のぼみ~日記 2015

2015/02/09

月は東にオリオンは西に


10%OFFセール期間なので、鹿沼のビバホームに買い出しへ。
昼飯は魚べいで寿司。駐車場から北を見ると、よく晴れているので男体山がくっきり見える。


XZ-10のズームは結構使える。しかも望遠端でもF2.7というのがすごい


フルーツ野菜村に野菜を買いに。隣の久美野では店主がせっせと蕎麦を打っていた。いいなあ、こういうお店


帰りに、前からちょっとだけ気になっていたここに寄ってみた


狛犬はやはりいなかった


高台なので眺めはよい


男体山~


龍の彫り物。もしかして黒崎嘉門氏かもん?


ところどころにこんな感じの光景が


フルーツ村で買ってきた饅頭


みとやに負けずおいしかった


夜。オリオン座がだいぶ北西に移っている


月は東に……

今日のオマケ

『国と東電の罪を問う 私にとっての福島原発訴訟』

                    
『国と東電の罪を問う 私にとっての福島原発訴訟』(かもがわブックレット199)という冊子。
イベントの発言記録ということで、正直あまり期待していなかったのだが、想像していたよりも充実した内容だった。
蓮池透さんは2012年元日の『朝まで生テレビ』で一緒だったが、そのときは僕も彼もほとんど発言できなかった。今回はたっぷり話していて、その内容も元東電社員ならではのもの。
元NHKの堀潤さんもめいっぱい発言している。井上淳一さんの、石川町で学徒動員された子供たちがウラン採掘作業をしていた話も、概要は知っていたのだが、「鉄を供出していたためにツルハシも持たされず、多くの人は素手で掘っていた。靴もなくてわらじだった。しかも何を掘らされているのかは軍事機密として知らされていなかった」という内容までは知らなかった。
NHK連続テレビ小説だと2500万人くらいが見ていることになるが、そこでは戦争シーンでの描写に限界がある。各家に天皇のご真影が飾られていて、みんなが「天皇陛下万歳」と叫ぶシーンはやれない。関東大震災で「朝鮮人が井戸に毒を入れた」というデマが流れて虐殺されたことも描けない。そういうのをやろうと思うと、インディーズ映画でやるくらいしか方法がないからせいぜい1万人に見てもらうのがやっとだ……というような話も、まったくその通りだな、と。
2500万人に届く反戦メッセージか、1万人にしか届かない「闘い」か。もちろん、単純な2項対立ではないと思いますが、そこのところのせめぎ合いを、無自覚な表現の自由の放棄にならないように気をつけながら、いま何ができるかということを、ぼくは真剣に考えていますし、「戦争前夜」に生きる作り手すべてに考えてほしいと思っています。(井上淳一氏)
 

このブックレットはA5判で600円+税。この体裁くらいだと、自費出版でもなんとか作れるので、僕自身、これからやっていける方法のひとつとして考えている。
それこそ「戦争前夜」に生きる作り手の一人として。


この大きさ、ページ数で1000円以下の価格で売れるなら、なんとかオフセットで500部、1000部でいけるかも

オマケその2

「フクシマ」を刺激的なネタとして消費しないでくれ


「フクシマ」といえば、今日もまた、某テレビ局から「働かない方がトク!というゆがんだ構図」という賠償金問題について取材させてほしいという依頼があった。
この手の依頼はすべて断り続けている。いちいち断るのが面倒なので、どうも原因となっているらしい2012年のブログ記事の最後に次のような断りを追加した。
■2015年2月3日追記■
このブログ記事を読んだ出版社やテレビメディアなどから、「補償格差」や「賠償金成金」が生まれる歪みなどについて書いてくれ、話してくれという依頼が複数来ますが、すべてお断りしています。
この問題はとても複雑かつデリケートで、どんなに言葉を尽くしても実情や問題点を伝えるのが難しいと考えています。
特にテレビは、最初から視聴者の好奇心を刺激し、「とんでもない話だ!」という反応を引き起こそうという意図の元に編集されるのが目に見えていますので、基本的に取材や出演依頼には応じません。

福島の人たちの口もどんどん重くなってきました。これを書いた時とは現場の「空気」もずいぶん変わってきました。
怒ってもどうにもならないという諦めや、下手に口にすることで問題を悪化させてしまう、ますます人間関係が分断されてしまうことへの恐れから、どうしても「沈黙は金」になっていきます。
私がこの記事を書いたのは2012年2月で、「村に戻れば補償打ち切り」「仕事を再開すればその分、補償を減らす」というとんでもないルールに怒り心頭でした。そのときの気持ちを消すことはできないし、思い起こすことが大切だと思いますので、敢えて書いた内容には手を入れないでおきます。

その後、「村に戻れば一人10万円/月は打ち切る」という馬鹿げた規定は見直され、村に戻る戻らないにかかわらず避難命令が出ていた期間の「精神的損害補償」は支払われることになりました。
また、川内村はいち早く帰村宣言をしたために、川内村の旧緊急時避難準備区域の住民に対して支払われてきた1人当たり月額10万円の精神的損害賠償は2012年8月に打ち切られています。

