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のぼみ~日記2016

2016/05/25

「ヘ池」は優秀


「ヘ池」の風景↑ Clickで再生


蕎麦は難しいが、池も難しい。
水質管理がとても難しい。
その年によって天候も違うから、調子のいい池と悪い池が変化する。
何年も池を見ていて分かったのは、陽が当たらない池はダメだということ。水温が上がらないと、オタマが育たない。また、なぜか細かな藻が繁殖しすぎて酸素不足になるようだ。
メダカは水質のバロメータなどと言われるが、メダカって結構強い。一冬ずっと底まで凍りついているような池でも、氷の下、泥の中で冬眠しているのか、春になるとしっかりまた泳いでいるし、オタマが全滅してしまうような水質になっても泳いでいる。

森の中の池などはさぞやモリアオなどの天国かと思いきや、そうでもない。車がばんばん走る道沿いの狭い田んぼの上などにいっぱい産んでいたりする。深山幽谷だと陽が当たらず、水温が上がらないからダメなのだろう。
川内村の平伏沼は山の中と言ってもぽっかり空が開けている環境で、しかもすぐに水が干上がるほど浅いから、水温がかなり上がるのだろう。

そんなわけで、今年は昨秋作って春の到来を待っていた「ヘ池」がとっても優秀。陽当たりも考えたし、水深も浅いのがいいみたいだ。
シュレスキューで未熟なまま白いオタマになったやつが、みんな大きく育っている。
餌が不足していそうなので、麩をあげ始めた。食いつきがいい。
一方で、オオカミ池のアカガエルのオタマは姿が見えない。お麩を入れても食いついてこないから、ずいぶん死んでしまったのかもしれない。
方舟のアカガエルのオタマはさらにダメっぽい。
方舟はもともと陽当たりが悪いのだが、今年は周囲の植木が育ってさらに陽が当たらなくなっているのが原因か。



こんなものうまいのかねえ



ダメよ~


モリアオの卵はまだ見られない


去年、モリアオの卵っぽいものを見た堰堤まで行ってみたが、卵どころか水もなかった



ここは雨が降らないと干上がり、降ればたちまちあふれかえる。カエルの産卵には向いていない場所だ



帰り道、珍しく高い木の上にとまっているサギを見た。武田院長の鑑定ではコサギだそうだ



この距離から見ているのだが、さすがは300mm相当のStylus1だけあって、ちゃんと撮れる



他の4羽と離れて、さらに高いところにいる1羽。お山の大将タイプ?


2016/05/24

注射の季節


ワクチン注射のためにのぼみ~を獣医さんのところへ連れていく。病気でもないのになんでだよ~、と、車中ずっと泣きっぱなし。
院長に、「足尾のさんしょう家さんで狛犬本見ましたよ」と言われた。
『狛犬図鑑01 日光東照宮の狛犬と日光のはじめ狛犬たち』のことだ。あれは足尾ではさんしょう家さんの他に、足尾歴史館、国民宿舎かじか荘、通洞駅前の観光案内所、奈良部商店にも置いてある。
他にも、日光市松原町のハーブショップ&カフェ「そっと・ぼーちぇ」、日光市観光協会(御幸町日光郷土センター内)、湯元の奥日光小西ホテルなどにも置かせてもらっている。

「一人に向かって」の気持ちを新たに

狛犬図鑑01は、少しでも多くの人に届きやすいようにと、オフセットで700冊作った。初期費用の回収は容易ではない。
だから、02以降は判型を小さくしてオンデマンドで続けていこうとしているわけだが、いずれにしても採算の合う仕事ではない。
自分にしかできない創作活動ほど人の目に、耳に触れず、金にもならない。誰にでもできそうな仕事ほどそれなりのお金になる。……これは20代以降ずっと抱えているジレンマ。

残りの時間をどんな創作に費やすか……音楽がいちばんエネルギーが必要だが、いちばん金になっていない。
それでも、残り時間が少なくなればなるほど、気力が弱まってくればくるほど、今しておかなければできないことを優先してやろうという気持ちはある。
バイエルのような練習曲集を作ってみようか、とか、新唱歌シリーズを組み入れた童話形式の動画絵本を作ってみようか、とか、頭がなんとか働くうちに、死をテーマにした(正確には「死」を楽に迎えるためにいかに充実して生きるかというテーマで)文章を書き、考えをまとめていきたい、とか……。

でも、どれも、うまくやれたとしても、自分が生きているうちには埋没したままだろうという「確信」がある。今の時代、人々の心がどんどん余裕を失っているのも分かる。音楽を聴いて感動したり、本を読んで思索にふけるなどという時間がない。生活費をいかに稼ぐか、明日、どうやって生き延びるか、閉塞感につぶされずに心を保つのが精一杯。

