のぼみ~日記 2015

2015/02/03

傷の手当て

阿武隈の家と土地を手放すために何往復もして後片づけやら契約やらを終わらせたが、1つだけ処理しなければならないことが残っていた。往復している際に突然フロントガラスに小石がぶつかったらしく、ひびが入ってしまった。
以前にも同じことがあってフロントガラスの交換した。ガラス代だけで10万円くらいする。
これは痛い。
しかし、修理しないわけにもいかない。いつもお世話になっている例幣使街道沿いのカースタジアムへ。
ついでに細かな傷がついて濁ってしまっているヘッドライトカバーの研磨も依頼。これ、他の店では「2万円くらい」と言われたことがあるのだが、なんとカースタジアムでは2つで2000円+税という安さ。それでどれだけクリアに戻るのだろう。2000円ならやってみたいと前から思っていたのでいい機会だ。


預けた代わりに借りてきた代車は15年前のホンダライフ


ライフで帰り道、JA直売所に寄る。いつも売り切れになっているみとやの饅頭、まだ残っていて嬉しい
これも含めて「お勧めの日光自分土産」というページを作った


夕方、復活の沢の点検へ。まだ日陰では雪が残っていてガリガリ凍結している。怖い

2015/02/05

首相の狂気と大衆の狂気 どちらが怖い?

「罪を償わせる」と公言した安倍首相の末期的危険さ と題した天木直人氏の文章(2015年2月4日)。
日本という国が、もはや常軌を逸したイスラム国に対し、戦争をはじめるべきかどうかという歴史的な瀬戸際に、この国の首相が個人的感情に任せて言動することほど、危険で愚かなことはない。

 おそらく多くの人は、天木氏とまったく同じことを感じている。ところが、それよりはるかに多い人たちが、安倍首相の危険性についてあまりにも無頓着で関心を寄せようとしない。
もし、この国の政治家や、官僚や、メディアや、有識者が、安倍首相に逆らうことをおそれて、あるいは保身という低俗な利害から、安倍首相の末期的な暴走を誰一人として止めることができないなら、間違いなく日本は道を踏み誤る。あの戦争前夜の軍国主義の暴走を止められなかった時とまったく同じだ。

 いまの日本の深刻な状況は、いくら警鐘を鳴らしても、鳴らし過ぎることはない。安倍首相の危険性と異常さは末期的であり、それを制止できない日本は危機的である。
……まさにその通りなのだが、国民が総力戦で彼の狂気を止めなければいけないときに、狂気に加担しているメディアのほうが多いという恐怖。
首相の首はすげかえられるだろうが、国民の狂気や無神経は簡単には変わらない。

BSスカパー! で平日の昼間、11.55~15.00の3時間、『news ザップ』という無料生放送をやっている。
今日(2月5日)はMCが元NHKアナウンサーの神田愛花、担当キャスターがアーサー・ビナード、ゲストは岩上安身という強力なメンバーだった。
岩上氏は、関東大震災時の朝鮮人虐殺事件を引き起こしたデマ報道のもとを流したのは正力松太郎で、今のアジアの隣国蔑視ヘイトスピーチの源流は福沢諭吉だ、などなど、地上波ならありえない発言を連発。もうちょっとていねいに慎重にいこうよ、と、こちらが心配するほど飛ばしている。
番組の最後には「不適切な表現がありましたことをお詫びいたします」というテロップも出た。
番組や放送局自体がつぶされたら元も子もない。表現の仕方には細心の注意を払わないと……。


しかし、関東大震災での朝鮮人虐殺という歴史をテレビメディアで発言したことで、「なにそれ?」とネットで検索し始めた若い人たちもいたに違いない。
そうだなあ、今こそあの歴史をしっかり刻んでおかないと。

関東大震災における朝鮮人虐殺――なぜ流言は広まり、虐殺に繋がっていったのか   (加藤直樹×山田昭次×荻上チキ)
 ↑これなどは一読して、認識を新たにしておきたい。
「朝鮮人虐殺はなかった」はなぜデタラメか   −関東大震災時の朝鮮人虐殺を否定するネット上の流言を検証する−
 もよくまとまっている。

あのとき、警察や軍隊以上に狂暴な行動を起こしたのは一般民衆だった。
情報操作、洗脳、恐怖心から来る妄想や思い込み、村八分を恐れる心理、人間の心に潜む潜在的な残虐性……そうしたものが重なり合って噴出する瞬間がある。これは今の時代でも変わらない。

何十人っていう人たちがいっぺんに殺されて、しかも警察署を襲って殺したりしている例が多いんですね。

そういう時は、地域の人々が集団で襲っていますから、実際には誰が殺したのかははっきりしないわけですよ。そうすると結局、事件後に捕まった人というのは、独身者だったりして、捕まっても大丈夫そうな人を地域共同体の中で選んで差し出していたようです。

つまり実際に殺した人が捕まって裁判を受けたというよりは、「みんなの代表として」という例が多かったみたいですね。逮捕された人たちもそういう意識ですし、帰ってきた人たちも自分たちの地域のために頑張ってくれたと迎えたわけです。
↑普通の人たち、毎日顔を合わせて挨拶を交わし、味噌醤油を貸し借りしているような人たちが、流言飛語に惑わされて警察署を襲撃し、何の罪もない人びとを次々に殺す……なんてことはありえない、と、多くの人たちは思う。それこそデマじゃないか、と。
しかしこれは実際に起きた。しかもひとつふたつではなく、関東周辺でいっぺんに起きた。

