アルトラパンの購入を決めて、X90で家に帰る途中、行きの道中で目にとまった「古代蓮の里」という公園のような展示館のようなところに寄ってみた。
思っていたよりずっと楽しめたので紹介したい。
公園は14ヘクタールあり、あまり手を入れすぎず、いい感じで仕上がっている。季節が季節なので、蓮の花はもちろんなく、葉や茎も半分枯れた状態だったが、その寂れた感じも悪くなかった。

公園の奥のほうにある水鳥の池。植物が繁茂していて池に見えないが、その隙間からだまし絵のように鴨?が泳いでいるのがチラッと見えた。

およそ1400年~3000年前の蓮の実が土中に埋もれていて、それが造成工事で掘り起こされ、発芽したのが発見のいきさつだという。なるほど、それで「古代蓮」なのね。

シンボルマークの展望タワーは高さ50m
古代蓮会館という建物があり、高さ50mの展望台がシンボルタワーになっている。会館への入場料は高校生以上:400円、小中学生:200円。
400円はちょっと高いかなと思ったが、中に入ったら結構楽しめたので、順当な料金だと思う。
蓮がどうというよりも、里山の自然を学べるのがいい。
ここで思いがけぬことがあった。
ビデオを流しっぱなしにしているコーナーで、画面に一瞬、お袋(鐸木能子)の人形かと思うような人形が映ったのだ。
え? なんで? まさか……と見直したが、すでにその場面は終わって次に移ってしまった。
蓮をテーマにした工芸や美術品を紹介するコーナーで、そこに人形も登場したということが分かった。
作家は誰だろうと気になって、助手さんはビデオが一巡するまで10分くらいそこに立ちつくして画面を見続けていた。

木暮照子さんという作家さんだった↑↓

見覚えがあるお名前のような……??
お袋の生徒の一人だろうか。それともお袋との会話の中に出てきたのだろうか。
家に戻ってからネットで検索したら
⇒こんなブログが見つかった。
朝日新聞の耕論“デジタルの落し穴”に作家で作曲家のたくき よしみつさんのお話しが載っていました。プロフィールを読みましたところ、本名・鐸木能光とありましたが、日展や新工芸展でご活躍された人形作家の鐸木能子先生のご子息様ではないでしょうか。
やはりお袋とは関わりのある作家さんだった。作風がとても似ている。
ちなみに木暮さんのブログに載っている
写真の人形は「讃(みのり)」という題がついていて、第21回日展(1989)の出品作。お袋が持っていたデータでは「小山市人形博物館所蔵」となっていたが、調べたところ正式名称は「日本人形博物館」という「特例財団法人」で、かつては小山市にあったようだが、その後、壬生町に移り、今は存在が確認できなかった。小山市の住所にはサ高住が建ち、壬生町の住所はマンションが建っている。なくなってしまったのかもしれない。
ちなみに「特例財団法人」とはなんだろうと調べたら、
公益法人は社団法人と財団法人の総称であるが、2008年から2013年の間に、社団法人は「公益社団法人」か「一般社団法人」へ、財団法人は「公益財団法人」か「一般財団法人」へ、移行しなければならない。2008年から2013年までの期間は猶予として認められており、その期間中に移行していない公益法人を総称して特例民法法人と呼ぶ。
(新語時事用語辞典 より)
さらに調べていくと、
従来の公益法人(社団法人・財団法人)は、2008年(平成20年)12月1日の新公益法人制度施行から移行期間末日である2013年(平成25年)11月30日までの5年間継続して存在することを暫定的に認められていた。これを特例社団法人、特例財団法人といい、総称して特例民法法人という。
2009年9月鳩山由紀夫内閣が発足し行政刷新会議のもとで「事業仕分け」と名付けた改革または刷新を行うこととなった。
(Wiki より)
……ということだ。
事業仕分け、なんだか懐かしい。これをやっている最中に原発が爆発し、民主党政権も消えていったのだなあ。
このときの「仕分け」対象としての条件が興味深い。
- 2007年(平成19年)度に国または独立行政法人から1,000万円以上の公費を受けている。(1,306法人)
- 法令に基づき権限の付与を受けている。(598法人)
- 収入の50%以上を国または独立行政法人からの公費に依存している。(365法人)
- 官僚の天下りした者および「隠れ天下り」と呼ばれる者を受け入れている。(2,353法人)
- 10億円を超える財産を保有している。(1,448法人)
- 内閣総理大臣または府省庁が所管または管理する公益法人であるが都道府県からも公費を受けている。(825法人)
- 国の事業の行政委託型公益法人であるが、その委託された事業を外部の事業者に再委託している。(24法人)
……なるほど。
現在の法律では、公益法人と認める条件を「主たる目的とするこれらの公益目的事業の費用の比率を50%以上とし、その事業を行うに必要な経理的基礎および技術的能力を持つこと、理事や社員から雇用される者に至るすべての関係者に特別の利益を与えないことなど」としている。
(いずれも
Wiki より)
ちなみに、今年世間を騒がせた日本ボクシング連盟は「
一般社団法人」、日本相撲協会は「
公益財団法人」である。
「日本人形博物館」は平成24(2012)年12月時点での公益法人データベース には「
特例財団法人」として載っているので、おそらく2013年までに移行できず財団法人としては自然消滅したのだろう。
となると、その後、そこに所蔵されていた人形はどこへいったのだろうか。
それにしても、こんなところでお袋の人形ことを思い出し、公益法人について調べることになるとは、なんとも不思議な体験だった。