2014/07/30

映画『狛犬の棲む里』完成   芸術とは何か? アーティストとは何か?


桂俊太郎監督から、ドキュメンタリー映画『狛犬の棲む里』が完成したとDVDが送られてきた。
発表の仕方はこれから考える、とのこと。
見てみた。
小松利平・小松寅吉・小林和平と続いた南福島の石工物語。拙著『神の鑿』をベースにしている。
内容について、桂監督といくつかメールで意見交換した。
その内容がかなり面白かった。
利平・寅吉・和平はアーティストなのか? 彼らはアートをめざしていたのか? といった話。
監督は「違う」と言い、僕は「彼らのアーティストエゴ、アート作品を生み出そうとする欲求こそがテーマとしてふさわしい」という見解。
そうした意見交換ができるきっかけになったこの映画、とにかく多くの人が見てくれるといいのだが。


タイトルはこうなった


利平が高遠藩を脱藩して福貴作にひっそり棲みつくところからの物語


利平が高遠から持って来た位牌


地元の石工さんへのインタビューなど、なかなかいい取材内容


利平がなぜ福貴作を選んだのかという謎の解明。福貴作石の存在


僕は利平作だと睨んでいる八槻都々古別神社の狛犬


和平の古殿神社の狛犬も、もちろん出てくる


『神の鑿』は今でもときどき注文が来る。

初版から数えると第6版。思いきって1000部刷ったのだが、すでに半分くらいははけてしまった。
こんなことなら無理をしてでもオールカラーにすればよかったと後悔している。
今でも、彼らの作品や生涯については、新発見があったり、考えさせられるテーマが出てきたりする。

音楽もそうだけれど、とにかく何かを表現する、創作するという人生は孤独だな。

今日のオマケ


環境省が、栃木県の塩谷町にある国有林を伐採して、照射性物質を含む指定廃棄物の永久処分場にしたいと言いだした。
その場所は、環境省自らが制定した「名水100選」の尚仁沢から4キロ。豊月平牧場から2キロ 日光市境界線から2キロの所にある。
*2014年7月30日(水)午後5時37分~、CRT栃木放送「記者リポート」から。

3年前の福島第1原発の事故で発生した栃木県内にある指定廃棄物。放射性物質を含むごみ焼却灰や稲わら、下水汚泥などの廃棄物のことですが、この最終処分場問題できょう、大きな動きがありました。

環境省は、最終処分場の候補地を選定する前の詳細な調査をする候補地として塩谷町を決めました。環境省の井上信治副大臣が塩谷町を訪れ、見形和久町長にきょう、直接伝えました。

詳細調査を実施する候補地として、県内では塩谷町と矢板市の合わせて5カ所が候補に挙がり、その中で
①生活空間との近接状況
②水源との近接状況
③自然度
④指定廃棄物の保管状況
……の4つの評価項目で点数をつけた結果、塩谷町の寺島入地区にある3ヘクタールの国有地が選ばれたということです。

塩谷町役場前の駐車場には、きょうの報道を見て駆けつけた100人以上の町民が集まり、井上副大臣と見形町長が面談をしている間中「絶対反対」「子どもを守れ」「自然を守れ」「町民と話し合いを持ってください」などと抗議の声を挙げ、さらに、面談を終えて帰ろうとする井上副大臣の車を囲み、騒然とした雰囲気でした。

町民に話を聞きますと、「風評被害が心配」「農産物が売れなくなる」という声が聴かれ、50代の農業の男性は「6次産業を目指し、これから法人を作ってやっていこうとした矢先だった。ハウス栽培の農作物が出荷直前なのに、夢も希望もなくなる」と肩を落としていました。

宇都宮市に本社がある農業関係の会社からは、けさ、「塩谷町から撤退するしかない」という電話があったということで、すでに風評被害が出始めています。

指定廃棄物の最終処分場の建設問題では、おととしの9月に矢板市が候補地になり、矢板市を挙げての反対運動が起きたことは、記憶に新しいところです。

塩谷町の町民からは「町の財政が苦しいので、交付金を目当てに誘致したのでは」という町長に対する不信感を口にする人もいました。

井上副大臣との面談を終えた見形町長は、集まった町民を前に「認めるわけにはいかない。明確に反対をさせていただいた。高原山の自然を守る会の会長もしている。みなさんのご協力をいただいて反対運動を頑張っていきたい」と力強く宣言しました。

あす、石原環境大臣も出席して5回目の指定廃棄物処理促進市町村長会議が開かれ、県内の市長、町長に今回の選定結果について報告がされる予定になっています。

//環境省は指定廃棄物の量が多い宮城、茨城、栃木、群馬、千葉の5つの県にそれぞれ1カ所ずつ最終処分場を建設する方針で、候補地の選定を進めている。//
↑そもそもこれがふざけている。なぜ、汚染の薄い山の中、水源地にわざわざ持ち込んで「分散」させるのか。

日本の水脈
上の図は日本の地下水流域シミュレーションモデルという図(地圏環境テクノロジー社
日本列島を生かしている血液である地下水脈の心臓部とも言える場所に、わざわざ放射性物質を集めて運び、埋めるというのだ。そのセンス!!

環境省というのは何をやる役所なのか?
環境を守るための役所ではなかったらしい。国交省や経産省、土建産業のサポート機関なのか?

霞が関や永田町のビル(完全な冷暖房コントロール付き)で数字や書類を眺めていたり、票読みとコネ作りに明け暮れる人たちは、この世界の深淵を覗く心、神への畏怖、あるいは宇宙空間から地球を見て生命科学の本質を把握する知性が欠けている。
そういう欠陥人間の組織に治世を委ねることの怖ろしさと虚しさ。

塩谷町が日光市の一部だったら、少しは違っていたのかな……とも思う。
世界遺産のある日光、日本を代表する霊峰を抱え、海外にも知られる観光地、歴史的土地 Nikko に放射性ゴミを集めて永久に置いておくとは何事か……という世論を多少は形成できるかもしれない。
名が知られていない、自然が残っている美しい土地ほど狙われる。

日光市には、「日光」というブランドをもっと積極的にうちだし、最大の安全保障のツールとして使ってほしい。日光仮面(知らないでしょうが、日光市の公式キャラクター)は何と闘い、何を守るのか。
霞が関や永田町のビル(完全な冷暖房コントロール付き)で数字や書類を眺めるだけで重要なことを決めてしまったり、票読みとコネ作りに明け暮れる人たちは、この世界の深淵を覗く心、神への畏怖、あるいは宇宙空間から地球を見て生命科学の本質を把握する知性が欠けている。
そういう欠陥人間の組織の邪悪な暴力と詐欺行為から日光ブランドを守るための日光仮面ではないのか? ただのゆるキャラなら、くまモンには到底かなわないのだから、せめてメッセージを発してほしいね。

国や県のご機嫌を伺うのではなく、「日光は聖地です」「日光は日本人の魂を大切にし、神から与えられた豊かな自然の恵みと共存する生き方を提唱していきます」「それを破壊するような邪悪な力から、断固この地を守り抜きます」みたいな宣言を自ら出す。その精神をさまざまな形で発信する。
今の日光市はそのことの重要性に気づいていないように思う。





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