2014/07/11の2

三光神社

そのままもう少し脚を伸ばして、近所の三光神社の狛犬に会いに。
先日の体験から、今まで訪ねている神社にも、もしかしたら社殿の奥に秘蔵?されている小さな狛犬があるのではないかと、ここも改めて社殿をしっかり覗いてみた。その場を見られたら絶対に不審者だと思われるだろうなあ。

ここにはないみたいだ。
多分、以前にもこうして覗いているはず。でも、チェックしたかどうか忘れている。

鬣がかなり削り込まれていて、風になびいている?感じ。阿像に見えるが、実は吽像


こっちの阿像と比べて、初めて口元が開いていてもあっちは吽なのだと分かる


昭和5年建立の個性のある江戸獅子タイプ


尾は横ではなく背中側に流している


なかなかよく彫れている狛犬だ

栖克神社


そのまましろやまの中の林道を抜けて板橋方面に


板橋交差点そばの栖克神社も再チェック。鳥居は享保年間


文化15年は1818年


ここの狛犬も個性的な顔


なんか変なのは、歯が上だけあるからかな。下の歯は消滅したのか最初から彫らなかったのか……


吽像は唇の皺が面白い表現


大正12年(1923)。石工名も同じ福田常吉だった。自分で彫って自分で奉納している


文久2(1862)年の燈籠


境内の稲荷社。この狐は福田末吉さんの奉納。常吉さんの子息か?


いい顔


いまひとつ読み取れない



ここも、社殿内をチェックし忘れているのかもしれないと思ってぐるっと一回りして中を覗いてみたが、いなかった。
やっぱり、前に来たときにちゃんと覗いていると思う。そんな気がする。いてもよさそうな雰囲気なんだが。

ところで、今、フェイスブックの「狛犬さがし隊」では、岐阜県のはじめ狛犬の名品が報告ラッシュになっていて、毎日驚かされている。
よくまあ、こんなにたくさん集中しているものだと。
その中には前脚の根元に「走り毛」を刻んだものが多い。これは越前禿型に見られる特徴だ。
越前では寛文年間前後に、地元で採れる笏谷石という柔らかくて青みがかった石を使った神殿狛犬を量産していた。
それらは北前船に乗せられて全国に売られていったのだが、特徴はおかっぱ頭のように見える頭部と紐状の尾。そして走り毛。
この「走り毛」というのは岡崎の石工・綱川潔さんに教えてもらったのだが、どこまで一般化している言葉なのかはよく分からない。

人知を越えたスピードで山野を駆けるためのアイテム、ということで、小さな翼を脚の付け根にあしらっているようなのだが、「走り毛」「走毛」「小翼」など、呼称はいまひとつ定まっていない感じだ。
龍の身体などに描かれる火炎模様にも通じるのかもしれないが、脚の付け根に1つだけ、炎というよりは翼として描かれているので、飛ぶためというよりは高速で駆ける(勢い余って空も駆けるかもしれないが)アイテムと解釈したほうが自然だ。
多分、彫っている石工たちの解釈もそんな感じだったのではないだろうか。
狛犬を見るときには、この走り毛の有無も確かめると面白い。「左右で阿吽」「獅子・狛犬で別の生き物」「獅子は角なし、狛犬は角あり」「走り毛がある」「頭はおかっぱ」などなど、初期の狛犬には、石工にいくつかの情報が伝わって、石工はそれぞれに、乏しい情報に基づきながら自らの想像力を膨らませたり、近隣のすでに作られている狛犬をコピーしたりして彫ったはずなのだ。
どんな情報がいつ頃伝わっていたのか、どういう情報が続いてどういう情報は消えていったのか、などが少しずつ見えてくる。
例えば、平安・鎌倉時代の神殿狛犬には宝珠型はまずない。頭に宝珠をのせるというのは江戸時代に誰かが「発明」して、それを真似る石工が続いたことでひとつの型になった。
明治以降は消えていく。角も、江戸エリアではかなり早い時期から徐々に消えていく。
走り毛もそう。越前禿型にはあるので、いつ頃から消えていったのか、興味深い。

栖克神社のこの狛犬は、だいぶすり減ってはいるが、目を凝らすと、小さな走り毛が刻まれているように見える。

栖克神社の狛犬にもかすかに走り毛らしきものが……


これは青森県弘前市、弘前八幡の越前禿型(寛文7=1667年)に刻まれた「走り毛」。後ろ脚にもある





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