一つ前の日記へ一つ前へ |  目次へ   | 次の日記へ次の日記へ

のぼみ~日記2018


2018/02/22

アリババ初体験


ウクレレの値段をAmazonで調べていたら、フェイスブックを開くたびにAmazonがウクレレを押してくるようになった

親父がお世話になっているホームで「ウクレレ教室」を始めて2回終わったのだが、未だに僕自身はウクレレを持っていない。
自分の音楽制作にウクレレを使うつもりはないし、ホームに行けば余ったウクレレが一台くらいはあるので、それでいいや、という感じだった。
しかしまあ、回数を重ねていくと、ウクレレ(というよりは楽器)初体験の人たちがどんなことを期待してウクレレを手にするのか、何が難しいのか、どのへんで躓くのか、どう教えたら合理的なのか……というようなことが分かってくる。
で、改めてYouTubeなどで「ウクレレの弾き方」みたいな動画をいくつか見てみたのだが、なんだかどれもしっくりこない。これならウクレレを持っていない僕が教えるほうがよほどいいセンセなんじゃないかと思えてくる。
それなら、どうせ教えるなら、YouTube動画を作って世の中のウクレレ初心者にフィードバックしたらどうかと思いついた。
これは自分自身の音楽活動とはまったく別の立ち位置、というか、考え方に基づいている。
 アクティブQOL型の人は、自分の能力の低下を嘆きます。
 歳をとれば、今まで生き甲斐にしてきたことを失うことは普通に起こります。足腰が弱ってきて好きな山歩きができなくなったとか、職人としての腕が落ちて現役を続けられなくなったとか、いくらでもあるでしょう。それをひとつひとつ「生き甲斐の喪失」として深刻にとらえていたら、それだけでQOLがどんどん落ちてしまいます。
 アクティブQOL型の人は、うまく視点を変える、手段を変えるなどして「生き甲斐をシフトしていく」ことが大切です。
 例えば、若いときのように山歩きができなくなったら、思いきって山のそばに引っ越して、毎日山を眺めながら暮らせないかと考えてみる。山歩きでは見つけられなかったものが見つかるかもしれません。
 体力が落ちて現役を退いた後は、自分の経験を若い世代に伝えて後継者を育てることに生き甲斐を見出す道を探ってみる。自分が成し遂げられなかったこと、気がつかなかったことを実現していく人材を生み出す喜びがあるかもしれません。
 そんな風に「生き甲斐をシフト」できる人は、うまく歳をとり、いつまでも楽しそうに暮らしています。
(『医者には絶対書けない幸せな死に方』 より)

↑これを書いたときは、自分がそうした生き方を選ぶことは考えていなかった。特に音楽においては、死ぬまで自分にとって最高の音楽を追求しようと思っていた。それができなくなったら、文章や美術など、他の分野に集中しよう……と。
しかし、これはあくまでも「自分にとっての音楽」の話であり、音楽一般のことではない。
音楽との関わり方は人によってまったく違う。「死ぬまでに何か一つでもいいから自分で楽器を演奏してみたい」という人はものすごく多いということが分かってきた。
それを手助けする「技術」を自分は持っているのではないか? と思い当たったとき、突然、音楽に対する立ち位置がひとつ増えた気がした。
これは「立ち位置が変わった」のではなく、「別の立ち位置を見つけた」ということだ。

よし、やってみようか、ウクレレ教室……そうとなれば、ウクレレを持っていないウクレレのセンセはありえないだろうから、買うか……。
最初の生徒たち(デイホームの施設長とスタッフ)にはAmazonで安いやつを買えばいいと教えて、実際そうしたんだけど、センセが自分のウクレレ買うのに同じのじゃつまらんなあ。それならホームに行けばあるわけだしなあ……。
かといって、ウクレレに1万円以上出せないしなあ。せいぜい5000円……気張って6000円台くらいか……それで所有する喜びみたいなものを少しでも得るためには、ヤフオクで中古の掘り出し物を探すしかないか……と、探し始めた。
ところが、掘り出し物はあるのだが、入札終了時にはかなりの値段に跳ね上がってしまう。もしかして世の中、ウクレレがブームなのか? いや、ブームという話は聞かないから、これはやっぱり「死ぬ前に楽器を一つくらいはやってみたい」という中高年が入札しているのではないか?
最初は安いウクレレで始めたけれど、ちょっと弾けるようになったら、もう少しいいものがほしくなって……という「需要」が相当あるんじゃないか。

