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のぼみ~日記2016

2016/03/31

春は来たけれど


今日で3月も終わり。毎年4月にも雪が降ったりすることが一度くらいあるけれど、今年はなさそうだな。
例の「しゅくだい」ではないけれど、今春はいろいろ頭が痛いこと、やらなきゃいけないんだけれどなかなか手をつけられないことがいっぱいある。
皮切りは車検。
昨年夏の雹で愛車307がボコボコになり、保険では全損査定された。全損保険金を受け取り、しばらくボコボコのまま乗っていたが、そのままだと車両保険がつけられないし、ネットで見ると、愛車は11万キロ/15年。それより5万キロ、5年若い(5万キロ台、10年落ち)307SW特別仕様車が30万円台で売られていたりする。しかも特別仕様車だから新車価格は100万円くらい高い。見に行って2台目の307SWが当たりっぽいので、買い換えた。全損保険金は63万円出ていたのでお釣りが来た。
車検が今年3月までだったので、そこまで乗って、今回の車検で不安な箇所をきっちり直しておこうと、今回初めて車検をプジョー専門店へ出した。
持ち込んだところ、いろいろ問題が見つかった。
ひとつはエンジンの横からオイル漏れがあるという。その原因を調べるためにはエンジンのヘッドカバーを外さないといけないが、そのヘッドカバーがそもそも歪みが出ているのを無理矢理液体ガスケット(接着剤みたいなもの?)で固めてつけてあるので、外せばもう戻せないから新品のヘッドカバーに交換するしかない。そのカバーが3万円くらいするという。もちろん作業料もどれくらいになるかは、文字通り「蓋を開けてみないと分からない」。どうしますか、というので、この際、覚悟を決めてやってもらうことに。
その他、こちらからリクエストしたタイミングベルト交換やもろもろのフィルター交換などなどで、交換部品代の合計だけで10万円を超えてしまった。
それでも、やっぱりちゃんと見てもらったのはいいことだったし、スッキリした。

で、これはまだいいのだが、もうひとつは家の屋根。
いわゆるスレート瓦(コロニアル、カラーベストなどともいう)なので、15年くらいが寿命の目安。その後は10年ごとくらいに塗っていくか、いっそガルバリウム鋼板を上から葺いてしまって死ぬまで屋根のことは忘れるか……。
これは車の修理どころではない。桁が違う。急勾配の上にかなり広い面積の屋根なので、足場を組んだりなんだかんだで相当かかる。
屋根の面積は142㎡あるという。ひょえ~。
頭が痛い。

こういうのって、あと自分が何年生きるのか、死ぬまでに金が足りるのか……という計算になる。仕事はなくなるし、身体は弱るし、でも、放っておけば屋根は確実に劣化して雨漏り……なんてことになるとさらに金がかかってしまうわけで……。
家にしても車にしても、あるいはネコどものことにしても、これが人生最後の○○だろう……という思いがある。寂しいけれど、冷徹に計算して決めていくしかないのよね。


オオカミ池のアカガエルの卵。まだこんな感じ



方舟の卵。なんか発育不全の卵核が多い気がする



新しいいけ「ヘ池」には卵は産みつけられていない。3匹入れたメダカは全員無事に越冬して泳いでいる。アメンボもきている



屋根問題はしばらく悩みの種。ここは壁のサイディングも割れているなあ。足場組んだときに自分で直そう


屋根のことを少し勉強してみたが、再塗装を重ねていくと瓦の重なり部分に塗料が入って雨水が下に抜けなくなり、屋根の裏側がしけってかえって雨漏りの原因になることがあるそうだ。
それを防ぐためにスレート瓦1枚1枚の重なり部分を剥がしていく「縁切り」という作業が必要になる。それが大変なので、いい加減な業者だとただ上から塗っておしまいにしてしまうらしい。
ご近所では、家主が自分で屋根に登って塗装するというケースが複数あるのだが、みんな素人だから縁切りのことは知らない。2度、3度と塗り重ねていくうちに問題が出てくるかもしれない。