何度も言ってきたように、いちばんの問題はこういうことを引き起こし、どんどん悪化させていく「システム」にあります。そこに言及しないまま、福島で今起きていることだけを刺激的に報道することは、誰の得にもなりません。知ったかぶりしてネット上で騒ぐ人たちにおいしい餌を撒くだけでしょう。
補償金格差に限らず、「フクシマ」の諸問題は単に興味本位で消費されるだけになってしまうことがいちばんまずいのです。
今後も、マスメディア(特にテレビ)からの似たようなリクエストはすべてお断りするつもりですので、ご了承ください。

オマケその3

去年、僕も手伝った映画『Threshold:Whispers of Fukushima』は完成し、アメリカでは少しずつ上映会なども始まっているようだ。
出演者の一人としてメッセージを寄せてほしいというので、こんな文章を書いて送った。
英訳したのはこの映画を監督・制作したToko Shiikiさん。


国も電力会社も「過酷事故は起こりえない」と言い続けていた原発が4基も次々と爆発し、大量の放射性物質を世界中にばらまくという事件が起きてもうすぐ4年が経ちます。
恐怖が怒りに変わり、さまざまな混乱を経て、今はため息に変わっています。あれだけとんでもない失敗、間違いをしたのだから、今度こそ日本は反省して、正しい方向を模索するはずだと思っていたのに、実際はそうなりませんでした。
まともな安全対策をしなかった経営者、責任者たちの罪は問われず、現場では今も杜撰なことが平気で行われています。賠償を巡る格差、不平等、不公正もひどく、賠償金をめぐって同じ福島の住民たちがいがみ合い、心を分断されています。意味のない、かつ危険な除染作業に大金が注ぎ込まれ、儲けるのは事業を受注する大手ゼネコンだけ、という不正義。
「フクシマ」の問題はとても複雑かつデリケートで、どんなに言葉を尽くしても実情や問題点を正確に伝えるのは困難です。特に、テレビ番組や映画などの映像作品は、見る者の好奇心を刺激したり同情や怒りを呼び起こそうという意図の元に編集されるものが多く、私自身、編集で歪曲されるのがいやなので、今では基本的に取材や出演依頼には応じていません。
「あれ」が起きた当時とは現場の「空気」もずいぶん変わってきました。福島の人たちの口もどんどん重くなっています。怒ってもどうにもならないという諦めや、下手に口にすることで問題を悪化させてしまう、ますます人間関係が分断されてしまうことへの恐れから、どうしても「沈黙は金」になっていきます。
そんな中で、Shiiki監督が完成させたこの映画は、とてもユニークな存在と言えるでしょう。説明を極力省き、淡々と「つぶやき」や「演奏」(!)をつないでいくという手法。 もしかするとこれは「フクシマ」の映画ではないのかもしれません。「フクシマ」が舞台とはなっているけれど、テーマは「原発事故」とか「故郷喪失」とか、そういうことではなく、生きるとはどういうことか、という根源的なものでしょう。
人それぞれに「生きる」意味、生きがい、人生の目標は違います。だから、これが正しい、これは間違いだということは簡単に言えません。「フクシマ」を経験した今は、そのことを痛感しています。奇しくも、私を含めたメインの出演者全員がその点では同じことを言っていますね。
みなさんも、ぜひ先入観や予備知識を一旦捨てて、この映画を見てみてください。そして、自分の生き様や価値観と重ね合わせて、この地球という星に生まれ、生きていくことの意味を改めて見つめてみる……そんな時間を持つきっかけにしてもらえたら、この映画は成功だと思います。
Although the government and electric power companies kept telling the people that those nuclear power plants would never have a severe accident, four of them exploded in Fukushima and spread lots of radioactive substances all over the place. It’s been four years since the event. My fear gradually changed into anger, and then I experienced all sorts of confusion, and now those emotions inside me have become a sigh of disgust.
When the accident occurred, I expected that Japan would humbly reconsider what we have done, and start searching for a better direction; however, it didn’t go like that at all, even if we experienced such a huge scale of failure. The executives who neglected the safety measures have never been held accountable for their actions, and even now they conduct careless management inside the power plant.
The issues of Fukushima are very complicated and delicate, and there is no easy way to explain what the problem actually is. The mass media especially tends to create TV programs which are unnecessarily sensational, and they consciously edit those programs to make viewers emotional. So, now, I refuse the offer to do interviews for those programs.
Also, Fukushima has changed much since the disastrous events occurred. Locals hesitate to speak about it. It’s because of resignation to the unchanging conditions, or fear of exacerbating the situation within the community by speaking to outsiders. It seems better not to talk about anything.
In such conditions, I think Threshold: Whispers of Fukushima became a very unique work. Toko omitted explanations, as much as possible, and connected people’s calm honest talk (like they're speaking to themselves) and live music performances by the interviewees, to allow them to tell their life stories.
Perhaps this is not even really a movie about “Fukushima”. Even if she shot it in Fukushima, the theme of the film is not “the accident” nor “lost home”, rather, it is a fundamental human theme: “what is living own life?”
Each individual has their own purpose in life, joy, and goal. Everyone is different from each other. Therefore, no one can truly say "my way of living is right or yours is wrong." After experiencing the confusion created by the accidents in Fukushima, I deeply feel this. How interesting that everyone in this movie, including me, said this same thing, although by coincidence.
Please watch this film once, just putting aside all preconceptions or background knowledge of Fukushima. And, if you can reconsider your own way of living life and your own sense of value by experiencing our stories, if you can perhaps reconsider the meaning of living on this planet Earth, and how we may to continue to live…… if this movie allows you to feel this… I can say this project succeeded. ----- Yoshimitsu Takuki

