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のぼみ~日記2016

2016/06/12の5

キリフリ谷の藝術祭(5) 幾何学堂


幾何学堂の玄関ドア(回転式)

ペンショントロールの森の建物のドアは建築家・小坂憲正さんの作品。オーナー夫妻は小坂氏に心酔しているようで、「幾何学堂さんはもう行きましたか?」「あそこの玄関ドアは素晴らしいですよ。回転ドアになっていて……」など、自ら幾何学堂のことをPRしていた。
その幾何学堂へ向かう。

幾何学堂はメインストリートからは入り込んでいてちょっと迷う場所だが、メインストリートからの入り口には目印に(?)村上直樹氏の『鯱』という鉄の造形作品が期間限定展示(2016年6月中)してある(↓)ので迷うことなくたどり着けた。

幾何学堂に続く進入路入り口に6月中展示されている『鯱』という鉄の作品

ここは個人宅で、一般公開しているときは入館料300円。藝術祭にあわせて、「刻字家・秋山浩志の世界」と、2012年のフィンランド展に出品した「カレワラ会館オブジェ」の特別展示をしていた。
しかし、ここはとにかく、建物そのものがアートであり、また、オーナーの小坂さん夫妻の存在がアートといえるだろう。
いやぁ、日光はほんとに一筋縄ではいかない。面白いなあ。

幾何学堂。道路側から見る。建物の向こう側は深い谷になっている



建物の裏手は深い谷。すごい眺望



建物の内部。展示されているのは芸術祭期間に合わせた特別展示の刻字作品群



トイレのドア。もちろんこれも小坂さんの作品



トイレ脇の洗面



床や柱はフィンランドから輸入したKELO(ケロ)材というもので、立ち枯れのパイン材。厳寒の中で長時間さらされていたために表皮もはがれ、表面がいぶし銀のような色をしているため、シルバーパインとも呼ばれているとか。ここで使っているケロ材は立ち枯れてから100年以上経っており、樹齢を合わせると400年くらい昔の木だそうだ。1平方キロでせいぜい数本しか採れない極めて稀少な材で、日本に輸入できたのは本当に幸運だったとのこと





フィンランドからの運送費だけでも大変だっただろう。情熱の成果……



ロフトへの階段が丸太で組まれていて、かっこいい





ロフトの様子↑



刻字作品の展示。こういうものをまとめて見る機会も少ないだろうから、いい経験になった



あら、長岡鉄男設計のバックロードホーンスピーカーだ。懐かしいなあ。後で訊いたら貰い物でよく知らないのだそうだ



夫人の小坂朋子さんも造形作家



面白いベンチ



トロールの森のオーナー夫人が言っていた「回転式の玄関ドア」を内側から見る



谷に面した縁側には鶏小屋があった



作業場に展示されていた「カレワラ会館オブジェ」。千年杉に彫られている





その作業場奥のスペースを仕切る引き戸裏には、さっきトロールの森で展示されていた香川大介氏が1週間ここに泊まり込んで描いたという絵が。小坂さんは「大ちゃん」と呼んでいた



その作業場奥の窓から眼下の谷を見下ろす



作業場横のドアも渋くていいなあ



小坂氏のプロフィールがとても興味深い。
1968年5月 十勝沖地震のときに北海道で生まれる
1990年 東海大学工学部建築学科卒業、鳶の道へ進む
1992年 鳶小坂組設立 鳶頭となる
1998年 ログビルディングの神様B・アラン・マッキー氏に出逢い木の魅力にとりつかれる
       B・アラン・マッキー氏との約束で斧と手道具のみでログハウスを建てる
        同年、ログビルディングスクールで学んだことを契機に鳶を退職し日光に移住
       便利屋、石屋を経て木を学べる地元の建築会社に入社
2001年 環境と空間を生かした有機的建築物としての家づくりを構想し扉制作開始
2004年 3年の歳月をかけ自宅「幾何楽堂」を完成
2006年 幾何楽堂が第14回日本ログハウス・オブ・ザ・イヤー「優秀賞」を獲得
         同年 屋号「幾何楽堂」として独立
         タスマニアに渡り扉制作
         以後、扉制作と異空間建築、様々な手仕事を手掛け 自宅を開放し展覧会・坐禅会・演奏開催
2011年  ログハウスの聖地、小来川に「山帰来」を建設
……


なんと、先日訪ねた「山帰来(さんきらい)」は彼の作品だったのだ。シンクロニシティにびっくり。

山帰来の内部

なるほど、山帰来も黒川を見下ろすロケーションで、窓が広く取ってある。納得。

小坂氏、目下、高所から落ちて背骨を折り、力仕事は休んでリハビリ中だという(しゃんとしていて、全然そうは見えなかったので、それまたびっくり。ステンレスのピンが10本入っているとかなんとか……ひょえ~)。
僕より一回り以上若いとはいえ、強靱な精神力に脱帽だ。


日光クリック  幾何学堂
日光市所野1543-332 tel:0288-50-1066

個人宅なのでコンタクトは事前に






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「福島問題」の本質とは何か?


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『裸のフクシマ』以後、さらに混迷を深めていった福島から、若い世代へ向けての渾身の伝言。
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裸のフクシマ  『裸のフクシマ 原発30km圏内で暮らす』(講談社 単行本352ページ)
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第2章 国も住民も認めたくない放射能汚染の現実
第3章 「フクシマ丸裸作戦」が始まった
第4章 「奇跡の村」川内村の人間模様
第5章 裸のフクシマ
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