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のぼみ~日記2017たくき よしみつの日記2017


2017/12/07

日光のクリスマス2017 ロングバージョン


悩んでいるうちに、先に予定外の「歌」バージョンができてしまった『日光のクリスマス2017』だが、なんとか気力を持続させ、作業途中だったインスト部分も完成させてみた。
ベースは先日購入した新しい音源。今までの音源(Kontaktに付属)よりいいというわけでもないけど、そんなに悪くもないかな。
マウスでピアノを演奏する?のはすごく難しいし、根気のいる作業。あっちゃんに頼めばあっという間なんだけどね。
EWIはいつものヴァイオリン音源。
助手さん曰く「動画の素材が変わりばえしないわね」
……うん。今日の散歩でチャチャッと撮ってきた素材ばかりだからねえ。いいのこれは。あくまでも音楽が主役なんだから。

「音楽を聴く側としては、その裏の苦労話や悩みは聞きたくない」と言われたことがある。好きな音楽は、余計な情報が入らない状態で、純粋に楽しみ、感動したいのだ、と。
それはよく分かる気もする。
五木寛之の小説だっただろうか、ナチスの将校がユダヤ人少女をいたぶった後にものすごく美しいピアノを奏でるのを窓の外から見ていた人が涙するというシーンがあった。音楽(芸術)の価値と、それを生み出した人間の人間性は関係がない、という残酷さを描いている。
そこまで極端ではないにしろ、音楽が生まれる過程の泥臭い情報はいらない、という気持ちは理解できる。

そもそも、音楽の価値、音楽の魔力ってなんだろう……という疑問にも通じる問題。

夜、酔っ払って、フェイスブックにこんなことを書き込んだ。
精神(と我々が思い込んでいる何か)は、脳だけで決まるのだろうか? ……というのは大昔から人間が問い続けてきた永遠の謎。
歳取って心が穏やかになる人、ますます嫌なやつになる人……何がどう違うんだろう。
一卵性双生児でもまったく性格が違うのは、やはり肉体(脳)以外に魂みたいなものが宿っているからなのか?
で、最近、ふと思ったのは、もしかすると人間が「精神」と思っているのはやはり肉体(物質)が作りだしているもので、魂と思っているのは、肉体の数だけあるわけではなく、宇宙に一つしかないのかもしれない……というようなこと。
我々はすべて一つの魂に含まれる分子、あるいは細胞みたいなもので、精神も含めて、その活動をいちいち大元の魂が認識しているわけじゃない。
人間が髪の毛一本を個別に意識・認識していないように。
細胞にも、活発な細胞、不活発な細胞、不健康な細胞、中には癌細胞みたいに変質するのがあるように、「心」ってのも、それをすべて引き連れている「何か」にしてみれば、なければ困るかもしれないけど、いちいち個々の単位で認識していられない……その程度のものなのかもしれない。
この考え方(モデル)だと、「輪廻転生」は、一般的に考えられているのとはちょっと違ってくるかもしれない。
抜け落ちた髪の毛が「生え替わる」ような感じ?
とすれば、毛根が生きていれば同じような命として再生されるのか? それとも、抜け落ちた毛はあくまでもそれっきりで、次に生えてくる毛はまったく別の命なのか?
いずれにしても、その髪の毛が所属する身体(宇宙?)が死ねばすべてがなくなる?
人間のスケールで物事を考えている限りは、永遠に答えは分からない問い。


大体、こういうダラダラした書き込みにはコメントはつかないものだけれど、意外にもいろんな人たちが(しかも、普段はあまりコメントしてこないような人からも)反応してきて、面白かった。

「魂と思っているのは、肉体の数だけあるわけではなく、宇宙に一つしかないのかもしれない……というようなこと」っていうのはインド哲学でいうところの「梵我一如」という考え方に通じるものがありますね。

ん? そうなの?
さっそく「梵我一如」をググると……、
インドの哲学書ウパニシャッドに代表されるバラモンの根本思想で、宇宙の根本原理であるブラフマン(梵)と個人の本体であるアートマン(我)とは同一であるというもの。(小学館 デジタル大辞泉)

自然的世界の根本原理であるブラフマン(梵)と,人格的な自我の原理であるアートマン(我)との本体が同一無差別であるという思想。インド哲学の中で,特にウパニシャッドに基づく正統バラモン教の中心思想である。(百科事典マイペディア)

〘仏〙 宇宙の根本原理であるブラフマン(梵)と個人の本体であるアートマン(我)とが同一不二であること。インドの正統バラモン教思想の根本原理。(三省堂 大辞林第3版)


ブラフマンとアートマン、梵我一如……そうですかぁ~。

助手さんにこれを説明して「それって、個々の人間にとって、救いにはならないよねえ」と言ったら、すかさず笑顔で「全然ならない!」だって。

「意味のあること」とはなんでしょうか。何に対しての「意味」でしょう。
自分が生きているこの世界に対してなんらかの価値を生み出すという意味であれば、まずは「人間社会」を愛することが大前提になります。
生物的には生きる能力がありながら自殺する人の多くは、この人間社会を愛せなくなったから死を選んだのだと思います。
実際、人間社会には、愛せないこと、理不尽なことが多すぎますが、それでもこの社会を愛するという気持ちを持ち続けないと、生きている意味を見いだすのは困難です。
『医者には絶対書けない幸せな死に方』 あとがき より)

しあわせあっぷる


こないだ、親父がお世話になっているホームのWEBサイトを作った。お礼にもらった中にこんなのがあった。矢板で作っているのね

椎茸じゃないよ


まあ、人間はブラフマンなんて想像できないから、お世話になっててありがたいと思ったり、これ美味だなあと喜んだりして日々を過ごしていくしかない。

医者には絶対書けない幸せな死に方
「医者には絶対書けない幸せな死に方」(講談社プラスα新書)
2018年1月18日発売  内容紹介は⇒こちら

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『So Far Away たくき よしみつSONGBOOK1』

原発が爆発する前の2010年、阿武隈山中のスタジオにこもって制作した自選ベスト曲アルバム
「メロディの価値」を信じての選曲。20代のときの幻のデビュー曲から阿武隈時代に書いた曲まで、全13曲
iPhone、iPadのかたはiTunesストアから、アマゾンmoraでも試聴可能


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