コッソリープと復活の沢入り口の点検はほぼ毎日やっているが、ここのところ、行くたびに足下でミニアカガエルがぴょんぴょん跳んでいる。踏まないように細心の注意を払いながら歩く。

Ｕ字溝を流れる水は多くて速い。間違って落ちると一気に流されていく。
これは草に摑まって、なんとか流されまいとしているツチガエル。例の「お助けシュロの糸」の天然バージョン。
ところが、農家の人たちはみんなものすごくまめで、なにもそんなところまで……と思うような場所もきれいに草刈りしたり除草剤を撒いたりするので、カエルは隠れ場所も、こういう緊急避難の手段も失ってしまう。
農道を挟んだ川縁の草むらなど、あってもなくても田んぼには影響を与えないと思うが、川に落ちる危険を冒してまで斜面を草刈りするので、カヤネズミなどの小動物の棲息場所も失われてしまう。
圃場整備でＵ字溝を設置する前の水管理は大変だったのだろう。その記憶が、人工的な環境に入り込む自然を少しでも許容しない、徹底的にコンクリート水路で管理するのだ、道には草が生えていてはいけないのだ……という強迫観念のようなものを植えつけているのだろうか。

で、今田んぼをやっている世代はすでに70代以上が多いが、その次の世代は、農業そのものをやり続けたくないという人も多い。高い金を取られて農業機械を買わされ、それを維持し、種や肥料、農薬も高騰する。種なんて、モンサントのたくらみが全世界に及んでいるから、収穫物から次世代の種を採ることさえできなくなり、毎年買わされる。
そのうち、日本の農地はほとんどが企業経営になって、ますます里山の風景は消えてしまうのだろう。まあ、それまでこの国がもつのかどうか……今のような狂気と無知で固められた政権が続いている以上、破綻はすぐそこまで来ていると思うが。