10/01/02

10年前のわたし

元旦は荒天だったが、2日はきれいに晴れて、ジョンのお散歩さぼれず。
風が強い。県道沿いはもろに風を受けるので、また例の沢沿いに山の中へ。

ここを登っていく


沢が狭まっているところは、こんな風に氷が


冬の山は寂しい


これは唐松のシルエット


ビックリ目のジョン


相変わらず、なかなか視線を合わせようとしない

10/01/03

箱根駅伝が終わると正月も終わる。今年は特に、4日が月曜日だからそういう気分。
福島の星・柏原竜二はすごいねえ。名前がすごいよね。りゅうじ。都会の軟弱な子の名前じゃない。
身体が丈夫そう。背もあるので、将来マラソンに出てきたときも、アフリカ勢としっかり張り合えるかもしれない。楽しみ。

年末からずっと、いただきもののお餅といただきもののお酒と……で、どんどん太ってしまったみたいで、朝、ジーパンを履くときに「ん?」となる。
これは、今まで生きてきた中でいちばんおいしいと思ったかもしれないお酒。当然いただきもの。
ほんっとにうまいんだな。雑味がゼロ。口の中でとろ〜ん、ぽわ〜んと、きれいな余韻を残しながら喉へと伝わっていく。たまらんです。
高かったんだろうなあ。いただきものだから、知らないけど。

日本酒は、庶民が手の届く世界一の酒だと思う。
どこの酒造でも、自信作、最高ランクの酒は量産できないので、あまり数が出回らない。それでも、720ml瓶なら、買えない値段じゃない。
普段、日本酒はあまり飲まないので(経済的な理由&健康上の理由)、飲むときは、ほんとうにおいしい酒をのみたいと思う。いただきものの場合、純米でない酒が樽で届くより、お、これはうまそう……と思える、酒蔵最高ランクのお酒を小瓶で一本のほうが何百倍も嬉しい。
ワインは、1本490円とかの無添加ワインばかり飲んでいる。高級ワインというのは経験がないのだけれど、興味もない。酸化防止剤の味っていうのがあって、あれがどうしても馴染めない。本格ワインにはすべて入っている。ヨーロッパでは、酸化防止剤が入らないワインはワインとして認めないらしい。
ボジョレーヌーボーなんて、できたてで飲むんだから、酸化防止剤入れずに飲まないと意味がないんじゃないかと思うのだが……。
ウイスキーなどのハードリカーは、自分では飲まない。数年に一度、バーなどに連れて行かれたときに飲むだけ。
そんなわけで、高い酒を飲む機会は日本酒しかない。
日本酒に限っては、自分で買うときも純米だけ。
それでも、精米歩合60%とか58%なんていう贅沢なやつは自分では買えないから、もらうと滅茶苦茶嬉しい。
あ〜、生きててよかったと思うのよね。

10/01/05

「ふるさと林道」の工事が今日から始まったようだ。
午後から天気が崩れそうなので、遅くならないうちにジョンのお散歩。鯉が2匹いる水たまりに行ってみると、まだいた。正月用にここに保管してあったわけではないらしい。
でも、そうなると、このまま春を迎えたら、カエルが卵を埋めないじゃないか。

炭焼き窯は、第3弾?に突入していた。第4弾くらいかしら。
これって、全国通販できるくらいの品質はないのかなあ。「○○じいさんの炭」とか銘打って、生産者の顔写真入りで通販。焼鳥屋さんとかに、ちょっとブランドっぽく売る。品質がよければ成立しそうな気もするが。
そういうのを、地味に仕掛けていく人が必要なんだよね、この村には。

ところでこのページのタイトル「10年前のわたし」……とは?

