一つ前の日記へ一つ前へ |  目次へ   | 次の日記へ次の日記へ

のぼみ~日記2018


2018/10/10

どかない? どかさない?


「どかせばいいじゃん」「可哀想でしょ」
フフフフフ。おれらの勝ちぜよ


訪問診療医へバトンタッチ


午前中の診療、最後の一人になった

今日は疲れた。
午前中の最後を狙って、親父の主治医のもとへ、次の訪問医師への紹介状(引き継ぎ状)を書いてもらいに行く。ついでに僕自身は血液検査してもらうために採血。

親父はどんどん弱ってきていて、今はもう歩くのは数メートルがやっとという感じ。椅子に座ったり立ったりも、そばですぐに支えられるように身構えていないとひっくり返って危ない。
でも、手を貸そうとすると嫌がって払いのける。
この分だと早晩病院に連れて行くのも難しくなるので、義母をお願いした宇都宮の訪問診療医に「ついでにうちの親父もお願いできませんか」と頼み込んだ。
OKが出たので、今までの主治医からの引き継ぎ状を書いてもらうのに今日は訪れたという次第。
前回から院長には「かぶらきさん」と呼ばれる。
「一か月って、早いねえ」とも言われた。先週親父を連れてきたばかりで、一か月は経ってない。院長、とても忙しそうだ。

日光市内には訪問診療をしてくれる医師はほぼいない。訪問診療を掲げている医院に施設長が挨拶に行ったら、契約している施設以外はやっていないとあっさり断られたとか。
宇都宮市には何人かいるようで、その中でもいちばん人気のある医師(一人で70人の訪問をしているという)に来てもらえるようになるとは、なんと運のいいことか。
今の施設に入れたことといい、親父は本当に強運の持ち主だ。

家の回りを少し点検。伸びすぎた木の枝を少し切る。イヌザンショウに赤いものがいっぱいついている



助手さん、ここからカメムシが入ってきてすぐに換気扇が止まると訴える。網が入ってない安いやつなんだな。ざるでもかぶせるか



物置のドアにアマガエルが2匹張り付いていた。同じ場所にいるのに、片方は全然色を変えていない。すぐに色を変えるやつと変えないやつって、性格の違いなのかな


レオがいよいよ……

レオがとうとうものを食べなくなった。数日前から少しずつ食欲が落ちていて、足腰も一気にガタガタになっていたので、これはもう長くはないなと覚悟はしているのだが、辛いな。
今日はついに立ち上がれず、地面にへたりこんだかと思うとバタバタし始めた。それ以上刺激しても可哀想だから、そのまま戻ってきた。

考えようによっては、中途半端に元気なまま冬に突入して、寒さのために弱っていくのを見ているのは辛すぎるから、今くらいのちょうどいい季節に眠るように逝ってくれたほうがいいのかもしれない。
ただ、今までも何度も、もうダメだと思ったのに復活しているからなあ。

心臓がとても強いみたいだ。
でも、他がもうボロボロ。
目はだいぶ前から白内障でよく見えてない。耳も聞こえてない。嗅覚も怪しい。クンクンしているけど、目の前の餌の場所が分からない。
で、駄目押しのように、ついに歯もおかしくなった。柔らかいものをあげても、噛むときにガリガリと音がする。音がするような食べ物ではないのにガリガリ音がするということは、奥歯が抜けたり欠けたりしていて、歯の欠片を噛んでいるに違いない。それもガリガリ音がするということは、脆くなっているわけだ。
食べることだけは貪欲だったレオだから、歯がダメになるのは致命的だ。
流動食をあげても、このところうまく口に入れられず、入っても呑み込むのが難しそう。
普通ならとっくに死んでいるんだろう。なまじ心臓が強いばっかりに、死ねないんだろう。
しかし、どうしようもない。

2018/10/11

雨。
レオの様子を見にいくと、小屋の中にはいなくて、外の柵のところで倒れていた。死んだかと思ったが、腹が動いている。
植え込みが邪魔して近づけない。
こっちもずぶ濡れになりながら植え込みの下に潜り込んで身体に手をあてると、呻きながらバタバタと身体を反転させ、もがき始めた。
もう、エンドルフィンが出ていて、見た目ほどは苦しくはないのかもしれない。
人間も、死に際に断末魔のような声を上げていたのが、見守る親族が呼びかけたら意識が戻ってしまい「なんだ、せっかく人がいい気分で夢を見ていたのに、なぜ起こした」と怒った、というような話はよくある。そういう状況なのだと思いたい。
であれば、これ以上刺激してはいけないと思い、そのまま戻ってきた。

2018/10/12




もう死んでしまったに違いないと思って行くと……ああ、やっぱり。柵の入り口が開いていて、中は空っぽだった。
死んだんだな。遺体はどうしたんだろう。買い主さんからメモが残されているんじゃないかと思って、リードが置いてある物置テントを覗くと、なんとそこに段ボール箱が置かれていて、中にレオが入っていた。
動いている。
絶句してしまった。
まだ生きていたのか? もういいのに。頑張らなくていいのに。

なにもできずに家に戻る。


家ではみ~がこの状態。こっちは死んでいるわけではない

ゆいちゃんが「レオのお散歩はこれから?」と訊くので、「レオはもう死ぬんだよ。明日まではもたないよ」と説明すると、「見にいく!」というので、じいちゃんと二人で止めた。
「トラウマになるからやめようね」
「トラウマってなに?」
「う~ん……心の傷みたいなもの。怖い夢みたりしたらいやでしょ?」
「大丈夫」
……まあ、それ以上は食い下がらなかったのでよかった。


タヌパックブックス



↑エントロピー環境論を子どもから大人まで伝えたいという気持ちで書いた、これは私の「遺言」です。

医者には絶対書けない幸せな死に方
「医者には絶対書けない幸せな死に方」(講談社プラスα新書)
内容紹介は⇒こちら

以下のいずれからでもご購入いただけます

Amazonで買う   hontoで買う    7ネットで買う  honyaclubで買う  bookfanで買う  LOHACOで買う  Yahoo!  楽天ブックスで買う



更新が分かるように、最新更新情報をこちらの更新記録ページに極力置くようにしました●⇒最新更新情報
  


一つ前の日記へ一つ前へ |  目次へ  | 次の日記へ次の日記へ

 
Kindle Booksbooks    たくきの音楽(MP3)music    目次へ目次    takuki.com homeHOME


Google
nikko.us を検索 tanupack.com を検索