全体にノロが出て、塗料は剥げて表面はかなり劣化している



塗装するとしたら、高圧洗浄してからじゃないと無理だが、洗浄したら古い塗料は全部剥がれて真っ白になるだろうと塗装屋さんに言われた。それなら金がかかっても上から被せたほうが……でも高いし……



ご近所の家の屋根1。瓦風のスレート? 2年くらい前にハウスメーカーの勧めで壁と屋根を全面塗装していた



ご近所の家の屋根2。ガルバ鋼板だろう。やっぱりこのほうが安心できる



ご近所の家の屋根3。ここは別荘で、もう何年も事実上空き家。家主は板金塗装屋さんなのでかつては3回くらい自分で塗っていたとのことだが、そのご主人も2年くらい前に亡くなって、今はメンテする人はいない。「縁切り」をしていない感じに見える。大丈夫なのかな



これは愛車の天井。3枚のスライド天井で、電動式で開閉するのだが、内張がボロボロになって落ちてきて、それを直そうとしていたら天井板のジョイントが割れてしまい、閉まらなく(開かなく)なってしまった。何日も格闘して、なんとかここまで自分で直した。
内張を全部剥がして、レザーシートを貼って、壊れたジョイント部品の代わりに金具を曲げて代わりのジョイントを自作して取り付けて(写真左下のちょこっと余計なものが見えている部分)……死ぬほど大変だった。今も、何かの拍子にジョイントが外れて天井が開きっぱなしになるので、怖くてあまり開閉できない。

きれいだった車がこうしてどんどん問題が表面化し、直すのにすごいエネルギーが必要で、それでもだましだまし直して……自分の身体も同じだから、今はこの程度の問題を抱えている状態がむしろ気が楽かな。
「物」の完成度や美醜にこだわりすぎると疲れるからね。残された時間はどんどん減っていくのだから、やるべきこと、やる価値のあることに集中することが大切だろう。そのための最低限の環境(「物」も含めて)を確保する……そういう闘いだなあ。

タヌパック百合丘の想い出

塗装といえば、タヌパック百合丘では、屋根はガルバ鋼板の被せ工事で50万かかって、ベランダや鉄梯子やカーポート下のH鋼骨組みなどの塗装は自分でやった。あれも大変だったなあ。若かったなあ。
そのときの日記が⇒こちら
2004年1月となっている。今から12年前。干支がちょうど一回り前だ。
その年は自分で塗装した他、屋根工事もして、あ~、大変だったと思ったところで、秋に中越地震。一瞬にしてタヌパック越後が崩壊したのだった。



タヌパック越後の想い出


中越地震で滅茶苦茶になったタヌパック越後(2004年11月6日)



頑張って家を直すと、作業が終わったところで災害に遭遇してすべて失う……ということを何度か繰り返している。
越後の家は12年かけてコツコツ自分でも大工仕事をして直し、最後は屋根もセラミック瓦に吹き替え、防雪車庫も作ったところで中越地震が来てすべて失った
川内村のタヌパック阿武隈も、大工の愛ちゃんと一緒に天井張りをして、ウッドデッキも作って……完成したら3.11が来た。
そんなこともあって、大きな工事をすると天変地異が襲ってくる……というジンクスのようなものがある。嫌だなあ。

「未来への手紙」的な日記

「未来への手紙」というのがある。
何年か後の自分に宛てて手紙を書く。その日が来ると昔の自分から手紙が届くという趣向。
WEB日記をつけはじめて20年になる(びっくりPONや)。
おそらくいちばん古い日記は⇒これ
1996年10月となっている。人生のどん底だった時期だ。
翌1997年の日記の冒頭はこうなっている。
1997年1月15日
 遅ればせながら、あけましておめでとうございます。
 去年は「本厄」(数えで42歳)とかで、確かに細かな災厄が続発しました。
 なぜか物が壊れる。タヌパックスタジオ越後は大雪で屋根が壊れ、ついでに屋根瓦そのものがもう寿命だとのことで平成の大改修工事。そういえば、越後のトイレも割れてしまったのだった。
 その後もクルマ(数回)、パソコン、スタジオ機器などが壊れ続け、台風の際には本宅の屋根も飛ばされ(それに数週間気づかなかったというのも凄いが)、ついでに身体のほうも慢性蕁麻疹に悩まされ、生まれて初めて薬の常用者となり……。

