近津神社の狛犬は、3.11後に「発見」された。
……と書くとなんだか埋もれていたのを発掘したみたいだが、要するに地元の狛犬好きな人たちでさえ、ここに和平作の飛び獅子があることに全然気づかなかったのだ。
和平の狛犬を追い続けている吉田さんも、狛犬イベントを企画し続けてきた牽引役の神宮寺ご住職・高久さんも気づかなかった。
皮肉なことに、3.11後、各神社の被害状況を確認して回っていたときに見つけたのだという。
これだけの大作が地元の狛犬ウォッチャーたちに気づかれずにいたなんてちょっと信じられないが、実際そうなのだ。
2011年3月25日 高久住職からのメール↓
いかがお過ごしですか。まだまだ終息が見えない状況で、原発のニュースにくぎ付けになっています。
こんな時に、不謹慎かも知れませんが、大発見のニュースをお知らせします。地区内の石像を見て回った結果、鹿島神社はご覧いただいた通りでありますが、坂本の観音様の馬の石像も大きな破損が見られました。
その時のことでありますが、白河市東上野出島反町の近津神社の狛犬が小林和平の作であることがわかりました。
昭和十二年の作であり、三頭の子獅子を引き連れた、見事なものであります。
住職の興奮ぶりが伝わってくるメールだった。
すぐに吉田さんに知らせたところ、吉田さんもすぐに飛んでいって報告してくれた。
鳥居、灯篭など全部倒伏し3つくらいに損壊してますから。狛犬の基礎は平積みですが、しっかりしています。さすがです。
そんなわけで、僕も、吉田さんも、高久住職も、この狛犬を初めて確認したときにはすでに阿像が倒れていて、顔も拝めなかった。
だから、なにがなんでも見ておかなければならない。