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のぼみ~日記2016

2016/09/21

東北学が休刊に



結局、8号で終わった


季刊(年2回発行)の「東北学」が8号で休刊になった。だいぶ前に「あと2号で連載を終了させてください」と編集部から言われて、その時点で大急ぎで2号分の長さで最後をまとめていたのだが、その後、さらに「次号で休刊ということになりましたので、申し訳ないのですが1回分でまとめ直してください」と言われ、さらに短くした。
今、オンデマンドブックスと電子書籍版で読めるようになっている『阿武隈梁山泊外伝』は、短くまとめ直す前の原稿を元に、さらに調整したもの。あまりに何度も直しているので、どれがいちばん新しいバージョンなのか、自分でも分からなくなってしまった。オンデマンドブック版(紙の本)と電子版でも後半は少し違うかもしれない。掲載写真も違う。

これは最初からメジャー出版を諦めている種類の本なのだが、メジャー出版しなければ意味がないし、オンデマンドでは出すつもりもない本というものもある。それは出版社を探している最中だが、なかなか見つからない。
断られた出版社の社長から、こんな本が送られてきた↓

僕の現状を知って、本は出せませんがこれをどうぞ……というわけだ。
ありがたいことではある。気持ちは複雑だけれど。

通り一遍のマニュアル本は、よほど正確なデータ集になっているとかではないと、読んでも身にならない感じがする。それより、個人がしっかり主義主張や考え方、体験を書いた本のほうが読み応えがあるし、心に響く。
このところ読んだ中では、中村仁一の『「治る」ことをあきらめる「死に方上手」のすすめ』(講談社+α新書)と、久坂部羊の『日本人の死に時 そんなに長生きしたいですか』(幻冬舎新書)がとても参考になった。
どちらもタイトルはきついが、内容はしごくまっとうであり、体裁を繕わず、しっかり言うことを言う、という姿勢で書かれているので、読みやすい。
いわゆるハウツー本の体裁を取ろうとすると、どうしても「まとめよう」という意識が透けて見える表面的な記述が多くなり、わざわざ本にして残す意味があるのだろうか? と思ってしまうのだ。
そんなものはネットでパパッと読めるだろう……と。
ネット時代の今、本にするというのは、以前よりもずっと「本として残す価値」を考えたものでなければならないはず。しかし、「売れる本」はその逆で、タイトルだけでふらふらっと買ってしまうようなものばかり。
本が売れない時代、というが、もっと深刻なのは、本にすべき本が世に出ない時代、になってしまったことだと思う。

「死に方上手」のすすめ から、僕が鉛筆で傍線を引いた部分(これは本当にそうだなあ……と共感した部分)を少し抜き出してみる。(ですます体の文章を、内容を変えずにまとめている)




ついでに久坂部羊氏の『日本人の死に時』からもいくつか抜き出してみる。久坂部氏のほうがややシニカルな記述が多いかもしれないが、今の僕にはどれも頷けることばかりだ。



……中村氏も久坂部氏も、老人医療の現場を見てきた医師だ。
敬老の日には決まって「元気な老人」「生き生き老後生活」的な映像を流すテレビメディアなどには、二人とも強い反発を表明している。

さて、医療現場にいる現役医師とは違い、文章書きとしての自分は、このテーマにどう向き合い、文章にしていくべきなのか……。

ここひと月あまりは本当にきつかったが、貴重な体験をさせてもらったと考えるだけの余裕が(少しだけれど)出てきた。


美ど里先輩が「面白かった」と言っていたこの本も買ってみた


     
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『阿武隈梁山泊外伝:全村避難の村に起きたこと』(Kindle版)発売!















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「福島問題」の本質とは何か?


『3.11後を生きるきみたちへ 福島からのメッセージ』(岩波ジュニア新書 240ページ)
『裸のフクシマ』以後、さらに混迷を深めていった福島から、若い世代へ向けての渾身の伝言。
複数の中学校・高校が入試問題(国語長文読解)に採用。大人にこそ読んでほしい!

第1章 あの日何が起きたのか
第2章 日本は放射能汚染国家になった
第3章 壊されたコミュニティ
第4章 原子力の正体
第5章 放射能より怖いもの
第6章 エネルギー問題の嘘と真実
第7章 3・11後の日本を生きる

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裸のフクシマ  『裸のフクシマ 原発30km圏内で暮らす』(講談社 単行本352ページ)
ニュースでは語られないフクシマの真実を、原発25kmの自宅からの目で収集・発信。驚愕の事実、メディアが語ろうとしない現実的提言が満載。

第1章 「いちエフ」では実際に何が起きていたのか?
第2章 国も住民も認めたくない放射能汚染の現実
第3章 「フクシマ丸裸作戦」が始まった
第4章 「奇跡の村」川内村の人間模様
第5章 裸のフクシマ
かなり長いあとがき 『マリアの父親』と鐸木三郎兵衛

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