今日、ひょんなことで、「草の根通信」の「タヌパック短信」最終号を読んでみた。

10年ちょっと前、鬱病になり、家庭崩壊したときのことが生々しく記録されている。
番外編は、少し持ち直したときに書いたものだと思う。多分、年明けくらい。
こうある。

供給を増やさずに需要を増やすという発想は、とても大切だと思います。
 今までは、安かろう悪かろうでも、物を大量に生産することがよいこと(経済の発展には不可欠なこと)とされてきました。
 しかし、これでは破綻は目に見えています。量的な発展というのは、必ず限界があります。地球が宇宙空間に向かって捨てられるエントロピーの量を超えて生産することなど不可能だからです。いつまでも成長し続ける生物がいるとしたら、適正な寿命を迎える前に死ぬはずです。当たり前のことなのに、なぜ「生産量を増やし続ける」ことにだけ目を向けるのでしょうか。いい加減に、そんな子供っぽい幻想からは脱却しなければ。

 例えば、自動車産業を例に取りましょう。
 いつまでも古くさくならない、「文化」としてかっこいい車を作れば、長く乗る人が出てきます。そうすると、廃車というゴミが減ります。
 でも、さらによい車を作り続ければ、お金のある人はやはりその車を欲しくなります。で、それまでに乗っていた車を手放すわけですが、その手放した車は依然として「よい車」なので、中古車として購入したいと思う人もたくさんいます。中古車業界の需要が増えると同時に、リサイクルが成り立ちます。
 傷んでも乗り続けたいほどよい車だから、修理する人も増えます。修理業界の需要が増えます。
 しかし、全体としての新車生産台数は減るでしょう。少量生産になり、新車一台あたりの値段は上がります。でも、それはしょうがないことです。自動車を作ること、自動車を走らせることは環境に負荷を与えるわけだから、それなりの経済的負担がなければ歯止めが利きません。
 そういう世の中は、今までの新車大量生産時代より不幸でしょうか?
 僕は決してそうは思いません。車への愛情が深まるだろうし、結果的には多くの人が質のよい車に乗ることができる、よい世の中ではないかという気がします。
 新しい車が欲しいという気持ちは、今の車がださくて愛情を持ち続けられないから起こるわけです。そういう下品で質の悪い車を作り続けた世の中を恥じるべきです。
 本やCDも、少品種大量生産→大量のゴミ……という時代はもうやめたいものです。多品種少量生産でリサイクル。本当によいものだけがそこそこに売れて、しかも古本屋や中古CD店を通じて長いサイクルで生き延びるという世の中のほうが、文化の質は確実に向上するはずです。
 そうした多様性と循環経路の豊かさを誇る世の中では、土建業者や大規模生産業者が一時的に整理されていくのは仕方のないことだと思います。でも、本物の技術を持った専門家や、きめ細かなサービスを提供する職業は生き残り、きちんとした競争をして、自分の仕事に誇りを持てる世の中が作れるかもしれません。
 いいじゃないですか、そのほうがずっと。

 デジタル技術はそうした「本当の多様性」「質の向上」を支えるための手段として利用されなければなりません。インターネットは空っぽの洞窟などということは決してありません。なんでもありの世界だからこそ、淘汰されていくものが出てくるし、見つけるべき情報の宝もあるのですから。
 
 我が家は見事に一旦崩壊しましたが、僕は今、デジタル・エントロピーも不況も乗り越えて、新しい生き方を模索しようとしています。
 草の根通信版タヌパック短信はこれで終わりますが、そのうちに余裕が出てきたら、タヌパック版エントロピー入門教室シリーズでも始めてみようと思います。
 おいおい、またエントロピーかよ……って? まあ、僕にしてみれば、もはやこれは主義主張を超えて、趣味の領域に戻ってきていますから、お気楽にいきますよ。もし、興味のある方がいらっしゃいましたら、そのときはまた、よろしくおつきあいのほどをお願いいたします。


ここに書いてある「デジタル・エントロピー」は、その後「デジタルストレス」という分かりやすい言葉に変えて、本になった。全然売れなかったけれど、5年か10年早かったのかもしれない。
で、最後に、
「僕にしてみれば、もはやこれは主義主張を超えて、趣味の領域に戻ってきていますから、お気楽にいきますよ。もし、興味のある方がいらっしゃいましたら、そのときはまた、よろしくおつきあいのほどをお願いいたします」という部分、まさにこれを今、阿武隈日記で実践しているのかなあと思う。
その前の自動車産業の話なんかも、最近、同じことを書いたばかりだし。
変わっていないんだなあ。10年経っても、同じ。
あとは、どこまで持続できるかという勝負ですね。

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