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 たくき よしみつの 『ちゃんと見てるよ』 1996

 (週刊テレビライフ連載 過去のコラムデータベース)

 1996年執筆分 前半

1996年1月から6月まで


中山の激走に涙これもテレビの罪?






 正月番組は陸上三昧だった。
「全日本実業団駅伝」は、現役時代ついに優勝できなかった悲劇の天才ランナー・伊藤國光監督率いる鐘紡が優勝。早田君もこれで気分よく琵琶湖のラストチャンスに挑めるか? もう失速はイヤよ。
「箱根駅伝」では、脚を痛めて走れなくなった中村祐二(山梨学院大)の姿を執拗に追うテレビカメラが怖かった。まるでこうしたドラマを待っていたかのよう。実際視聴率もあの瞬間跳ね上がったとか。
 元旦の『新春・豪華夢対決!』(TBS系)でのデンシモと小学生二一一人リレーによるフルマラソン対決、二日の『筋肉バトル!スポーツマン№1決定戦』(TBS系)でのブブカの跳び箱、三日の『オリンピック選手に夢の大挑戦スペシャル』(フジテレビ系)での中山と芸能人のクオーターマラソン一五分ハンディ戦は、すべて録画してしっかり見た。
感慨深かったのは中山の激走。芸能人相手のお遊び企画なのに、いきなり一キロ二分台で飛び出していく姿に、あの「瀬古よ、這ってでも出てこい」のソウル五輪代表選考となった福岡国際での怒りの激走が重なる。「金貰えればなんでもやるよ」の有名外国選手たちとは違う姿だった。新聞で、阪神大震災のときに所属企業から受けた仕打ちのことも読んでいたので、なおさら悲しいやら切ないやら……ああ、テレビって罪作りね。
中山よ、アトランタはやっぱり無理か? ロペスは三七歳で金メダルだったぞ。おじさんたちに夢をもう一度!

■近況■

春に次の長編書き下ろし『カムナの調合』(仮題)が出ることが決定。オウム事件のおかげで執筆が止まっていた生物兵器を巡るパニックミステリー。正月返上で書き直し作業。今度のは九〇〇枚近い大作。CDも作りたいし、当分は忙しい。よかったよかった。



エンデバーなんて知らなくてもいいさ




 成人の日の翌日のテレビで、成人式に出席した新成人たちに「今の日本の総理大臣の名前は?」と訊くシーンを何度見たことだろう。これがまた判で押したようにどの局も同じ。答えられない新成人を笑おうという根性なのだが、そんな陳腐な手法でしか「新成人」像を伝えられない制作側の知性のほうが情けない。
「このあいだ事故を起こした高速増殖炉の名前は? ほら、お好み焼きみたいな……そうそう、『もんじゃ』じゃなくて、もう一息!」なんてやっていたワイドショーの女性リポーターにこっちから質問してみたい。ところで訊いているあなた、高速増殖炉ってどういうものだかきちんと説明できますか? どこがどう問題なのか、分かっていますか? 「もんじゅ」という名前だけ知っていても、なんにもならないのよ。
 挙げ句の果てには「若田さんが乗ったスペースシャトルの名前は?」だって。そんなもの知らなくていいんだよ。
 そもそも今さらアメリカの宇宙「開発」計画という名のショーに便乗させてもらって喜んでいるという根性が恥ずかしい。その恥ずかしさを自覚できないような大人が増えると、この国の将来も危うい。
 ちなみにエンデバーというのは「努力」という意味だけれど、スペースシャトルの名前って、「挑戦者」とか「発見」とか、どれもダサイ。通信衛星などはこれからますます重要な意味を持ってくるだろうけれど、「宇宙旅行=人類の夢」という類型化された幻想はもう捨てようよ。

■近況■

正月明けに次作の長編書き下ろし『カムナの調合』(仮題)を入稿。読売新聞社から3月末くらいに出る予定。
初校が戻ってくるまでの間、去年買った自動演奏ソフトをいじる。『天外魔境ZERO』クリア。PCエンジンでやりたかったなあ。