今だから言うが、実は2011年3月12日の午後、テレビで原発が爆発するシーンを見て村を出たとき、まさにこうした状況を思い浮かべた。
この村は人が少なく、食糧もある。今は電気も通じているから暴動は起きない。でも、東京に向かったら、すでに暴動が起きているのではないか。たどり着くまでに、パニックになった人たちに襲われるのではないか……。
サバイバルな日々が始まる……という覚悟をした。
実際には拍子抜けするほど静かだったのだが。

しかし、これから先、何が起きるか分からない。普段はおとなしい「いい人」たちが暴徒と化すことがあるかもしれない。
世の中の空気はどんどんおかしくなっている。
おかしくなっていることに気づかない、気づこうとしない、考えようとしない人たちが多ければ多いほど、何か起きたときのパニックの度合も大きいだろう。心の準備ができていないのだから。

朝鮮の人が井戸に毒を投げ入れたから、水は一切飲んではいけないと言われたのは、この日(9月3日)です。
朝鮮人が襲撃してくる、警戒のために男たちは全員出てくれ、どこからともなく言ってきて、父も狩り出されました。いわゆる「自警団」です。
(略)
あとで、すべてはデマだとわかりましたが、そのどさくさでは確かめようもなくて、こうして朝鮮人狩りが始まっていったのです。
朝鮮人を1人つかまえたといって音楽学校のそばにあった交番のあたりで、男たちは、手に手に棒切れをつかんで、その朝鮮の男を叩き殺したのです。
わたしはわけがわからないうえ恐怖でふるえながら、それを見ていました。
小柄なその朝鮮人はすぐにぐったりしました。
大震災のあとに起きたこうした事件のかずかずは、これに遭遇した人のいろんな本に、それぞれの体験として書かれていますが、それは火や激震そのものよりもずっと恐ろしく、ぞっとする人間のドラマだったと思うのです。
清川虹子 『恋して泣いて芝居して』主婦の友社、1983年)

もうひとつ、
時代の正体(22)歴史と向き合う 関東大震災朝鮮人虐殺(上)震災作文が問う「反省」(神奈川新聞 2014.09.09)

震災当時小学生だった子供たちが書いた「震災作文」600編あまりを読んだ結果、「暴動はデマだったという事実が子どもに伝えられていない。迫害を反省し、朝鮮人に心を寄せている作文は(読んだ600編のうち)一つしかなかった」と気づいた元中学教師・後藤周(あまね)さん(65)の話。

『朝鮮人だ』『鮮人が攻めて来た』といふ声が、とぎれとぎれに聞こえた。あまりの驚に、どうきは急に高くなった。(中略)きん骨たくましい男の方達はそれぞれ竹を切って棒にしたり鉢まきをしたりと用意に急しくなった。(中略)萬一の用意にと女子供までも短い棒をもった。
 (南吉田第二小6年)
さっき逃げたところへ行くとおまわりさんが『朝鮮人が刃物をもってくるから、来たら殺してください』と言って来ました。
 (南吉田第二小6年)
中村橋の所へ行くと大勢居るから行って見ると鮮人がぶたれて居た。こんどは川の中へ投げ込んだ。すると浴いだ日本人がどんどん追いかけて来て両岸から一人づつ飛込んでとび口で頭をつっとしたら、とうとう死んでしまった。其れから、家へかへって見た。すると鮮人がころされて居るといふので見に行ったら頭に十箇所ぐらい切られて居た。又くびの所が一寸ぐらいで落ちる。
 (南吉田第二小6年)

「被爆者が当時のことをつづれば、二度と繰り返してはいけないという切実な願いがにじむ。震災作文にはそれがない。大人が伝えていないからだ。子どもの無自覚は、大人の無自覚でもある」
という元中学教師の言葉。
これは重い。

当時12歳だった小学6年生が徴兵年齢の20歳になるのは震災8年後の1931年。この年、満州事変が起き、1年生が20歳になる6年後の37年、日中戦争は始まった。
「アジアの隣人を思い込みで殺してしまったことへの反省なきまま、侵略戦争に駆り出され、あるいは担った世代といえる」

西区の久保山墓地に建つ殉難朝鮮人慰霊之碑。
 裏面には「昭和四十九年九月一日、少年の日に目撃した一市民建之」と刻まれる。震災時、小学2年生だった石橋大司が50年後、私財を投じて建立した。避難する途中で目にした、電柱に後ろ手に縛られて殺されていた朝鮮人の姿に贖罪(しょくざい)の念を抱き続けていた。

心を寄せていた子どもがここにもいた-。

40人の参加者を前に穏やかな後藤の口調がにわかに強くなった。

「その反省の気持ちが歴史とともに消されようとしている」

無視して伝えないどころか、「殺害された者はテロリストだから殺されても仕方がない」などというとんでもない主張を展開する本が大手新聞社から出版される今の日本。
それにのせられる若者が毎日増えていき、ネット上で攻撃的な言葉を吐き続ける今の日本。
こうした空気こそが、今の時代を生きていく上で最大最悪の恐怖だろう。







のぼみ~日記は、動画も含めて、主にオリンパスのXZ-10とStylus1で撮っています
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