何台もの中古ウクレレが結構な値段になって落札され、落とせないまま数日経過。
これはきっと「他とは違うウクレレ教室をやるなら、デジカメのガバサク流同様、道具は安くても合理的な手法で楽しむという方法」を前面に押し出せ、という啓示かな。そういう教室で、センセがちょっとでも高そうな楽器を持っていては説得力がない。だから、誰もがいつでも安く買える安物の新品ウクレレでいいではないか、ということか……。

それでも諦めきれず、ヤフオクに出てくる、ちょっとよさげなウクレレの出自やら実勢価格などを検索しているうちに、海外の通販サイトに迷い込んだ。
中国のサイトらしい。……アリババ? あ~、これがそうなのか?

そこを見ているうちに、アマゾンジャパンよりはるかに種類も多く、中には素性のよさそうなものが安く出ていることが分かってきた。


アリババの海外(中国外)向け小規模通販サイト(問屋感覚?)AliExpress

そういえば、去年の買い物でいちばん幸せを感じたのは中国の工場から流出したチボリオーディオ用のスピーカーユニットだった。これを組み込んだ自作スピーカーのなんとまあ気持ちのいい音だこと。
チボリオーディオはアメリカのマニアックなブランドだが、重要なパーツであるスピーカーユニットは中国の工場が作っているわけだ。それもチボリ専門ではなく、他のメーカーにもいろいろ卸している工場らしい。
つまり、こういうことだ。
  1. 品質の高いものを安く作るためにはスケールメリットが必須(少量生産では安くならない)
  2. しかし、作った大量の製品に全部有名ブランドをつけて市場に出すと、製品の価値が下がる
  3. 結果、余った「同等の品質の製品」は無印のまま流出する
  4. それを安く仕入れて、ちゃちなブランドとして売る業者が出現する
よく見ていくと、同じようなウクレレに違うブランド名がつけられて違うショップから売られている。基本は同じものでも、そこにバインディング(縁取り)を施したり、ちょっと高級感のある象嵌を入れたりするだけで、有名ブランドのウクレレになっていく……そういうことか?

であれば、素材(ボディの材料)や仕上げの精密さなどを観察して、素性のよさそうなものを安く買うのがいちばん賢い方法なのではなかろうか。

……と分かったところで、ようやく注文までこぎ着けた。

買ったのはこれ↓

デザイン、サイズ、質感……すべてバッチリ。円換算すると約5800円。クッションの厚そうなケースもついているし、コンサートサイズでは大きめの24インチらしいし、ポジションマークや口輪がかっこいいし、これに決めた。
届くのが待ち遠しいな。

他にもいろいろあった。でも、安くて素材もよさそうだとしても↓これはちょっと無理~だしねえ。

これ、絶対意匠違反だろ……



これがタイムセールでメチャ安くなっていて、しかもスプルース単板というので最初はこれをポチしそうになったのだが、踏みとどまってよかった。全然趣味じゃない



これはちょっとかっこいいかな


18日の月

医者には絶対書けない幸せな死に方
「医者には絶対書けない幸せな死に方」(講談社プラスα新書)
2018年1月19日発売  内容紹介は⇒こちら

以下のいずれからでもご購入いただけます

Amazonで買う   hontoで買う    7ネットで買う  honyaclubで買う  bookfanで買う  LOHACOで買う  Yahoo!  楽天ブックスで買う

更新が分かるように、最新更新情報をこちらの更新記録ページに極力置くようにしました●⇒最新更新情報
     


一つ前の日記へ一つ前へ |  | 次の日記へ次の日記へ

         
Kindle Booksbooks    たくきの音楽(MP3)music    目次へ目次    takuki.com homeHOME


Google
nikko.us を検索 tanupack.com を検索