地味アナファン倶楽部結成のお知らせ





 婦人警官とか看護婦さんとか女性教師といった職業の女性に、異常にムラムラする男は少なくない。制服フェチなどという見方もできるけど、多くの場合、そんなに単純じゃない。要するに、その職業から想像される「性格の地味さ」「真面目さ」「知性」といったものに妙に惹かれてしまうのである。だから、イメクラでチャパツのお姉ちゃんがいくら婦人警官の制服着て甘えた声出しても、感じないのである。
 かつては女性アナウンサーというのも、そういう「地味で真面目で知性のある」職業の代表であった。ところが、最近はなんですか。キャバクラのお姉さんより清純さが感じられない女性アナの多いこと多いこと。テレビ局も何を勘違いしているのか、アナウンス部をタレント養成所化している。いけません。
 バラエティで過剰演技をしてタレントへの転身を狙うとか、スポーツ選手と結婚して自分の職場に結婚式の中継権を高く売りつけるなどという忘恩の限り。果ては、新政党から立候補しようなんていう「なにさまのつもりだ」高慢ちきおけさ女も出る始末。
 もういいよ、こういうのは。時代は地味アナ。何年やっても作り笑顔がぎこちなく、労組がストをやると言えば素直に従うような正統派の女性アナウンサー、例えばNHKの森田美由紀さま、黒田あゆみさまといった貴重な人材を、おじさんは断固支持するぞ。他にいないか地味アナ。全国の地味アナファン同志たちよ、隠れた地味アナ情報を求む!

■近況■

新刊『カムナの調合』(読売新聞社)はいよいよ3月中旬に発売! 原稿のファイルが590キロバイト以上の大作……といっても分からないでしょ? でも、これからは原稿の量を原稿用紙の枚数じゃなく、ファイルのバイト数で示す時代になるかもしれない。



動物CMのピンからキリまで





 最近、タヌキがらみの取材とか出演依頼が続くので、「作家たくき よしみつよりもタヌさまのほうが人気がある」とぼやいていたら、友人に「タヌキに勝てるはずないじゃん。だってタヌキなんだもの」と諭された。そっか。
 テレビの世界でも動物に勝てるキャラクターはいないという信仰があって、未だに動物を使ったCMなどは次から次へと出てくる。
 しかし、動物ものCMって、センスのないもののほうが圧倒的に多い。猿回しのジローや日光猿軍団は、見ていて悲しさのほうが先に立つので、どうしても馴染めない。そんな中で、矢沢永吉が猿と一緒に焚き火に薪をくべている絵は、なかなかよくできている。昨日たまたまNHK・FMの番組でご一緒した天野祐吉さんも「人間よりあの猿のほうが品がある」と誉めていた。
 肩もみ犬、笑うアシカ、だるまさんが転んだネコなどはそのまんまの絵作りで、まあ、それでいいんならやれば~という感じ。合成映像にして動きが不自然なやつは好きじゃない。自然な仕草や表情にこそ動物の魅力というのは出るわけで、映像技術で動きや表情を人為的に作ってしまってはなんにもならない。そんなことするくらいなら、ぬいぐるみを使えばいいのだ。
 最近見た中で最悪なのは、ヤギの脚に見えない紐をくくりつけて引っぱり、転ばせるというCM。ヤギをあんなふうにいじめて何が面白いんだろう。生き物を「物」としてしか見ていないんだな、という後味の悪さだけが残る。


■近況■

『日曜喫茶室』というNHK・FMの番組に呼ばれ、タヌキの話をした。自分のCDもかけてもらったし、新刊『カムナの調合』(読売新聞社)の宣伝もしてきたし、タヌさまのおかげでお仕事が続いている私。新刊の表紙は真っ赤っかだ。おひょ。



メディアの傲慢を番組化する?



 オウム報道が一段落したと思ったら、ワイドショーの芸能人ゴシップがオウム以前よりエスカレートしている感じがする。上祐氏に言いくるめられていたリポーターが、芸能人の母親宅に電話をしたり、インターホン越しに「では、もう一度確認させていただきますが、○○さんは▽△さんと離婚の意思はないということですね? 最後に○○さんに会われたのはいつですか?」なんてやっている。あんたは刑事か?
 人気稼業の人間にとっては、ゴシップだろうが酷評だろうが、メディアに取り上げられて名前が出るだけラッキーだということを言う人がいる。現代では、マスメディア(特にテレビ)の力なしでは、メジャーな創作活動などはできないという背景があるからだ。
 それを逆手に取ったような番組も出てきた。無名の演歌歌手二人が、自分の名前と持ち歌をテレビに露出させるチャンスをプロ野球選手に賭けるという趣向。二人の選手がその無名演歌歌手のプロモーション権を託された形でホームラン競争をする。負けたほうは顔にモザイクがかかったままで、名前さえ出せない。
 同じバージョンで、村おこしの地方都市のPRなんてのもある。テレビが持つ力をこれだけ堂々とした形で見せつける手法には驚かされるが、確かに見ているほうは「面白い」かもしれない。
 面白ければ個人の尊厳やプライバシーや感情なんて傷ついたっていい……そういう構造の中で、僕らは毎日テレビ番組を楽しんでいるのだなあ。

