メガソーラー建設ラッシュ

yossyの新居にまで散歩に出た。この前見つけた最短ルートを通っていく。荒れた杉林の横を川が流れていて、その向こう側に湿地になっている場所があるのだが、杉が邪魔して気温が上がらないから、カエルには今ひとつ不向きかもしれない。
yossyは留守だったので、一本奥の道を戻る。その道も川沿いの道で、川底がコンクリートで固められていないため、魚がたくさん泳いでいる。
このへんは流水域はまだそこそこ残されているのだが、止水域がほとんどなくなってしまったため、カエルやイモリなど、止水域がないと生存していけない生物が地域絶滅の危機に直面している。

このところ散歩に出るたびにメガソーラー建設現場に出くわす。うちのすぐそばでも始まっているし、ここでも。去年から今年にかけて出くわしたものだけでも10か所くらいある。
ここはかなり大規模。もうもうと土煙を上げてユンボが整地中。

日光に来て3年4か月が過ぎた。
今の家を買うにあたって、不動産屋の若い営業マンに「このへん、大型風力発電所建設計画はないですよね？」と訊いた。真面目なその社員はわざわざ役場に問い合わせてくれて、「ないそうです」と答えた。
確かに巨大風車は建っていない。しかし、その分、メガソーラー建設ラッシュがすごい。

多分、メガソーラー建設は、ここだけではなく、今、全国でさかんに行われているだろう。

2015年度に、再生可能エネルギーの買い取り費用として家庭や企業が負担する金額が１兆円の大台を超える見込みであることがわかった。
（電気新聞　2015年3月19日）

なぜこんなことになったか……。
勉強不足で、利権上手なやり手富豪たちに手玉にとられた民主党政権の罪が大きい。

菅直人元首相は2011年8月、参院選敗北を機に民主党内部からも噴出した首相退陣論に、退陣条件として再生可能エネルギー固定買取制度を飲ませ特措法を成立させ、野田佳彦氏に首相の座を譲った。

「しかしこの時、成立させた買い取り制度のkWh単価額を、欧米の1.5倍から倍と異常に高い額に設定してしまった。そのため絶対儲かると踏んだ多数の事業者が初期投資の安い太陽光発電に殺到。今や地方にいけば空地のいたるところ太陽光パネルが張りめぐらされている。そのため電力会社が買い取る額が年々、倍々ゲーム的に膨らんでいるのです」（電力会社関係者）
（DMMニュース「一般家庭で年間5000円の負担増…4月以降の電気代高騰で家計を圧迫か」田村建雄）

再生エネの国民負担金は標準家庭（月使用料300キロ・ワット時）で12年度は月87円、13年度は同120円、14年度は同225円、そして今年15年度は同474円で、年間に換算で5688円、対前年比約3000円も増加する。

「本来原油価格が下落しているので、値下がりする筈が逆に値上がりになってしまう。中小企業では電気代が数十万円アップになるようなところも続出。値上がりしたコストは製造業だったら小売価格に転嫁され、各家庭は自分の家庭の電気代のアップ、消費税アップ、それに電気代の物価転嫁価格の三重苦に苦しめられることになる」（ファイナンシャル・プランナー）
（同上）

政府の固定価格買い取り制度は、電力会社が太陽光などの再生エネを高い価格で買い取り、かかる費用をすべての電力利用者の料金に「賦課金」として上乗せする仕組みで、2012年7月に始まった。
　しかし政府の計画が甘く、最も簡単に導入できる太陽光発電に最も高い価格を設定したため、想定を超える事業者が参入。今年4月からの買い取り価格は29円（事業用）に下げるが、過去の高い価格で買い取ってもらう契約を結んだ発電事業者が発電を始めるため上乗せ額は増える。
（東京新聞　2015年3月20日 朝刊）

始まった2012年度には平均的な家庭で年間1044円だったのが、今年度は5688円と5倍以上になっている。
高額な補助金をつけたり優遇措置をとらないと成立しないものというのは、それだけエネルギーを使っているということを意味している。根本的なところで勘違いしたままの人が多すぎる。
今の日本の送受電網では、天候に左右される不安定な電力を受け入れる余裕がないから、風力や太陽光発電の量が増えれば増えるほど、それが突然途絶えたときにバックアップするコントロール可能な電力（一般的には火力）を増やさなければならない。それによって化石燃料の浪費が進む。
これはすでに欧米で深刻になってきている既知の問題なのに、日本はそれを教訓とせず、原発のときと同じように、最初に利権構造を作り上げ、あとは嘘とデタラメ政策で突っ走る。いつまでも税金にたかる連中の思うがまま。

菅直人という政治家は、僕らが学生時代からずっと希望の星だった。彼が首相になれるような時代が来たら日本は変わるかもしれないと思っていた。
その期待が大きかっただけに、不勉強ぶり、能天気ぶり、瞞されやすい体質、指揮官としての器の小ささを露呈していったことに対する失望も大きい。
「やっぱり民主党じゃダメじゃん」と国民に思わせたことは、利権屋たちにとって最大の援護射撃になった。皮肉なものだ。

練習時のカラオケ再生用にこんなの買ってみた。中古で1万円ちょっと。アマゾンで。
今まではテレビ（Regza）に入れっぱなしのSDカードからカラオケMP3を再生して練習していたのだが、それだとテレビを見ながら再生できない。テレビ見ながら、カラオケ再生して練習するために、小さなパワードスピーカーがほしいなあ、と思っていたところに、これを見つけて、いろいろ評判を読んだ後にポチしてしまった。
筒状で厚みは10cmもない。これだと台所のカウンターとその下に置いたキャビネットの隙間（12cmくらい）に入れておけるのでいいな、と。しかも満充電で12時間駆動だっていうし。
で、期待していたのだが、なんというか、音がパツンパツンで、ゆとりがない。割れたような音質。低音ががさつで中高音は艶がない。「作られた音」感がすごい。
でもまあ、練習用のカラオケ鳴らすだけなら十分使える。
iPod touchに入れたMP3のカラオケデータをBluetoothで飛ばしてこれで再生しながら練習。ワイヤレスなので邪魔にならないのがいい。

今の若い子たちは、本格的なオーディオ装置のない環境で音楽を聴いて育っている子が多いのだろうな。だから、こんなのでも「すげ～音いいじゃん！」って言うのだろう。そりゃまあ、iPhoneの内蔵スピーカーから出すのとは比べものにならないだろうけどさ。ちょっと寂しい。

ケチって製造終了の旧モデルの中古を買ったのだが、今は後継機種の2になっている。デザインがすっきりしていてお洒落だし、この大きさ、重さで、12時間も電池が持つというのは素晴らしい。