カレンダーソフトに黄色い★印がついている日は「記念日」なのだが、ほとんどは誰かの命日。今月は17日が実父の命日だったが、もう1つ黄色い★がついている日が今日23日。ゴロの命日だった。
毎年、ゴロの命日にはある女性から長いメールが届く。ゴロと同じ真っ黒なウサギを飼っていた(今も飼っていて3代目)人で、そっくりなウサギがよく登場するWEB日記がある、ということで読者になってくださった。
今年も来ているかなと思ってメールボックスをチェックしたら、「ゴロちゃん8回目命日定期便です(^^)」というタイトルの長いメールが届いていた。
8回目か……ということは2010年だったのか。そうだよなあ、原発が爆発したときはいなかったのだからなあ。
そのときの日記を読み返してみる。
…………
今、読み終えた。数ページにわたっている。忘れていたことがいっぱいあった。
意識が朦朧としてきた中で、死神の姿でも見ているのだろうか。思うように動けなくなったことで、恐怖を感じるのかもしれない。
自分で立ち上がれなくなって、叫び声をあげる頻度があがってきた。
そのたびに飛んでいき、頭を撫でて声をかけたり、抱いてやったりする。すると、すっと穏やかな顔になって、荒れていた息も収まる。
最後は、仕事机の横で息を引き取った。
最後の最後が分かっていれば、抱いたまま見送りたかった。それが少し心残りだ。
……そんな感じだったのか。半分くらい忘れてしまっている。
家の前のヤマボウシの根元に埋めた。
タヌは一生を過ごした百合丘の庭、白木蓮の下に埋めた。今も毎春、真っ白な花を咲かせる。
ゴロはここ、阿武隈の地で、毎年ヤマボウシの白い花を咲かせることだろう。
4ページにわたる長い追悼文は
ここで終わっている。
ヤマボウシか……今頃どうなっているだろう。成長しすぎて、今のオーナーに伐られてしまったかもしれないなあ。
お昼頃、ゆうパックが届いた。
中には「阿武隈のヤマボウシの下に眠るゴロちゃんの想い出に寄せて」 というメッセージが添えられたドライフラワーリース。
わざわざリース作家さんに「ヤマボウシの花を入れてください」と特注してくださったそうだ。
リース作家さんが添えたメモカードには「花材:アジサイ、ヤマボウシ、スターチス、カスピア、タタリカ、サントリナ」とある。
送り主さんは、このリース作家さんにわざわざ僕の日記のURLを教えて、こういう人に送るリースです、ゴロちゃんはこういうウサギで……と、いろいろ伝えたそうだ。
さらには、ヤマボウシの花を入れてくださいというリクエストもしたとのこと。
リース作家さんから2回に分けて届いたという返信の内容も一部紹介されていた。
「風力発電をめぐる問題、補助金バラまき農政による農村の荒廃、いろいろ興味深いことがあって……」
「ペットという言葉、あまり好きでないのですが、(略)生き物と共に生きるということがすっと胸に落ちます」
……などなど。
ありがたいことです。
彼女は『医者には絶対書けない幸せな死に方』も10冊も購入してくださって、この人は!と思える知人友人に配っているという。感謝。
こういう縁をゴロが結んでくれたのだなあ。
たぬが8年、その後がゴロで11年、今はのぼみ~で7年目。人生を支えてくれるのはのぼみ~が最後になるのだろうなあ。
あと、近所の犬シリーズも、ジョンからレオになって、今は実質僕がレオを介護しているんだけど、支えられてもいるという関係。
レオは親に重なって見えてしまう。性格や関係性が似ているんだよね。ひとんちの犬と父親が似ているとは何事かと怒る人もいるかもしれないけれど、ほんとに重なって見える。
ヤマボウシの花とゴロの想い出に浸る1日でありました。