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のぼみ~日記2017たくき よしみつの日記2017


2017/11/12

宇都宮に彫刻屋台2台を見に行く(3)白沢甲部屋台




さて、次は河内市民センターで白沢甲部屋台を展示している河内地区市民センターというところへ移動。

東北道で上河内サービスエリアというのがあるが、そのSAの名前で「河内」という地名を思い出す程度で、意識したことはない場所。地図で確認すると、4号線からも東北道からもだいぶ離れている。
去年天棚を見た東下ヶ橋や古田町もこの近くで、宇都宮市の天棚や彫刻屋台は北部に集中しているようだ。

白沢地区は宇都宮市の北東部、かつて奥州街道白沢宿があった場所。
Wikiなどで調べてみると、白沢宿は奥州街道18番目の宿場で、宇都宮宿の次。明治18年に奥州街道が現在の国道4号線に移されたため、現在では宿場町だったという面影はあまりない。

この白沢地区には、白沢甲部屋台と白沢南屋台という2台の彫刻屋台があり、今日はそのうちの甲部屋台のほうが展示されているらしい。

屋台が登場するのは、白沢地区の白髭神社の例大祭の付け祭のときで、これは5年に1度。滅多に見る機会がないので、見逃せない。

屋台は板組や彫刻の墨書から、天保4(1833)年前後の製作と見られる。黒漆塗彩色彫刻屋台なのだが、さっき見て来た仁良塚の屋台が彩色を施されて大改修されたのに比べると、彩色がボロボロに落ちてしまっている。でも、それが風情になっていて、ある種の凄みも感じる。

彫刻は複数の彫り師の手による。磯部敬信(3代目義兵衛)も入っているようだ。明治3(1870)年にかなりの手直しがされているという。

市民センターはものすごい人出で、車がPに入れずに長い列をなしていた。お祭りが行われていて、そこに屋台も出します、という感じ。
僕らは「彫刻屋台」だけが目当てで出かけるのだが、ほとんどの人たちは屋台にはあまり興味を示さない。
行くと、情報をくれた駒場さんと彫刻師の黒崎嘉門さんが来ていた。

展示するだけで夜の巡行をしないのなら、提灯と屋根はつけないでほしかったなあ


鹿沼の屋台がほとんど内車輪なのに対して、宇都宮の屋台は外車輪形式が多いようだ。左端はじっくりと屋台を観察している黒崎嘉門さん

鬼板と懸魚は獅子


目玉は玉眼と呼ばれるはめ込み式のガラス玉




後ろ側の鬼板・懸魚も同じ親子獅子。子獅子の向きが逆になっているだけ



前の獅子は青、後ろの獅子は緑色に彩色されていたようだが、色はほとんど剥げてしまっている



柱隠しに龍。この龍にも玉眼がはめ込まれている



龍の玉眼はかなり珍しい



龍の爪や鱗もしっかり彫り込まれている。爪の先などが欠損してしまっているのは残念だが、黒崎さんが補巧すればしっかり甦るはず



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