予告編やスタッフインタビューは昨年のうちからYouTubeやVimeoで見られるようになっている。
最近うちでも買ったのだが、Apple TV という小さな黒い箱を家のテレビにHDMIケーブルでつなぐだけで、インターネットにつながり、YouTube、Vimeoだけでなく、HuluやAppleのiTunesストアが販売する映画や音楽などが簡単に見られる。

Apple TVのメニュー画面↑ パソコンがなくても、これだけでYouTubeやVimeoが見られる


Vimeoの『Threshold~』スタッフインタビュー動画を見ているところ。大画面でハイビジョン品質
家の中にWi-Fiが飛んでいればLANケーブルで接続する必要もない。小さいので邪魔にならないし、パソコンに入っている動画や音楽を大型テレビで再生したり、iPhoneやiPadのアプリをテレビの大きな画面で楽しむこともできる。
そういうものがあるとは知っていたのだが、実際につないでみると、その簡単さ、便利さに感動する。「テレビ」の概念が変わってしまう、と言ってもいいくらいだ。初めてiPadに触れたとき以上に衝撃的だった。
送料・税込で1万円。これはもう買うしかないと思う。
世の中、テレビやコンピュータの概念がどんどん変わってきているなあ。もう地上波テレビなんていらないかもしれない。特に日本では地上波テレビが戦前統制下みたいになっていて、ストレスがつのるばかりだしね。


↑監督挨拶&予告編その2(左下の▲再生アイコンをクリックすると再生されます)


●スタッフインタビューは⇒こちら
●プロジェクトの紹介サイトは⇒こちら





のぼみ~日記は、動画も含めて、主にオリンパスのXZ-10とStylus1で撮っています
XZ-10は明るいレンズの使いやすいカメラですがすでに生産終了。もうすぐ新品での購入が難しくなります


『Digital Wabi-Sabi  ─As Easy As EWI』 『Digital Wabi-Sabi ─As Easy As EWI』

Tanupackから久々の新譜! これはあなたが聴いたことのない種類の音楽かもしれない!
「メロディの価値」にとことんこだわり、手段としてはデジタルを使う。これが「デジタル・ワビサビ」だ
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更新が分かるように、最新更新情報をこちらの更新記録ページに極力置くようにしました●⇒最新更新情報



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オリンパスXZ-10
のぼみ~日記の写真は主にオリンパスXZ-10で、他にオリンパスStylus1、ソニー NEX-5R+SONY 50mm/F1.8 OSSなどでも撮っています


アマゾンKindleでたくきの過去の作品がほぼすべて読めます⇒Go!

音楽アルバム『ABUKUMA』

iTunesストアで試聴する 『ABUKUMA』(全11曲)
7年間過ごした阿武隈に捧げる自選曲集。全曲リマスター。一部リミックス。新録音『カムナの調合』弾き語りバージョンも収録。
アマゾンMP3、iTunesストア、キメラなどから販売中。

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⇒ライナーノートはこちら



「福島問題」の本質とは何か?


『3.11後を生きるきみたちへ 福島からのメッセージ』(岩波ジュニア新書 240ページ)
『裸のフクシマ』以後、さらに混迷を深めていった福島から、若い世代へ向けての渾身の伝言

第1章 あの日何が起きたのか
第2章 日本は放射能汚染国家になった
第3章 壊されたコミュニティ
第4章 原子力の正体
第5章 放射能より怖いもの
第6章 エネルギー問題の嘘と真実
第7章 3・11後の日本を生きる

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裸のフクシマ  『裸のフクシマ 原発30km圏内で暮らす』(講談社 単行本352ページ)
ニュースでは語られないフクシマの真実を、原発25kmの自宅からの目で収集・発信。驚愕の事実、メディアが語ろうとしない現実的提言が満載。

第1章 「いちエフ」では実際に何が起きていたのか?
第2章 国も住民も認めたくない放射能汚染の現実
第3章 「フクシマ丸裸作戦」が始まった
第4章 「奇跡の村」川内村の人間模様
第5章 裸のフクシマ
かなり長いあとがき 『マリアの父親』と鐸木三郎兵衛

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↑タヌパックの音楽CDはこの場で無料試聴できます
Flash未対応ブラウザで、↑ここが見えていない場合はこちらへ


ガバサク流が推すデジカメ オリンパスXZ-10 Stylus1 パナソニックLX7、ソニー NEX-5R

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