2011/05/06の2
土壌サンプル採取

では、高田島に出発。
途中、小学校に寄って校庭の線量を測ってみた。
それまであった、第一、第二、第三小学校を統合して、新たに建てた立派な小学校だが、今はもう子供たちの姿はない。
「緊急時避難準備区域」には子供や弱者を住まわせるなということで、学校や養護施設は再開できなくなってしまった。この小学校に子供が戻る日はずっと先になるだろう。もしかすると、子供のいない村のまま何年も経過していくことになるかもしれない。
校庭や学校周辺には、富岡から避難してきた人たちが残していった車が何台も残っている。
地上1メートルちょっとのところでは、せいぜい0.5μSv/hくらいだ。

グラウンドの土の上に置いてみる

線量は上がるが、まあこんなもの

正門の中、敷き詰められた軟質煉瓦の上に置いてみる。こっちのほうが高いのでは?

案の定、グラウンドより高い数値になった

ウッドデッキの上も同様の数値
まあ、予想通りだった。
昨日、今日は海側から風が吹いているため、外の線量は高めに出る。この校庭はちょうど海側(富岡側)にある山と山の間から風が吹き付けるため、環境はよいとは言えない。
それでも、周囲に遮るものがないグラウンドの真ん中は大して高い線量ではない。これなら、郡山の学校を真似て、グラウンドの土を削りとればぐっと線量は下がるだろう。
それよりも、煉瓦やウッドデッキの表面にこびりついたセシウムを流し落とすほうが大変かもしれない。
いずれにせよ、村が緊急時避難準備区域に指定されている限り、子供たちは戻れない。
郡山市や福島市の学校よりは低い汚染状況だけに、どうにも理不尽な思いがあるが、自分が親だったらどうかと想像してみると……、どうするだろう。やはりスパッと福島を諦めて、子供を連れて別の土地に移るのではないか。
東電や政府は、原発震災の補償金設定において、子供のいる家族とそうでない家族とで、追い込まれた度合がまるで違うことを考慮すべきだ。
老人や病人を抱えていた家族も大変な苦痛を強いられた。それをどう救済していくつもりなのだろうか。
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