 そんな年が明けて、さあ今年こそはすっきりと頑張ろうと思っていたのに、年明けと共に今度は帯状疱疹(たいじょうほうしん)というやっかいな病気になってしまいました。蕁麻疹よりずっと怖い。
 診断され、次に病院を訪れると休診日。仕方なく帰ろうとするとクルマが突然エンコ。冷え込む中、ボンネットを開けて格闘すること小一時間。トヨタの営業マンが駆けつけてくれたのですが、メカニック歴10年の彼にも「こんなのは初めて」の症状だったようで、クルマはそのまま放置。
 どうも、後厄の今年のほうがずっとひどいスタートです。テニスもできず、原稿も進まず、悶々とした新年を迎えています。みなさまもどうぞ身体だけは大切にしてやってください……って、なんだか林家三平みたいなご挨拶になってしまいましたが、今年もタヌパックスタジオをどうぞよろしく。


日記をつけていると、一種の「未来への手紙」のような感覚をときどき味わえるのだね。
例えば⇒この日記は1999年10月4日付けで、東海村JCO事故の後に書いている。
報道が錯綜していたこともあり、今読み返すとトンチンカンな記述もいくつか見られるが、ドキッとするようなことも書いている。
今後、大規模放射能漏れ事故が起きたときはどうするか。
一刻も早く、風上に逃げる──これしかないらしいです。ただ、そう言ってしまったらパニックになりますから、絶対に報道では言いません。家の中から出ないでくださいと言うだけです。
(略)
 半径10キロとかなんとか言ってましたが、もし核爆発が起きて放射能がばらまかれたとしたら、風下の10キロと風上の10キロでは全然違います。また、無風状態ではまた違ってくるし、爆発が起きて放射能が上空に飛び散ったかどうかでも違ってきます。
 
 自衛隊が出動しても、放射能を止めることなどもちろんできません。できるのはパニックに陥った市民が暴徒と化すのを鎮圧することです。島国である日本国内に戦車があって意味をなすのは、こういう場合しか考えられません。

 まあ、どう対処したところで、ダメなときはダメですね。


11年後、まさにその通りになった。
この国は、失敗から学習しない国なのだね。
2004年の中越地震の後に書いた日記では、最後にこんなことを主張している。
逆転の発想で復興を

今後のことでは、被災者の生き甲斐、生きる気力をいかに持続させられるかということが最大の課題ではないだろうか。
いくつか、前向き思考を試みてみる。
隣接する長野県、福島県、群馬県などには、過疎に悩む村や、有効活用されていない土地もあるはずだ。
少なくともこの冬は、被災者たちは住み慣れた村を捨てなければならない。雪解けしてからも、つぶれた家を片づけ、村を立て直すには気の遠くなるような時間と労力、お金が必要だろう。それまで、似たような環境(過疎と老齢化、農業後継者不足)の周辺地域と交流し、生活を支え合うようなネットワーク作りができないものだろうか。
(略)
山間の村も、ブロードバンド環境さえあれば、IT村、学者村、芸術村などとして生まれ変わることが十分可能だろう。安くて広い土地があり、日本の真ん中に位置しているから、ネットショップの拠点にも向いている。小千谷や川口町は今回の被災で全国に名前を知られることになった。被災に負けず、逆に利用しよう。
もともと過疎と老齢化に悩んでいた地域なのだから、今回の災難をバネにして、村の若返りをはかろう。
今は本当に大変で、こんなことを書いても相手にされないとは思うが、何年か後、前よりも魅力を増して生まれ変わっている越後があることを、切に信じたい。


↑これも、「フクシマ」の後、同じことを書いている。本当に皮肉だ。





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