のぼみ~日記 2015

2015/01/12

片付け月間 その2


10日の川内村往復の疲れがまだの凝っていて、朝なかなか起きられなかった。11時にクロネコに起こされた。
Amazonに頼んであった蒲団袋が届く。これを持って明日行くつもりだったのだが、早めに届いたし、外を見るとよく晴れていて暖かい。いっそ今日行くか……と決めて、急遽川内村に一人で向かう。

いつもは矢板北PAで飯を食うのだが、今日は一気に阿武隈PAまで行った。阿武隈PAは上り線ではよく白河ラーメンを食うのだが、下り線はほとんど利用したことがない。
トラックがいっぱい停まっているので、ここがうまいことはプロドライバーが知っている。
実際、メニューも充実していて、味もよかった。
頼んだのは肉玉丼610円。安いわりにスタミナがつく。チューブ入りのおろしニンニクをぶっかけて食った。今日は一人なので臭いを気にする必要もないしね。

高速道路で飯を食うなら、SAよりPAがお勧めだ。特にトラックがいっぱい停まっているPAはハズレが少ない。SAは観光客目当てに作られているから、地道に味のよい飯を食わせる努力がない。チェーン店が入っていることが多いので、コスト計算だけで作っているようなメニューになりがち。
矢板北PAが以前はよかったのだが、きれいに改装されてからはメニューがどんどん魅力を失っている。実際、お昼時でも停まっている商用車が少なくなった気がする。その分みんな阿武隈PAまで行くのかもしれない。



日光は晴れていたのに、阿武隈はところどころに雪が積もっていて誤算だった。気温は零下3度くらい。凍結している道を慎重に走るため、小野ICを下りてからがいつもより時間がかかった。
家の前もこんな景色に↑
しかも風がすごい。ときどき地吹雪になって周囲が真っ白になる。
そんな中、一人黙々と荷物の片付けとゴミ処分作業。
最初に、村のコンビニに行って指定ゴミ袋を買ってきた。ごみステーションに4往復。
立つ鳥跡を濁さず、といきたいのだが、なにせものすごい量の荷物。
やってもやっても、まだ母屋は片付かない。スタジオはようやく空になった。
物置も、ほとんどがゴミだったのでせっせと捨てたが、使えるものや買ったまま使っていないものがいっぱい残っていて、そういうのはそのままにした。塗装用のはけとか補修用の防水セメントとか、田舎暮らしでは必要なものばかりだから。

まっ暗になってから帰路につく。

また紅四季で食うか……と思ったが、ガッチリ食うだけの元気も出ず、阿武隈PA上り線まで行き、あっさりと白河ラーメンを食った。
ここのラーメンはそこそこいける。高速道のラーメンとしては、佐野SAのラーメンより安定しているかもしれない。縮れ麺がつるつるしこしこでうまい。もうちょっと腰があれば言うことなしだが、そこまで求めるのは酷だろう。このラーメンよりひどいラーメンを出すラーメン専門店はいっぱいあるのだから。チャーシューもとろっとろで美味。
阿武隈PAは上下線、どちらもお勧めだ。

とろとろのチャーシューが入った白河醤油ラーメン。550円


麺がよくできている

それにしても、百合丘に続き川内村の家も手放すことになるとは……。
百合丘の長屋と川内村の家は、死ぬまで保持するつもりだった。百合丘の長屋は東京で仕事をするときのベース基地&録音スタジオ、倉庫として。川内村の家は死ぬときのために……。森に見守られ、沢の音を聞きながら死にたいと思っていた。

それが、3.11後、どちらも手放すことになってしまった。
単純に、維持できない。そんな甲斐性はない。
本当なら、なんでこんなことになるのだ、と恨み節なのだが、不思議と、極寒の中の片付け作業でヘトヘトになりながらも、日光の家に戻り、風呂に入って、酒呑んで寝るあたりで、得も言われぬ幸福感に包まれる。

なんだかんだ言っても生きているじゃないか……。
万の単位で人が死んだ天変地異でも死ななかった。こんなにひどい世の中になっても、生きている。
支えてくれる人がいる。
助けてくれる人がいる。
なんて幸せなことだろうか……と。
しかも、これからやりたいことがまだいくらかあるし、それが、頑張ればできるかもしれない、という程度の自由が残されている。
こんなにひどい世の中なのに。まだつぶされていない。

川内村から去って行った友人の一人が「もう長くないと思うと、幸せじゃない?」って言った。
とことんひどくなる前に死ねると思えば、幸せに思える、と言うのだ。
皮肉だけれど、本音でもあるだろうな。
それだけだったら後の世代に対して無責任かもしれないけれど。
世の中は自分ひとりでは動かない。僕だって精一杯やっている。やっているけれど、世の中は滅亡に向かう。止められない。
流れが止まらないことに対してはもう諦めるしかないと思うようになった。

内田樹氏も言っているように、

私たちの国はいま「滅びる」方向に向かっている。
国が滅びることまでは望んでいないが、国民資源を個人資産に付け替えることに夢中な人たちが国政の決定機構に蟠踞している以上、彼らがこのまま国を支配し続ける以上、この先わが国が「栄える」可能性はない。
多くの国民がそれを拱手傍観しているのは、彼らもまた無意識のうちに「こんな国、一度滅びてしまえばいい」と思っているからである。

