2014/05/06

Mikeとミツバチ


予定が急遽変更になり、アメリカからMikeという30代の研究者が日光まで来ることになった。
MikeはToko監督とサントス教授が行ったミシガン大学のイベント(制作中の映画の紹介や「フクシマ」の実像、マスメディアと情報共有の問題などなどがテーマだったそうだ)に参加し、僕からのメッセージ(日本語で書いたものをToko監督が翻訳。サントス教授が代読)に感じ入り「今度、日本に行くので、そのときにこの人(=僕)に会えないか」とToko監督に直訴してきたという、熱いハート?のイタリア系アメリカ人。
当初はわざわざ僕に会うためだけに、川俣町ロケの後、福島市内の会食に参加するという話だったのだが、僕の運転するショートボディハッチバックに大人四人と楽器2台、アンプ、撮影機材を積むのは無理じゃないかと気がつき、そこから予定が急遽変わってしまったのだった。

僕と話をするためだけにわざわざ福島まで来てもらうのは申し訳ないと、僕は当初から思っていて、どうせなら川俣町ロケにも同行してもらったら……と考えていたのだが。
で、Mikeに意向を確かめると、6日に僕に会うために日光まで来るという。
彼の専攻は美術だそうだが(後で知った)、興味は地域の食文化、自立できる農業、そして特にミツバチのことを研究しているらしくて、福島でも、養蜂場はないかと訊いてきていたらしい。
僕もネットで調べたが、これ! というものは見つからなかった。
養蜂は普通に各農家で副業あるいは自家消費用くらいの規模で広くやっているはずだが、Mikeの興味がどういう養蜂の形態にあるのか、また、生物学的に研究しているのか、養蜂業というビジネス、あるいは農的な人間の営みの一環として興味を持っているということなのか、全然分からない。
もちろん、会ったことはないし、直接メールやフェイスブックでのやりとりもしていない。まったく想像がつかない。

しかし、わざわざ日光まで僕に会いに来るというのだから、時間を有効に過ごしてもらいたいと思い、前日夜まで、日光周辺に養蜂場はないか、といったことを調べていた。
鹿沼に黒田養蜂場というのがあるらしいと分かったが、見学できるのかどうか分からない。連休中だし、明日の話だから、とにかく行ってみるしかない。

で、ようやくMikeとメールで連絡が取れた。
やりとりしていると、「Threshold の予告編で、あなたがマサイさんと一緒に演奏しているのを見たけれど、マサイさんが近所の人なら会えないか。彼は一人で自然農をやっているようだから、とても興味がある」と言ってきた。
マサイさんとは先日会ったばかりだが、まさかまたMikeを連れて獏原人村に行くわけにもいかないので、日光周辺で、有機農業、自立した農業に取り組んでいる農場などがないだろうかとネットで調べたところ、『俺たちの米』という、元気のよさそうな青年がヒットした。
住所を見ると、黒田養蜂場からも遠くない。同じ鹿沼市内だ。
そこで、駄目元でメールを入れてみた。
寝る前に返信があり、明日はいると思うからどうぞ、とのこと。
というわけで、Mikeには鹿沼駅に来てもらい、黒田養蜂場と「俺たちの米」の廣田健二さんの農場に案内することになった。
いやはや、数時間のうちに、急展開。

上の写真は、鹿沼駅に迎えに行って数分後、昼飯を……ということで、支那そば麺坊にて。Mikeはチャーシュー麺を注文。

黒田養蜂場。完璧に観光スポット化していてびっくり。こんなところがあったのね


今日はレストランと売店をさばくだけでいっぱいいっぱい、ということで、見える範囲を勝手に……


おお~、この巣箱はアメリカのとは全然違う形だ! と興奮するMike


スズメバチの死骸? これにも興奮していた


道からすぐの原っぱにある巣箱周辺では、ミツバチが飛んでいた


写真だと分からないけれど、ミツバチが飛んでいるのよね




幸い、社長と少し話ができた。
社長は養蜂一筋の人。後継者の息子さんはビジネスとしてどう展開するかに力を入れているようで、タイプが違うらしい。でも、とりあえずは後継者問題はクリアできている。
アメリカでは、ミツバチの大量死(化学薬品、農薬が影響していると考えられているらしい)や後継者がいなくなるという深刻な問題があり、このままでは養蜂業が消えてしまうという。
そんな日米養蜂業事情みたいな話をしばし、僕の拙い、かつ端折りすぎの通訳でやっていた。

「すごい! こんな体験ができるなんて!! You are my hero.」
……と、Mikeはすでに興奮しまくり。
ハチのことはなんだか分からないが、とにかく満足してもらえたようでよかった。

さて、では次! 廣田農場へ向かいましょうぞ。


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