■近況■

僕がやっているギターデュオ・KAMUNA(カムナ)が初めてのライブを行う。日時・4月6日(土)19時開演。場所・小田急線新百合丘駅北口シノワーズ61(アーシスビル1F)。料金2000円(1ドリンク付)。どうぞよろしく。
 ☆註:もちろん終わりました。ほぼ成功でした。




『バラ珍』に見るサドマゾ現象




『嗚呼!バラ色の珍生』(日本テレビ。関西ではやっていないみたいだ)という番組がある。スタート当初は『クイズ悪魔のささやき』のパクリみたいな貧困な発想で、短命を予感させたが、次第に桂小金次風の「涙のご対面」番組化して、うまい変貌を遂げた。
 この番組の面白さは、制作スタッフと登場する一般人のサドマゾ関係にあると言える。
 例えば、入院していた病院の看護婦に恋をしてしまった真面目な中年男性が、退院後、花束を持ってその看護婦さんにプロポーズをするところをカメラが追う。花束を差し出し、「結婚を前提におつきあいしてください」と告白するその男性に、彼女は戸惑った声で「私、結婚していますから……」と答える。
 カメラが病院に入るためには当然事前に病院側に許可を得ているはずで、その看護婦が既婚者であるということも番組スタッフは知っているはず。つまり、この男性の悲喜劇は計算済みなのだ。
 もう一例。離婚して以来、別れた夫の元に残した息子に会えず、死ぬ前に一目会いたいと言う母親のケースでは、捜し出したその息子が「会いたくない」と拒否した。その母子を、ホテルの隣同士の部屋に呼び、息子に「実はお母さんは今、隣の部屋にいるんだ。そのドアを開ければ……。もちろん、ここで会わずに帰ってもいいよ」と告げる。
 どっちも番組制作側の冷徹な攻めと、それに翻弄される一般人という構図が面白さになっている。見て楽しむ我々がいちばんタチが悪いわね。

■近況■

ようやく『カムナの調合』(読売新聞社)が出た。帯の背には「戦慄のウイルス」なんて書いてある。ウイルスの話であることに間違いはないのだが、実は「天狗」の話でもあったりする。そこが「新時代の伝奇小説」を名乗るゆえんであるのだよ。




TBSビデオ問題考




 TBSの『3時に会いましょう』が、坂本堤弁護士へのインタビューテープを放送前にオウム幹部に見せたという問題について。
 問題は「見せた」ことではない。見過ごせない罪は、
一・「告訴するぞ」と凄まれて放送を見送ったこと。
二・そういうことがあった後に坂本弁護士一家が消えたのなら、これはオウムの仕業ではないかとピンとくるはずなのに、知らん顔をしたこと。
三・その後、オウムが追いつめられると、一転して他局と一緒になってわいわいとオウムを追いかけ回し、「正義のカメラ」を装ったこと……だ。
 これらの行為に一貫して流れるのは「お家大事の経済行為」の原理だ。坂本さんが命をかけて取材に答えたのに対し、ワイドショー制作者はそれを売り渡し(ロンドンでの麻原単独インタビューが見返りだったというのは当然推察できる)、「商売になる」時期までは傍観者に徹した。
 鬼の首を取ったように追及する他局にも言いたい。あなたがたはオウム報道の最中に、オウム側に「取材謝礼」を払わなかったか? 今後、政治勢力としても無視できない大宗教団体や、大型スポンサー、放送免許を与える権限を持った国を相手に、第二の「TBSビデオ問題」を起こさない……つまりは、損得抜き、命がけで不正をただし、事実を追及する覚悟はあるのかと。
 経済行為に終始し、そのためには他人の命やプライバシーをも売り買いするのなら、さっさと「報道機関」などという看板は捨てたほうが潔い。


■近況■

テレビ東京でやっていた奇術のトリックをばらす特番(三/三一放送)を録画しそこねてしまった。小説の資料としてじっくり見るつもりだったのに無念。こんなことならリアルタイムで見るんだった。誰か録画した人、いないかなあ……。