もちろん、僕自身は死ぬまでこの流れを変えたいと願い、そのために自分でできることはするけれど、全体としてはとことんダメになるまで、間違った道を突っ走るだろう。

今はそんな時代なのだ。
そんなひどい時代にあっても、今はまだ完全にはつぶされていない。少しずつだけど、やりたかったことを実現している。
そう思うと、至福の感情に包まれる。
不思議なことだが、本当に幸せを感じるひとときがあるのだ。

「社会的に」とか、そういうのはもうどうでもいいのかもしれない。
今から売れて、認められて、金が儲かって……とか、そういうのはもういい。だって、「売れる」っていうのが、この「ダメな世の中で売れる」ということなのだから。
売れるとか儲かるというのは、社会と密接にリンクしている。社会が欲しているから売れるのであり、金を出す。その「社会」の質が、正確には「今の時代の質」が、僕は嫌いなのだ。嫌いなものから認められなくてもいい。それに、生きている時間はもう長くはない。
自分の中での評価がどうか。どこまで達成できて死ねるか。
自分でできる範囲のことに集中したい。

日光に来て、今までは面倒でしょうがなかった「人との関係」に幸福を見つけられそうな気がしている。これってすごいことだと思う。
こんな世の中なのに、こんな社会なのに、嬉しい人間関係が生まれていく。そのことにとても感謝したいし、幸せを感じている。


2015/01/13


昨日の雪道走行で泥だらけになった


荷物を降ろすのも一苦労

今日のオマケ

この動画を見て、勇気が湧いてくる人は多いはず。こんな風に生きていけばいいのだな、と。





のぼみ~日記は主にオリンパスのXZ-10とStylus1で撮っています
XZ-10はすでに生産終了。もうすぐ新品での購入が難しくなります


『Digital Wabi-Sabi  ─As Easy As EWI』 『Digital Wabi-Sabi ─As Easy As EWI』

Tanupackから久々の新譜! これはあなたが聴いたことのない種類の音楽かもしれない!
「メロディの価値」にとことんこだわり、手段としてはデジタルを使う。これが「デジタル・ワビサビ」だ
iTunesで!    アマゾンで!    moraで!




更新が分かるように、最新更新情報をこちらの更新記録ページに極力置くようにしました●⇒最新更新情報



一つ前の日記へ一つ前へ |     Kindle Booksbooks      たくきの音楽(MP3)music      目次へ目次      takuki.com homeHOME           | 次の日記へ次の日記へ

たくき よしみつのアルバム MP3ダウンロード
たくき よしみつ のアルバム (MP3ダウンロード)
クリックした先で試聴できます



オリンパスXZ-10
のぼみ~日記の写真は主にオリンパスXZ-10で、他にオリンパスStylus1、ソニー NEX-5R+SONY 50mm/F1.8 OSSなどでも撮っています


アマゾンKindleでたくきの過去の作品がほぼすべて読めます⇒Go!

音楽アルバム『ABUKUMA』

iTunesストアで試聴する 『ABUKUMA』(全11曲)
7年間過ごした阿武隈に捧げる自選曲集。全曲リマスター。一部リミックス。新録音『カムナの調合』弾き語りバージョンも収録。
アマゾンMP3、iTunesストア、キメラなどから販売中。

⇒こちらからどうぞ
⇒ライナーノートはこちら



「福島問題」の本質とは何か?


『3.11後を生きるきみたちへ 福島からのメッセージ』(岩波ジュニア新書 240ページ)
『裸のフクシマ』以後、さらに混迷を深めていった福島から、若い世代へ向けての渾身の伝言

第1章 あの日何が起きたのか
第2章 日本は放射能汚染国家になった
第3章 壊されたコミュニティ
第4章 原子力の正体
第5章 放射能より怖いもの
第6章 エネルギー問題の嘘と真実
第7章 3・11後の日本を生きる

今すぐご注文できます 
アマゾンコムで注文で買う
⇒立ち読み版はこちら
裸のフクシマ  『裸のフクシマ 原発30km圏内で暮らす』(講談社 単行本352ページ)
ニュースでは語られないフクシマの真実を、原発25kmの自宅からの目で収集・発信。驚愕の事実、メディアが語ろうとしない現実的提言が満載。

第1章 「いちエフ」では実際に何が起きていたのか?
第2章 国も住民も認めたくない放射能汚染の現実
第3章 「フクシマ丸裸作戦」が始まった
第4章 「奇跡の村」川内村の人間模様
第5章 裸のフクシマ
かなり長いあとがき 『マリアの父親』と鐸木三郎兵衛

今すぐご注文できます 
アマゾンコムで注文で買う
⇒立ち読み版はこちら




↑タヌパックの音楽CDはこの場で無料試聴できます
Flash未対応ブラウザで、↑ここが見えていない場合はこちらへ


ガバサク流が推すデジカメ オリンパスXZ-10 Stylus1 パナソニックLX7、ソニー NEX-5R

詳しくは⇒こちら

たくき よしみつの本 出版リストと購入先へのリンク  デジカメと写真撮影術のことならここへ! ガバサク道場


HOMEへ 狛犬ネット入口目次へ






ドメインの空きをチェック!! 狙い目ドメインの空きをチェックドメインの空きをチェック!!
     

.COドメインが人気! ドメインゲットコム   タヌパックスタジオ本館   ギターデュオKAMUNA   あぶくま狛犬札所60番巡り   日本に巨大風車はいらない 風力発電事業という詐欺と暴力
Google
abukuma.us を検索 tanupack.com を検索