湧水庵という蕎麦屋は水無にもあって、そっちのほうが有名だし、引っ切りなしに客が入ってくる人気店。なので、ここは
三依湧水庵、と、三依をつけて言ったほうが間違いがない。
湧水庵の敷地脇には川が流れている。この流れは五十里湖に続き、その先は鬼怒川。つまり鬼怒川の源流の一つ。
このへんにはモリアオガエルが絶対にいるはずなので、社長に訊いてみた。
すると社長、急にキッと表情が硬くなり、こう言った。
「前はいたんだよ。ところが上流で国交省が堰堤建設を始めてからはまったくいなくなった。それまでは、ちょうど今頃はこの川でカジカガエルがうるさいほど鳴いていたのに、それもいなくなった。堰堤を次から次へと作るもんだから、コンクリートの毒が流れてくるわけだな。治水だのなんだのと言っているが、この川が氾濫したことなんてないし、堰堤を作ったおかげでかえって水の逃げ場がなくなって、脇に水が直接ぶつかって川縁が壊れたりして、いいことはひとつもない。国交省は国家破壊省だ」
そこから、三依小学校校舎を解体したことへの疑問やら県政や市政への不満やら怒りやら、どんどん話はエスカレート。
三依小学校は廃校になり、校舎は解体。中学校と合併して新しい校舎を建てるという計画が、
入札が4回連続で流れるなど、いろいろ問題が噴出したことは、後から知った。
三依小学校の旧校舎は
100メートルもある長い廊下を持っていたり、なかなかのものだったらしいのだが、すでになくなっている。
その話を聞いて、川内村の第一小学校のことを思い出した。がっしりした木造二階建ての校舎だったが、壊されて、跡地は誰が利用するのか分からない、へんてこな公園風の何か?になっている。
これに関して、怒りを抑えつつ意見を表明している人の
WEBページも読んでみた。
ついでに
こんなのも。
日本中どこにでも、こういう対立構図というか、問題を提起する移住者と、頑なに地元の序列や「秩序」を守ろうとする守旧派のぶつかり合いみたいなのはあるのだなあ。
それにしてもここに出てくる小林麻耶というのはイライラさせられるねえ。いつものことながら、地上波番組は演出がおかしい。
……と、話がどんどん逸れてしまったが、もう帰ろう、もう帰ろうとするところを、社長の話が続き、珍しく助手さんもそれを面白がってつき合っているので、思いの外、長居をしてしまったのだった。