ああ、今日もできなかった……と思いながら日々が過ぎていく。

そんなとき、フェイスブック経由で思いもかけないメッセージが届いた。
英文だが、こんな内容だった。

 たくきさま
 いつかあなたに手紙を書きたいと思ってました。あなたの音楽がどれだけ私の人生にとって重要かを伝えたいと。
『グレイの鍵盤』 はもう10年以上も私の友です。もし無人島に5枚だけアルバムを持っていっていいとなったら、『グレイの鍵盤』は間違いなくその中の1枚です。
 あなたのアルバムなしの私の人生は想像できません。
 何年も前に、タヌパックのWEBサイトからCDを注文しました。そのとき一緒に入っていたサイン入りカードは私の宝物です。
 私の人生、そして世界を豊かにしてくれて、ありがとう。


僕はファンレターというものをほとんどもらったことがないので、しばらくはポカ~ンとしてしまった。
ここまでストレートな内容のものをもらうのは人生でこれが最初で最後かもしれない。

作っても作っても誰にも届かないまま死ぬのか……と諦めの境地だったのだが、ああ、数ではないよな、と、改めて気持ちを持ち直せた。

音楽は難しい。
同じものを聴いていても、人によってまったく違う感動の仕方をしていることが多い。
例えば、マーチン・ルーサー・キング牧師の演説を聴いて感動している人は、ほとんどは言っている内容に感動しているわけだが、中には「彼の声は素晴らしいね」「力強いトーンだね」「姿が美しいね」と感動している人がいるかもしれない。音楽ではそういうことが常に起きている。
持っている音感の違いで、同じ音楽を聴いていても心を揺さぶられるポイントがまったく違ってくるからだ。

僕はメロディを作ることに最大の価値を感じているのだけれど、音楽の要素はメロディだけではない。しかも、メロディに感じる、という人も、いいメロディ、つまらないメロディがそれぞれ違うわけで、普遍の価値が見出しにくい。

20代の頃に出会ったアメリカ人ギタリストは「汚い音楽が好きだ」と言って、ノイズと不協和音の塊みたいな楽曲を聴かせてくれた。
僕が自分のでもテープを聴かせると「Great! 完全な音楽、という気がする」と答えた。しかし、「汚い音楽が好き」な彼にとっては、きれいなメロディの音楽なんて価値がないものかもしれない。

メッセージをくれたこの男性にしても、僕とは違う感動をしているかもしれない。
音楽だけではないが、創作の世界で作り手がとことん孤独なのは仕方がない。

井津先生の遺言でもある「一人に向かって」「志を忘れずに」やり続ける。それしかない。

ちなみにこの男性は、タヌパックの通販CDを唯一海外から注文してきた人だった。
ありがたいなあ、と思って、裏に「Thank you!」とだけ書いたカードを入れたのだが、そのことは記憶にない。

彼が送ってきた画像↑を見ると、秩父の狼の写真だなあ……全然記憶にない……(^^;;

こうしてケースに入れて大切に持っていてくれたなんて……。こちらこそ、ありがとう! だ。

……では、返礼に……

千亜紀バージョンの『ありがとう』 これもずっと長い間HDDの中に眠っていて、最近掘り起こした




■介護・死に方■  このテーマでの次の日記は⇒こちら




狛犬図鑑01 日光のはじめ狛犬たち
あなたの知らない日光がここにある! 山奥にひっそりいる幻のはじめ狛犬なども網羅。ご案内は⇒こちらから


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これはあなたが聴いたことのない種類の音楽かもしれない!
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「福島問題」の本質とは何か?


『3.11後を生きるきみたちへ 福島からのメッセージ』(岩波ジュニア新書 240ページ)
『裸のフクシマ』以後、さらに混迷を深めていった福島から、若い世代へ向けての渾身の伝言。
複数の中学校・高校が入試問題(国語長文読解)に採用。大人にこそ読んでほしい!

第1章 あの日何が起きたのか
第2章 日本は放射能汚染国家になった
第3章 壊されたコミュニティ
第4章 原子力の正体
第5章 放射能より怖いもの
第6章 エネルギー問題の嘘と真実
第7章 3・11後の日本を生きる

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裸のフクシマ  『裸のフクシマ 原発30km圏内で暮らす』(講談社 単行本352ページ)
ニュースでは語られないフクシマの真実を、原発25kmの自宅からの目で収集・発信。驚愕の事実、メディアが語ろうとしない現実的提言が満載。

第1章 「いちエフ」では実際に何が起きていたのか?
第2章 国も住民も認めたくない放射能汚染の現実
第3章 「フクシマ丸裸作戦」が始まった
第4章 「奇跡の村」川内村の人間模様
第5章 裸のフクシマ
かなり長いあとがき 『マリアの父親』と鐸木三郎兵衛

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