正月早々、重苦しいトピックが続くと滅入るので、ちょっと話題を変えて……。
今年の『志村&所の戦うお正月』が面白かった。
中でも「消えた言葉」「意味が変わってしまった言葉」は、改めて、言葉の寿命の短さに驚かされた。
人間の一生より短い言葉がいっぱいあるのね。
バイきんぐ小峠が「営団地下鉄」を知らないのにもビックリした。2004年(平成16年)に民営化されて「東京メトロ」になったらしいが、まだ15年しか経ってない。
小峠はその頃地下鉄に乗っていなかった??
もっとも、これは時代と言うよりも地域性の問題か。首都圏に住んでいなければ知らなくても当然か。
僕自身、営団地下鉄の正式名称が「帝都高速度交通営団」で、東京メトロも「東京地下鉄株式会社」だってことは、今、調べてみて初めて知った。
衣類や服飾関係の言葉はものすごく変化した。
レギンス、コーデュロイ、トレンカ、パテントレザー、シュシュ、ジレ、ブーティー、サロペット……全部知らない。
助手さんに確かめたら、やっぱり全部知らなかった。
- 助手さん「トレンカ? 東京都連の歌?」
- あたし「多分違うと思う。レギンスの一種って書いてあるけど、レギンスって何?」
- 助「なんか、厚い靴下みたいな? ……違うか……」
- あ「昔はスパッツって言ってたらしいよ」
- 助「ピタッとしたズボン?」
- あ「もしかしてももちゃんのことかな」
……我々は異国に住んでいるのだろうか?
「『ズボン』を『パンツ』と呼ぶのにどうしても慣れない」というトピックもあった。そりゃあ慣れるはずがない。若い女性が「パンツ汚しちゃった~」と言ったら、ギョッとする。
pantsを辞書で引くと、主にアメリカではズボンで、イギリスでは下着のほうだというのだが、そうなのか?
そういえば先日、大腿骨骨折が分かった後、副施設長のシバニャンからスプーンでおかゆを食べさせてもらっていた親父が、食べながら無駄口を叩き続けるので、シバニャンが「少し黙って! 男でしょ!」と叱ったら、親父が小声で「男は黙って……というのがあったね」と言ったのがおかしかった。
アラフォー(この言葉も還暦超え世代としては使うのが恥ずかしい)シバニャンは何のことだかサッパリ分からない様子だったので、僕が横から「……サッポロビール」と続けたら、シバニャンはますます???ってなっていた。
この手のフレーズがどんどん消えていくのはしょうがない。
「ちょいと野暮用アリーノで、これにてドロンしま~す」
「バハハーイ!」
「がび~ん! もう帰るっちゃ~?」
「うん。家でヨメがコレもんのコレで~」
「なるへそ~」
「課長ったら、愛妻家~。♪あいさいオ~ジサン ったら あいさいオ~ジサン♪」
「あたり前田のクラッカー」
「ったく、ああ言えばジョーユーだわ~」
……なんてのも今はダメなんだろね。聞かされた若いOL(あ、これも死語?)から「精神的苦痛を与えられた」なんて訴えられるかもしれない。