2013/05/24の2

復活の沢の草刈り


今日のオオカミ池。左からチャーリー、スージー、アーニー、3匹みんな元気。



夕方、まだ明るいので、草が腰の高さまで生えてしまい、途中で水が止まってしまっている復活の沢の草刈りに行った。
沢の水底から草が生えて流れが止まる⇒その横の土手に穴が空いて水が漏れる⇒ますます水が流れず下水出口手前で止まってしまう……という状態。
このままだとまた農家の人から「ほれ見たことか。根性のない奴らだ」と言われてしまう。遅きに失した感があるが、とりあえず草刈りと泥底さらい。
水漏れを起こしている場所は、はっきりとした穴が分からないので対処に困る。一か所に明確な穴が空いているというよりは、ある区間全体的に水が沁みだしていて、それが地下で何カ所かのトンネルになっている感じ。
沢の底、ずぶずぶと長靴がもぐっていく場所があるので、そのへんから水が漏れだしている。
まあ、できる範囲で、底を踏み固めたり、土手の外側を踏み固めたり。そうしている先からもどんどん水が漏れる。
ベントナイトの大量敷き込みとかするしかないかなあ。

土手の水漏れか所を踏みつけていたら、泥の中からサワガニが出てきた。
こういうのが生き延びられるように、沢はなんとかキープしたいところ。

草が腰の高さまで伸びて、どこに沢があったのか分からなくなっている


サワガニを見つけた


昔はいっぱいいたらしいが、ここでも、もうすぐ絶滅かなあ


テッセンですかね


こういうのは草刈り機に巻き込まないようにしながら草刈り続行


こういう作業をしていると、農家の人たちの気持ちが少しは分かるようになる。
U字溝で楽をしたいのは、まああたりまえ。草刈りは大変な労働だし、大雨などで土の用水路はすぐに壊れる。
先日遊びに来た吉田さんも、農家の後継者不足で田んぼがどんどん放棄されている現状の深刻さについて話していた。年寄りばかり、しかも農機具も大がかりなものを新調できないから、圃場整備は必須だという。
U字溝の水路で田んぼの水管理をすること自体には反対はしないし、仕方がないことだと思うのだが、U字溝を作ることで従来の沢が消えてしまうと、水棲生物は生きていけなくなる。
U字溝の脇に元の沢筋を残すとか、U字溝も、ところどころにスロープ付きの小動物逃がしユニットを入れるとか、そういう工夫はしたいものだ。

金を援助する国の担当者は、土や森を知らないものが多い。森を見たことがないという人物が農水大臣になった例もある。
原子力発電の仕組みや宿命を知らない人間が経産大臣になるのと同じで、どうしようもない。

規模はだいぶ違うが、⇒ここに岩沼市の防潮堤建設の愚についてのリポートがある。巨大防潮堤建設で、海岸の生態系は完全に壊され、海の恵みとも隔絶される。そんなことをしていていいわけがない。
地元の人さえ望んでいない巨大公共事業をごり押しする国。
//東日本大震災からの復旧・復興事業に関しては国の予算で100%賄うことになった。自治体の負担はゼロになった代わりに、自治体や住民の声もほとんど反映されなくなった// ……とあるが、こういうことを積み重ねていくことで、この国はどんどん壊れていく。

事業を進めるトップの人間に哲学、合理性、美意識……があるかないかで、結果が大きく違ってくる。
その責任の大きさを全然自覚していない人間が金を動かし、命令を下しているからひどいことになってしまうのだよなあ。

引き上げようかなと思った頃、渡辺さんが加勢に来てくれた。
日が延びたので、そろそろ7時近いけれど、まだ明るい。
そこに、下水の出口からじょぼじょぼと泡の混じった汚水が流れ出してきた。浄化槽を通していない洗濯排水がここまで一気に流れてきているのだ。
流している人は、その先がどうなっているのかなど気にしていない。

仕方がないから、せめて、この下水出口から上流側(川からの引き水だけ流れてくる短い区間)は水棲生物用に、下水出口から先の長い区間は土に接することで土壌浄化させる土壌浄化水路区間、というように考えるしかないだろう。
サワガニやツチガエルは、下水出口の手前、きれいな流れのところに多くいる。そこだけでも常に水が流れている状態に保っていきたい。



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