ-10はトリミングせずともズームでここまでいける

木々の緑をどこまで細かく描写できるか iPod touch6

SH-M08

XZ-10

パッと見、分からないミニ池のトウダル トリミングで拡大してさらにIrfanViewでガンマ補正して、なんとか見えるようにした……↓ iPod touch6


同じことをSH-M08でもやってみる


XZ-10だと光学ズームでできる



白飛びしがちなドクダミの花。普通に撮ると案の定白飛びしたので、IrfanViewでガンマ補正したが、飛んだものは戻らない↓ iPod touch6


SH-M08でも同じ傾向だった↑↓


XZ-10だとこう↑↓


赤・白・緑……iPod touch6 色味が薄い……

SH-M08でも同じ傾向↑

XZ-10だと色が濃くきれいに出る↑ 花の赤い色はこれがいちばん実際に近い
iPod touch6やSH-M08では、どうしても色味が薄く出る傾向がある。明るく写そうとしすぎるのだろうか。
ちなみにSH-M08のカメラは、AI AUTOと普通のAUTOのモードがあり、AIにしておくと被写体の種類を自動認識して最適なモードに調整するということになっているのだが、花に関してはAIにしてもしなくてもほとんど差が分からなかった。しかも、赤い花がピンクの花になってしまう。

被写体が花だと自動認識している状態↑

↑普通のオートモード ↓AIオートモード

スマホの内蔵カメラはただでさえ無理をしているので、「自然な色味で」とか考えても仕方がないのかもしれない。開発者の味付けセンスを信じてAiモードにしておくのがいいのかな。
ただ、花を人物だと誤認識したりすることがときどきあるようだ。
最後に動画性能の比較もサクッとしてみた。
XZ-10はもともと動画性能があまりいいとはいえないので、スマホと大差ないかもしれない。下手すると負ける可能性も??
……というわけで、とりあえず再認識したことは、
- メモ代わりやSMS投稿用の写真なら、もはやスマホ内蔵カメラでも十分といえるようになった(というより、安いコンパクトカメラの存在価値がなくなった)
- しかし、スマホ内蔵カメラのCMOSセンサーは、できるだけ画素ピッチを大きくとったもの(画素数が少ないもの)を採用していることが望ましい
- 食べ物や風景遠景ではSH-M08が優秀。XZ-10との差があまり感じられない
- XZ-10は130mm相当の望遠端でもF2.7という明るいレンズの威力が効いている。少し離れた距離の動植物や、ズームマクロ撮影では、スマホとは圧倒的な画質の差が出る。こういうコンパクトカメラが今はもうないのが残念
ということかな。
当面、XZ-10を左の腰にぶら下げる生活は続きそうだ。
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