昨日鹿沼に行った帰り道、ふとカースタジアムを見たら、ん？　車が１台も停まっていない。工場のシャッターも閉まっているし事務所も閉まっている。幟もない。
木曜は営業日だから開いているはず。そもそも車が１台もないなんてありえない。もしや……。

家に戻ってから電話してみたら、「お客様のおかけになった電話は現在……」
さらにネットで検索したら、倒産の記事が出てきた。
負債額は約２億５千万円。4月27日に事業停止とある。
ケータイの履歴を見たら、4月24日に電話でやりとりしている。プジョーのウィンドウォッシャー液が漏れる件で、応急処置ではやはり止まらないようだから、部品を調べていくらかかるか教えてくれ、という内容だった。
連休になり、その後、液漏れが止まったのでそのままにしていたのだが、電話が来ないのは変だなあと思っていたところだった。
24日の電話ではなんにも言っていなかった。というか、「じゃあ、部品を調べて連絡します」という話だった。その3日後に事業停止？　もしかすると従業員も知らなかったのではないか？
みんなどうしたんだろう。いい人たちだったのに、茫然自失なんじゃないだろうか。
これもみんな安倍のせいだよな。
クラウンじゃ嫌だレクサスにしろ。納車が間に合わないならそれまでレクサスをレンタルだとかほざいている大臣がこの国の現在・未来を深刻な顔して語るような政権が続く限り、こうした中小企業や個人商店の倒産は続くだろう。

カースタジアムは本当にいいお店で、どれだけ助かったか分からない。とにかく安い。必要なことしかやらないのがよかった。あれもどうですか、これもやりましょう、などと向こうから言ってくることはない。車検の費用も驚くほど安かった。
最後になったウォッシャー液漏れの応急処置も、1080円（税込）しか取らなかった。結果的にはそれで今のところ止まっている。
安いアジアンタイヤを通販で買って直接カースタジアムに送りつけ、後から車を持ち込んで取り付けだけやってもらうとか、同じく通販で高性能オイルを安価で購入して持ち込んで交換してもらうなんてことも、嫌な顔ひとつせずに応じてくれた。（ほんと、うちは嫌な客だっただろうな……）
プジョーが突然動かなくなったときもトレーラーでやってきて運んでくれて、多分、ここがおかしいと思うからこの部品を発注して交換してくれと言えば、その通りにやってくれて、最小限の出費で元通りになった。

自動車整備工場と医療関係（病院、獣医さん）は、いいところが見つけるのがとても大変だ。
百合丘にいたときは、獣医さんで苦労した。最終的には麻生獣医科という名医に行き着いたのだが、それまでに何軒回っただろうか。
歯科医、内科医もなかなかいいところが見つからない。いいところは混むしね。
その点、日光に来てからは、カースタジアムととちの木動物病院という満点に近いのが見つかって、とてもラッキーだった。その安心感の一角が消えてしまったショックは大きい。

来月はもうX-90の車検なので、代わりのお店を探さないと……。
ネットで検索して、いくつか候補を挙げて、行ってみたことのない店は場所と雰囲気を確認しに回ってみる。
最初に行ってみた某修理屋さんは、人がいなかった。BGMにアッパラパーな和製ロックが流れていて（それは別に全然OKなのだが）、シャコタンの、いかにも……な車が何台も並んでいた。これはやめといたほうがいいかな……と、そのままUターンした。

このへんには、営業しているのかいないのか分からないような自動車修理屋と美容院がやたらといっぱいある。
農家の庭先に看板があって、ちょっと覗くといかにも車好きのあんちゃんが所有していますみたいなシャコタンとか羽根のついたような車が数台停まっていて……みたいなのが、散歩道の途中にもいっぱいある。
美容室もしかりで、農家の軒先にプレハブ小屋が建っていてお洒落な店名がついていたり、アパートの一階とか住宅街の中の普通の家とか、そういう感じのところ。
こういう個人がやっているところは概して料金が高い。
探しているのは、普通の「町の修理屋さん」的なところなのだが、そういうのが意外と少ない気がする。

庶民が普通に生活していく上で必要な商業インフラがどんどん脅かされている。
円安と増税、物価高でコストがかさむ一方だが、値上げすれば顧客が離れるので、値上げできない。 となると、人件費を切り詰めなくちゃいけない。従業員の給料をどんどん下げるわけにもいかず、経営者が借金をしまくる……という構図。これだけ痛めつけられていても、選挙になれば相も変わらず「日頃お世話になっている○○センセイに一票入れないと」と、投票所に足を運び、その一票が集まって現政権が持続する。
○○センセイに恩義を感じていない若い層は投票に行かない。「入れたいやつがいないから」と。それが自分の首を絞めることになると理解していない。
救いがない世の中だわ。