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のぼみ~日記2017たくき よしみつの日記2017


2017/01/19

音楽制作環境改善計画


先日購入したKORGのオーディオインターフェイスが劇的によかったので、メインの音楽制作環境もオーディオインターフェイスを替えることで改善されるのではないかと考えるようになった。
これは今までも何度も考えてきたのだが、そのたびに「ま、いっか」とやめていた。
今の音楽制作環境は、
……というもの。
YAMAHAのn12は百合ヶ丘と阿武隈で同じものを2台用意し、外付けHDDだけ持って移動していた。
n12はCubaseとの連携を考えて作られたものだが、購入のきっかけはワイヤリング地獄からの脱出だった。
当時は 英国Soundtracks PC MIDI24とFOSTEXのD-160という16チャンネルデジタルレコーダーを接続していたのだが、PC MIDI24の入出力のケーブルが多すぎてしょっちゅう断線やら接触不良やらのトラブルがあった。
使うワイヤーも特殊で、ライン入力用ジャックはステレオフォーンプラグのリングが+(hot)という奇怪なものだった。おかげでプラグとケーブルを別々に買って、全部自作する必要があった。
n12に替えたことで、adat opticalの光ケーブル2本で16トラックの入出力ができるようになり、ワイヤリング地獄から解放されたし、接触不良などのトラブルもなくなったのはよかったのだが、トータルでの音質劣化が明らかだった。
それでも元に戻ることは考えられず、音質の劣化はぐっとこらえたのだが、デジタルミキサーってこんなに貧弱な音なのかと愕然としたものだ。
で、しばらくはFOSTEXのD-160に録音したものをDATにマスターするという方法だったのだが、n12についてきたCubase LEを試しているうちに、全部コンピュータでやれたらそれに越したことはないよなあ……と思って、Cubase Studio4を購入。音がちゃんと出るまでに何か月もかかって、音が出てからも散々トラブル続きだったが、その後、数年間はCubaseでやっていた。
Cubaseは処理が重くて、ソフトエフェクターを使うなんてとんでもなかった。だから、Cubase時代も、リバーブなどは外部機器へのsend/returnで処理。そのため、エフェクターラックが別に必要だった。
ところが、日光に来て、生まれて初めてのMacを購入して、Logicに移行してからは、嘘のようにすべてがコンピュータでできるようになった。Macは今ではWindowsマシンよりコスパが高いということも分かった。
今はもうLogicしか使っていないのだが、そうなると、外部のエフェクター類はいらないし、n12のような12チャンネルもあるミキサーもいらない。
n12はあれもこれもついていて定価十数万円だが、入力がついていない、単純なオーディオインターフェイスであるKORG DS-DAC100mは定価が3万円以上する。どう考えても、DA/AD返還部分だけで3万円のほうがクオリティが高いのは当然ではないか? と思えてくる。
で、n12を片づけて、Focusriteの2チャンネルくらいのシンプルなオーディオインターフェイスに替えれば、机の上もスッキリするし、音もよくなるんじゃないかと思った次第。

しかし、KORG DS-DAC100mをMacにつないで、再生音をn12と聴き比べてみたが、その違いはまったくといっていいほど分からなかった。
となると、少なくともD/A部分では音質に差がないのではないか?
ただ、Focusriteはマイクプリアンプに定評があるとのことだから、マイク録りしたときは差が出るのかも?

そこで、ヤフオクでずっとFocusriteが安く出るのを待っていたのだが、なかなか1万円以下では出てこない。
諦めて1万2000円で落札したのがSaffire24という少し前のモデル。
届いたのだが、なんとオマケでつけてもらった3本のFirewireケーブルがどれもMac miniの端子と合わない。n12をつなぐときもこれで困ったのだった。なんで同じ規格のケーブル端子に3つも違うものがあるんだよ。
Amazonで追加のケーブルを取り寄せている間、n12とつなぎ替えながら音質比較をしてみたが、やはり再生音については差が分からなかった。
もしかすると僕の耳が老化しているせいで聞き分けられないのかもしれない。その可能性はとても大きいが、聞き分けられない以上、どうしようもない。