超能力以前に不公平じゃん




 四月十二日放送の『金曜テレビの星!』(TBS)を見て、呆れ果ててしまった。
 透視能力を持つという日本人少女と「超能力バスター」の異名を持つアメリカ人マジシャンの対決という趣向だったが、この対決は二回目だというのにあまりにも局の制作姿勢がルーズなのだ。
 マジシャンのランディ氏が紙に何か文字か記号を書き、それを八つ折りにして接着テープで留める。その折り畳まれた紙片を超能力少女が黒い布の袋の中で指先で読みとるという対決。少女は何も読みとれずギブアップした。問題はそこからだ。読めなかった紙片をランディ氏が「チェックさせろ」と言って取り上げるのだが、ここで彼に紙片を渡してしまったら、すり替えられる可能性がある。つまり、実は何も書いていない紙片を渡し、彼女がギブアップした後に、別の(何かが書いてある)紙片とすり替えれば絶対に勝てるのだ。しかも、受け取るときの動作が非常に不自然だった。これだけでも不公平(マジシャン側絶対有利)なのに、なんと、番組では最後までその紙片に何が書かれていたのかを明かさなかったのだ。最低限、白紙ではなかったことを明示しなければならないのは当然。「彼女は紙を開こうとしていた」というランディ氏の説明もまったく要領を得ていない。
 こういう甘い番組作りをしていて「対決」とは、視聴者を馬鹿にするにもほどがある。公平な条件も提示できず、疑惑だらけの番組作りをする甘さ……変わらないのね。


■近況■

初ライブはまあまあの成功。我がKAMUNAのCD『グレイの鍵盤』が、NHKのBSの天気予報で使われているそうだ。残念ながらまだ見たことはない。新刊『カムナの調合』は読んだ人からは好評。評判だけでなく、どかんと売れてほしいもんだ。





面白さを計算する下品さ



 仕事に対する慣れというのは怖ろしい。番組製作現場で「こういう絵作りが面白い」「こういう場面ではこういうタレントを使ってこういうリアクションをさせればよい」というような「暗黙のマニュアル」ができあがり、それに従うことになんの疑問もなくなったとき、番組の面白さは死滅し、下品になる。
 例えば『たけしのTVタックル』(テレビ朝日系)の田嶋陽子が切れて一方的に吠える場面はもうとっくに飽きられている。あの怒りは(本人は無自覚かもしれないが)計算されたもので、しかも底が浅いからだ。フェミニズムに関して真剣に討論しようとしている相手にまで一方的に怒鳴りつける姿は一種の予定調和で、ダチョウ倶楽部のボケと同じになってしまっている。
 制作側は「怒鳴る田嶋」に期待して彼女を起用する。最初から討論の中身などどうでもいいのだ。『朝まで生テレビ』(テレビ朝日系)での大島渚も同じような役どころだが、彼がケント・ギルバートに「つべこべ言う前に、アメリカは日本から出ていけ!」と怒鳴る場面のほうが、まだ信念が感じられて上品だ。
『超・天才たけしの元気が出るテレビ!』も、最近下品な計算が目につく。完全ヤラセの「早朝」シリーズなどは論外。不良を可愛く見せ、じいさんをジェットコースターに乗せれば面白いという発想はもうとっくに飽きられているのだよ。予期せぬドラマ、計算外のキャラクターの出現を最初から「計算」しては駄目。分からないのかなあ……。


■近況■

NHKのBS7の『世界の天気』(深夜0:25)でKAMUNAの音楽を聴いた人が、インターネットメールでCDを注文してきた。5月になってもまだ流れている。BSを見られる人はぜひエアチェックしてね。かみさんが凄いマシンを買ったし、そろそろインターネットにも進出しようかな……。




自粛という貧困なる発想





 TBSが、坂本弁護士ビデオ事件の責任をとって、深夜放送の自粛に入った。これを決めた上層部は、今回の事件で何を学んだのだろうか? お上からお叱りを受けたので謹慎する……まさにそういう上目遣いの姿勢こそがあの事件を起こしたのではないか?
 相手は宗教法人だから訴訟にでもなれば面倒だ。すべてなかったことにしよう……という事なかれ主義が、あの悲劇を生んだと言ってもいい。
「自粛」になった深夜番組の中には、TBSの看板ニュース番組『ニュース23』の後半部分も入っているという。分かってないにもほどがある。
 例えば今、放送免許の管轄省である郵政省に汚職事件や不正事件の疑惑が出たとする。TBSは「心を入れ替えて」他局に先駆けて真相を究明してくれるだろうか? 公正な報道姿勢を貫くという決意を表したいのなら、これはまったく逆だろう。
 ではどうしたら「決意」を表明できるか? 一日のうち一つでいい。スポンサーなしでニュース番組を提供したらどうか。国や電力会社の圧力を感ぜずに、原発問題や核武装疑惑を追及できるように。洗剤メーカーを意識せずに、合成洗剤の毒性や水質汚染の問題を報道できるように。自動車メーカーに気兼ねなく、国産車の安全対策問題にメスを入れられるように……。
 自粛……それは報道の自殺を意味する。我々はいつもそうした「何かに気を遣った」報道を見聞きさせられている。それを暗に視聴者に知らせるのが目的……なわけないな。


