月の続き

この時点では、すごい写真が撮れたのでは？　と期待したのだが、そうでもなかった。残念。

家に着く前、田んぼの前で夕焼けポイントに遭遇。林の間から見えるスポットに停まって、しばし撮影。
狙いは颱風で水浸しになった田んぼ（刈り取った後）に写っている夕焼けの赤。

右側に黄色い葉っぱで覆われた畑があって、その黄色も素敵なのだが、このシーンでは黄色を入れようとすると夕焼けの赤と陰のコントラストがふにゃにゃけてしまうし、視点も散って中途半端な写真になってしまうため、すっぱり諦めて夕焼けの赤に絞ったほうがいい。

こういう写真はStylus1が得意とするところみたいだ。

Stylus1は高級コンパクトカメラの中ではいちばん使いやすく、あらゆるシーンにそこそこ対応してくれる万能選手的存在だ。
画質を追求するのであれば、フォーサーズサイズのCMOSを積んだパナソニックLX100というのがあるが、10万円くらいする。
で、LX100は広角24～望遠75mmだから、望遠端に不満が出る。広角から標準画角での作画に徹するなら最高に使いやすい道具になるだろうが、外に持って出た場合は、遠くの野鳥や屋根の木鼻や鬼瓦などを見つけても涙を呑むことになる。

フォーサーズの撮像素子くらいになると、広域ズームレンズは巨大なものにならざるを得ない。それなら、フォーサーズやAPS-Cサイズのミラーレスを買って、レンズ交換で対応したほうがいいんじゃないかという考え方もできる。
コンパクト機は、価格的にも上限は4万円くらいが「買ってみよう」と思う限界じゃないだろうか。貧乏人には買えないコンパクト機って、どうなのよ……と。

Stylus1を2日使ってみて、惜しい点は……

• グリップが甘い。どうせでかいのだから、レンズが飛び出しているあたりまでグリップの深さを作ってやればよかった
• シャッター速度最高1/2000秒はいいとして、絞りがF8までというのは足りない
• 電池挿入蓋のラッチが薄くてきつい
• ファンクションボタン、電源ボタンの大きさ、位置が使いづらい
• 望遠端での写りがいまひとつきれいじゃない（というか、汚い）

しかし、どれも決定的な欠点とまでは言えない。EVFの出来のよさ、マニュアルフォーカスのしやすさ、可変角度液晶とEVFによる撮影姿勢の圧倒的柔軟性など、他のモデルではなかなかない長所がいっぱいある。この価格帯、万能用途のカメラとしてはやっぱり一推しかなあ。