Dean Martinは知っている。フランク・シナトラとかアンディ・ウィリアムズとかダニー・ケイとかも知っている。あの時代の人。
しかし、この Caterina Valente という女性は、これを見るまでまったく知らなかった。
Wikiを見ると1931年1月にフランス、パリで生まれている。現在88歳。
両親はイタリア人だが、カテリーナはフランスで生まれ、育った。で、最初の結婚相手がドイツ人で、ドイツ国籍になる。6か国語を操り、1350曲を12か国語でレコーディングしているという。
ダンサーや女優としても活躍していて、ミュージカル映画などにも出ている。
あたしが生まれる前から芸能界で大活躍していて、共演した音楽家も多数。Louis Armstrong, Chet Baker, Perry Como, Ella Fitzgerald, Benny Goodman, Woody Herman, Claus Ogerman, the Tommy Dorsey Orchestra, Sy Oliver, Buddy Rich and Edmundo Ros……。
One Note Sambaっていつ作られた曲だっけ? と思って調べたら、そもそもボサノヴァの誕生は1958年の「Chega de Saudade」がジョアン・ジルベルトの歌とギターでリリースされたとき、というのが通説になっているようだ。
その頃にこのOne Note Samba が誕生したとしても、カテリーナがそれをマスターして完璧に演奏してみせるまでにせいぜい数年しかない。
どれだけアンテナを張っていたのか、と驚く。
ボサノヴァの革命的な音楽性はアメリカでもすぐに認識され、多くのミュージシャンがカバーしたが、原詩と関係のないいい加減な英語の歌詞をつけることが多かったという。ジョアン・ジルベルトはそれを嫌い、「ボサノヴァはポルトガル語で歌わなければならない」と頑なに主張したのに対して、ジョビンは「ボサノヴァを世界に広めるには英語でも歌ったほうがいい」と、アメリカに渡り、積極的にポルトガル語の原詩を英訳することを試みたという。
One Note Samba も、ジョビンが原詩に忠実な英訳を追求して、英語ネイティブに意見を聞いて修整しながら英語詞を完成させたらしい。 ⇒ここにポルトガル版と英語版が並んでいるが、多分、忠実に英語にしているのだと思う。
This is just a little samba built upon a single note
Other notes are bound to follow
But the root is still that note
Now this new one is the consequence of the one we've just been through
As I'm bound to be the unavoidable consequence of you
ワンノートサンバのone noteとは、他の異性に目移りしながらも、最後は本当の恋人のもとに戻ってくる、というラブソングだという解釈がされるが、ジョビンにとって「As I'm bound to be the unavoidable consequence of you.」の you とはメンドンサのことかもしれない。
There's so many people who can talk and talk and talk
And just say nothing or nearly nothing
I have used up all the scale I know
And at the end I've come to nothing or nearly nothing