■近況■

某所で二十歳前後の若者たちに小説を教え始めた。最初にアンケートをとってみて唖然とした。受講者の半数以上が五木寛之や遠藤周作の名前すら知らない。それで小説を書こうというのだ。こうなると、世代間ギャップというのとも違うような気がするが……。




今週のだみだこりゃ日記



●ワールドカップサッカーの日韓共同開催って、そんなに大騒ぎするようなことなの? わたしゃきちんと『筋肉番付』を見たかった。伊達がグラフを破り、続く長塚・杉山のダブルスも逆転で勝ってフェドカップに歴史的勝利を刻んだ日に、きちんと最後まで中継をしなかったくせに、「政治問題」だと簡単に番組変更する。スポーツ番組ってそういうもんじゃないでしょ? ついでに、『筋肉番付』だけでなく、最近とみにダチョウ倶楽部化している池谷君の将来も心配。怪我しないでね。
●鳴り物入りで新装開店した『天使の仮面』。『なるほどTHEワールド』『世界まる見えテレビ特捜部』『世界・ふしぎ発見!』『さんまのからくりテレビ』その他もろもろの「よくあるパターン」映像クイズバラエティをごった煮にして味を薄めただけ。いくら古舘でも、これじゃあ料理できない。だみだこりゃ。
●5/31放送の『新・刑事コロンボ 殺人講義』は、以前『コロンボ大学へ行く』の邦題で放送されたはず。未放送の作品だと勘違いした視聴者も多いのでは? ずるいぞ。
●『クイズ赤恥青恥』の最近の出題はつまらん。NRTとは何か?とか、24時間駐車場の看板とか、構成作家の浮ついた生活感が浮き彫りにされていて下品だわよ。
●最近いちばん印象に残ったのは『ギャビー 愛はすべてを越えて』という映画。深夜いきなり車椅子の少年・少女のセックスシーンを見せられてびっくり。向こうの役者さんは演技が濃い。感心。


■近況■

『木曜の怪談』とか、『ほんとにあった怖い話』などで活躍しているホラー系脚本家さんから仕事椅子をもらうことになった。一五万の品。四五万の新しい椅子を買ったから不要になったんだって。儲かってるなあこなこな。さあ、これから取りに行くぞ。机や本棚との釣り合いがとれないかも。




スポーツタレントの進む道




『筋肉番付』(TBS系)に出ていた日本女子体操陣の面々があまりに色っぽいというか、AVギャル系の顔が多いので、これで日本の体操界も安泰じゃと、おじさんは喜んでいたのだが、その中の一人、小菅麻里がスポーツキャスター(変な英語)としてデビューするという。ほうー。
 しかし、スポーツ選手が芸能界に転身した場合のその後というのは、どうもいろんな意味で恥ずかしいことが多い。荒瀬なんか、女相撲ビデオに出演して、水谷ケイ相手にドスコーイしてるしなあ。
 これはスポーツ選手タレントに限らないのだが、あなたなら、次のうちどれがいちばん恥ずかしいと思います?
1)たけしの『お笑いウルトラクイズ』(日本テレビ系)に出て、ダチョウ倶楽部とスタント荒技で対決する。
2)『とんねるずのカバチ』(TBS系)に出て、出川哲郎と若い女にもてる度を競う。
3)地方局の「お買い物番組」に出て、無圧フトンを売る。
4)『マジカル頭脳パワー!』に出て、板東英二のさめたかけ声に合わせて「マジカルバナナ」をやる。
 ……実際にこういう使われ方をされるのは事実で、例えば池谷幸男や定岡正治がこのどれかに出ていても、なんの違和感もないでしょう?
 しかし、究極の恥ずかしい選択は他にある。
5)『関口宏のサンデーモーニング』(TBS系)にレギュラー出演してさんざんもっともらしいことを言った挙げ句、新生党から参議院に立候補する。…… である。


■近況■

 今年2回目の越後滞在から帰還。手足のあちこちをブヨに食われて悲惨な状態に。誰か、ブヨに食われた後の効果的な治療法を知っているかた、いませんか? 宛先はTVライフ「ブヨにはこれが効く」係まで。え? ブヨって何? ……訊く場所を間違えたか。




この当時に書かれた小説↓



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