期待していたマイク録りは……、
Focusriteのほうがほんのちょっと高域がシャープに突き抜けている感じはある。でも、ほんのちょっとのことで、それが「いい音」なのかどうかは分からない。少なくともはっきり分かるような差ではない。Focusriteで録った音とn12で録った音を同一トラック上でつないでみても、そのつなぎ目が分からないほどだ。
むしろ、実際にやってみると、n12にはコンプ系のエフェクトが各チャンネルにあるし、インサート端子もあるし、内蔵リバーブで簡単にモニター音にリバーブがかかるし……とった利便性の高さを再認識させられた。
じゃあ、今まで通りn12でいっか……ということに……。
助手さんにも「どうせ片づけてもすぐに空いたスペースにものを置いてしまうんだから同じことでしょ」と言われてしまったし……。

さらに考えた末に、FocusriteはMacBOOKにつないで、MacBOOK経由でSWAMエンジンのチェロ音源などを演奏するときに使おうということになった。
最もよく使うEWI USBの付属音源(Gullitan)を使うときのインターフェイスとしても使える。この音源は32bitなので、64bitプラグインしか受け付けないLogicでは直接組み込んで使えないのだ。だから、Logicにつないだn12とは別のインターフェイス経由で一旦外に音を出してから、その音をオーディオ信号としてn12に入れてLogicではソフト音源トラックではなく、オーディオトラックとして使うことになる。今までは安いインターフェイスやMacBOOKの内蔵音声出力を使っていたのだが、KORGの劇的な音質改善を体験した今は、そこでオーディオインターフェイスをケチると元も子もないと分かったから。


大きさがずいぶん違う



これが新しくやってきたFocusriteのオーディオインターフェイス



もう、ぐちゃぐちゃ……


マイクも比較してみた


ついでに、持っている3本のマイクも改めて音質比較してみることにした



で、結果、分かったことは……、
マイクはAudio TechnicaのATS520とAT 3060、AKGのC2000Bというのを比較したところ、Audio Technicaの2本はまったくといっていいほど違いが分からなかった。AKGはAudio Technicaに比べると出力が低く、音もちょっと艶がない感じ。でも、もしかするとこのほうが「原音に忠実な音質」なのかもしれない。
いずれにせよ、後からエフェクト処理でどうにでもなってしまうレベルの差だし、音質はどれも悪くないから、これ以上悩むのはやめよう(これ以上の価格帯のマイクを新たに買うことは考えない)

n12はD/Aに関してはFocusriteとほとんど変わらない音質。つまり悪くない。マイクプリはもしかするとFocusriteのほうが若干いいのかもしれないが、差がはっきり分かるほどのことでもないし、これまたエフェクト処理でどうにでもなるレベル。

大昔に買ってずっと忘れていたローランドのEdirolというオーディオインターフェイスもあるのだが、これはまだUSB2.0が出る前のもので、音質は悪くないが、EWIを吹いたときのレイテンシー(音の遅れ)や、演奏が引っかかるような感触が気になった。
これはMacBOOK+KORGでも気になったのだが、FocusriteをFirewire⇒Thunderbolt変換でつないだときはレイテンシーは改善され、音の再生もぐっと軽くなった感じがする。これもまあ、気のせいかもしれないのだが……。
しかしこのFirewire⇒Thuderbolt変換ケーブルというのが、アップル純正しかなくて3000円以上するんだよな~。2本も買ったらオーディオインターフェイス本体が買えてしまうじゃないか。

……そんなこんなで、大山鳴動して鼠一匹のような結果になったが、まあ、「あとはもう音質のことで悩むよりしっかり演奏せえや」ってことで、踏ん切りがついてよかったかな。

この実験をしつつ、何曲か新たに録音したのだが、それはまた次のページででも……。

2017/01/22


かわず庵の冬は厳しい。方舟に張った氷



これだけガッチリ凍ると、この下のメダカは生き延びているかなあ……



夕方、窓のカーテンを閉めようとしたら、外の景色がきれいだったので、ついまた撮った。一つだけ見えている星は金星かな








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