のぼみ~日記 2015

2015/02/01

雪が残る風景


雪が溶けない。陽があたっている場所でもまだ少し残っている。それで、月に照らされて、夜中はこんな風景に。


夜が明けてもこんな感じ


オオカミ池もこんな感じ


ネコはこんな感じ


そしてまた夜になってこんな感じ

2015/02/02

自分の持ち場で頑張る、ということ


全豪オープンテニスが終わった。
日本では錦織圭が準々決勝で負けた時点で報道も静かになってしまったが、その後の試合がみんなものすごかった。
決勝はジョコビッチとマレーになったが、スコアからは想像できない接戦だったし、内容も濃かった。
その生中継が終わったとき、実況していたWOWOWの鍋島昭茂アナの締めの言葉が印象に残った。
「視聴者の皆様、2週間ご覧いただき本当にありがとうございました。WOWOWのグランドスラム中継は、またチーム一丸となって、これからもすべての選手に愛情を持って伝えていきます

こんな時だから、この「すべての選手に愛情を持って伝えていく」という部分がすごく心に残った。
日本人だけピックアップして、何かを誇張したり、何かを隠したりはしない。この世界に生きているすべての人たちに愛情を持って伝えていく、対処していく……その心を、報道に携わる人たちは特に忘れてはいけないよね。
鍋島アナのことを個人的に知っているわけではないが、テニスのことをよく勉強しているし、解説者とのコンビネーションもとてもよかった。さすが、WOWOWのテニス中継はNHKとは違う。歴史がある、といつも感心しているのだが、この一言で、ああ、一人一人が自分の持ち場でどれだけ「伝えたい」という気持ちを強く持っているか、ということにかかっているのだなと思った。
組織の中で働く人たちは、いろいろな制約や軋轢のもとに言動する。上から理不尽なことを命じられることも多々ある。
でも、そんな中でも、精一杯自分ができること、持ち場で、主張することはできる。それをしなくなり、ただただ歯車として動くようになったら、仕事のやり甲斐が大きく失われるだろうし、その人と接する人たちにとっても魅力のないやりとりになる。

今、日本では、テレビをつければ連日、「イスラム国」が日本人人質を殺害したニュースをやっている。
そういうときだからこそ、僕は鍋島アナの「すべての選手に愛情を持って」という短いフレーズに反応したのだと思う。
中東情勢を主に扱うフリージャーナリスト・土井敏邦氏がこんなことを言っている
 世界各地で起こっているさまざまな惨事(人間の殺傷、飢えなど)を伝えるのに、“日本人がらみ”でないとメディアが詳細に伝えない、また国民がその“痛み”を想像できないとすれば、問われているのは、日本人の“国際感覚”なのかもしれない。
私は“国際人”とは外国語とりわけ欧米の言語や文化に精通するだけの人だと思わない。文化も言語も、生活スタイルも、思想信条も違う遠い国の人たち(欧米だけではない)のことを、“自分と同じ人間”だと感じとる“感性”と“想像力”を持ちえる人のことを指すのだと私は思っている。
もちろん人は自分の生活、その周辺、せいぜい自国の問題で精一杯で、遠い国の人たちのことを想像する余裕も機会もないだろう。だからこそ、後藤健二さんのようなジャーナリストたちが現場へ行き、そこで生き苦しんでいる現地の人たちのことを報道するのだ。そこでジャーナリストたちが伝えようとするのは、「ほら、あなたと同じ人間がこういう状況に置かれているんですよ」ということであり、現地からの報告によって、日本人に、“同じ人間”としての感性、想像力を呼び起すための素材を差し出しているのである。
つまりジャーナリストが伝えようとしているのは「事件」そのものに留まらず、“そこで生きる人間たち”なのである

元の文章はそこそこの長文で、論点が複数出てくるのですぐに全部を理解するのが困難かもしれないが、ぜひていねいに読んで、彼の言いたいことをくみ取ってみたい。

テニスからいきなり中東での人質殺害報道に話を移すのは強引だと言う人もいるだろう。
であれば、僕が言いたいことをひとつだけ絞れば、

想像力を働かせ、他人の立場や気持ちを思いやれ

ということだ。
すべてはそこから始まる。

こんなにすごいプレーをするためにこの選手は日頃どれだけ練習をしているのだろう。それを続けられる精神をどうやって培っているのだろう。肉体が衰えていく恐さとどうやって向き合っているのだろう。次のポイントを失えば一気に劣勢になるというこの瞬間、彼の肉体はきれいに反射するのだろうか……。
テニスの試合を見ているだけでもいろいろなことを想像する。単に日本人選手が勝った負けたで一喜一憂しているだけでは、超一流のプレイをしている彼らに失礼だし、せっかくの中継がもったいない。
同じように、戦場となっている地に思いをはせるときも、そこで暮らしている人たちのこと、なぜこんな事態になってしまったのかということ、裏で動いている巨額の金や権力のこと、それを知るため、知らせるために向かうジャーナリストやカメラマンの胸中……あらゆることを想像し、少しでも問題の本質に近づこうとする気持ちを持たなければならない。

報道の世界では、視聴者や読者の好奇心を刺激し、怒りや同情を引き出すことを第一に考えて情報や映像、コメントを編集・加工する。
それを見たり聞いたり読んだりした人たちがすぐに「とんでもない話だ!」「なんてひどいことだ」「かわいそうに!」「むごたらしい!」「許せない!」といった反応をすればするほど、報道したコンテンツが次々に効率よく、大量に消費される。消費されることが目的となった報道ほど危険なものはない。
「消費が意図された報道」にのせられているだけだと、本来はよりよい世界を作るための有効手段である「情報化時代」が、逆に世界を破滅させる刃にもなりかねない。








のぼみ~日記は、動画も含めて、主にオリンパスのXZ-10とStylus1で撮っています
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のぼみ~日記の写真は主にオリンパスXZ-10で、他にオリンパスStylus1、ソニー NEX-5R+SONY 50mm/F1.8 OSSなどでも撮っています


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