2011/05/11
オリンパス XZ-1とパナソニック Lumix LX3 の比較(1)
左がXZ-1 右はおなじみLX3
さて、飯舘村リポートを先に書いてしまったが、ここからは時間を戻して5月11日。
悩んだ末に、ヤフオクで落札したオリンパスXZ-1が届いた。
4万円弱で落札。発売以降、まったく値が下がらないどころか、一時期より高くなった。
LX3の正常進化型であるLX5も同じで、なぜか震災後は高値安定してしまっている。
LX5がほしいところだが、LX3が壊れていないのに4万円出して新たにLX5を買うのもバカらしく、それならXZ-1を試してみたい……でも、「被災者」の身で収入もない今、そんなことが許されるのか……と、ずっと悩んでいたのだ。
悩んだ末、人生、前向きに……と、結局入手。
XZ-1とLX3/LX5は同じCCDを使っている。1/1.63型で1000万画素。コンパクト機としては、今となっては最大級になってしまったが、やはり、しっかりした写真を撮るためには1画素あたりの面積(画素ピッチ)が小さすぎる。
CCDを大きくするとボディやレンズの大きさにも関係してくるので、ここは画素数を落として画素ピッチを稼いでほしいところ。
しかし、現行商品でこれ以上のCCDがないのだから仕方がない。
(1230万画素APS-Cサイズ CMOS搭載のフジフィルムX100というのが出たが、11万円以上出してあれを買うというのは、またちょっと違う世界になってしまうので考えないことにする)
LX3/5との違いはレンズで、XZ-1はF1.8~F2.5、28-112mm相当。広域側のF値がLX3/LX5のF2.0より明るいが、広角端がLXは24mm相当なので、広域端画角では負けている。
さて、見た目と持った感じだが、これはLX3のほうがいいと思う。
XZ-1はグリップがないので引っかかりが悪い上、操作系が煮詰められていない。
例えば、裏面右上に動画のホットスタートボタンがあるのだが、これが何かの拍子にすぐに押されてしまい、知らないうちに動画が録画されていたりする。
マクロへの切り替えなどもやりづらい。
撮ってみると、ファームウェアの煮詰めも非常に甘いことが分かってきた。
まず、AFの動作が非常によくない。ピンポイント焦点切り替えがないため、近距離の花などになかなか焦点が合わない。AFの速度も遅い。
この点では、何度もファームウェアのバージョンアップをしてきたLX3の圧勝だった。
しかし、それでも撮れる写真がずば抜けて美しいならいくらでも我慢できる。果たしてどうなのか……。
XZ-1
黄色が周囲に漏れているような印象
LX3
シャープだが色味がおかしい感じ
XZ-1
建物の外壁の質感、背景の雑木林のきめ細かさが甘い
LX3
シャープだが色味が不自然かもしれない
撮り比べていちばんの違いは色味。
LX3の色味がおかしいかなと思い、いろいろ調整したのだが、なかなかXZ-1と近づかない。
そのうち諦めて、それぞれの個性だということにしてしまった。
好き嫌いが分かれるだろうが、自然な色味ということならXZ-1かもしれない。LX3は人工着色のような印象を受ける。
しかし、どうしても納得できなかったのは、XZ-1の画像がもわっとにじむことだ。シャープネスがないというより、隣り合った画素が色漏れを起こして干渉し合っているような印象がある。にじんでいるというかぼけているというか……。
撮り方の問題かと思って何度もいろいろな条件、設定でやってみたが、同じだった。
大きな画像で見るとLX3とのシャープネスの違いは歴然だ。
しかし、WEBで使う画像くらいに小さくしてしまうと、差は気にならなくなることが多い。
XZ-1
1/80 秒、F2.20、ISO 200、-1/3補正
15.27 mm(71 mm相当)
LX3
1/250 秒、F 2.80、ISO 80、-1/3補正
6.30 mm(30 mm相当)
マクロで撮ったときの背景のボケ方がずいぶん違うので、あれ? と思ったが、Exifを見てみると、どうもXZ-1のほうは広角端にして寄っていなかったらしい。
XZ-1
LX3
1/60 秒、F2.20、ISO 200、-1/3補正
16.63 mm(77 mm相当)
1/250 秒、F2.80、ISO 80、-1/3補正
9.30 mm(44 mm相当)
自然に見えるのはXZ-1のほうかもしれないが、被写体や状況にもよる。下の写真などは好き嫌いで支持が分かれそうだ。ぱっと見はXZ-1のほうが自然に見えるかもしれないが、きれいな写真に見えるのはLX3のほうではなかろうか↓
XZ-1
LX3
一つ前へ abukuma.us HOME takuki.com HOME
次の日記へ
あのとき、さまざまな偶然が重ならなかったら今頃日本は本当に「終わっていた」ということを、的確に分かりやすく解説。
ご案内ページは⇒こちら
A5判・40ページ
★オンデマンド 中綴じ版 580円/平綴じ版 690円(税別、送料別)
製本の仕方を選んでご注文↓(内容は同じです。中綴じ版はホチキス留め製本です)
「フクシマ」を予言した小説と言われる『マリアの父親』の改訂版が「紙の本」で甦る。
試し読みは⇒こちらから
A5判・124ページ
★オンデマンド 980円(税別、送料別)