08/05/31

これは相当スゴイ

次のデジカメ本の企画が通ったので、最新のコンパクトデジカメの性能をみっちり確かめるべく、現時点でいちばんよさそうな、かつ売れている、かつ安価なコンデジを1台買った。ニコンCOOLPIX S600
これを選んだ基準は、
1)画素数競争の弊害と現実の写りのバランスを確認するため、不必要ではあるが1000万画素以上のモデルを選ぶ
2)どうせ買うなら広角28mmまで伸びているモデル
3)なるべく小さくて軽いやつ
4)レンズはF2.8より明るいもの
というもの。
通販で23,650円(税込)。送料500円だった。ついさっき到着。
同じものをK100D+タムロン18-250mmで撮ったのと比較。どっちがどっちか、分かるだろうか?
左がS600。最高解像度(3648×2736で998万0928画素)+最高画質で撮ったのを横600pxにリサンプル。右はK100D。3008×2000で601万6000画素。
正直、コンデジがここまでよくなっているとは思わなかった。
一部を原寸大トリミングしてみた。これもびっくり。背景のぼけ方にムラがあるとはいえ、滴の映り込みなどは鮮明に記録されている。
S600のCCDは1/2.33型で1000万画素。多分、シャープが開発したものだと思う。
大したものだなあと、素直に感心。しかし、この技術力をもってすれば、もっと低い画素数に抑えたらもっときれいな写真になるはず。
このカメラで撮った写真がきれいなのは「画素数が多いから」ではなく、新開発のCCDが優秀であることと、映像記録エンジンの作り方がうまいからだ。「画素数」は開発者にとってもはや足枷にしかなっていない。普通に使うデジカメでは、500万画素あれば十分なわけだから。
しかしまあ、これだけきれいなら、疑似光学ズームでの拡大(撮影後のトリミング)でもかなりきれいな画像になっているはずで、ズームアップの性能だと思えば、あながち「不必要」とばかりも言えない。
実用範囲で多少補正(シャープフィルタなど)をかけてみたところ。最初のがS600、後がK100D+タムロン。

S600 拡大したところ

K100D+タムロン 拡大
やはり技術の進歩と努力の成果はすごいのだなあ。2年前くらいのコンデジとは大違い。5年前のコンデジとは月とスッポン。
しかし、このレベルの技術とパーツのクオリティで、バリアングルモニターや実用解像度を重視するといった方向に進めば、もっともっとすばらしいカメラができるはず。やはり「画素数競争」は愚かなことに変わりはない。
上の2つは、同じ部分を横600ピクセルにまでリサンプルして無理矢理拡大したもの。元画像の解像度はK100Dのほうが低いはずなのに、拡大してみると、解像度が低いはずのK100Dのほうがなめらかな画像になっている。
つまり、1000万画素という画素数の意味はまったくないということ。それをいちばんよく知っているのは開発している技術者のはず。営業側から「画素数を増やせ」と言われ続ける中、意味のない高解像度化を進めなければならず、ストレス貯めながら仕事しているに違いない。可哀想に。

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