2013/11/29の1

山木屋太鼓の練習風景(1)

『スレッショルド:福島のつぶやき』。
福島取材第一陣はいわきから始まり、南相馬で小高第一中学のブラスバンド部の撮影までが終わり、今日から僕も合流。
南相馬の取材を終えたTokoさんはバスで川俣町へ移動。僕は日光から車で川俣町へ移動して合流。
山木屋太鼓の練習風景を撮影するのが目的だが、練習は夜6時半から。バスが3時に到着なので、3時に合流した後、明るいうちに練習場所がどんなところにあるのか見に行きましょうということで、小島(おじま)地区の旧JA支所へ。

山木屋地区が避難区域になっているため、今はもう閉鎖されているJA支所を借りて練習を続けている。
住宅も隣接しているため、大きな音を出すのはかなり気を遣う。閉めきって、壁に毛布をぶら下げて少しでも音が漏れないようにしながら練習していると言っていた。
ああ、こんな場所なのか……と見ていると、通りを挟んだ農地で軽トラックを留めて休憩しているおじさん発見。
挨拶していろいろ話をうかがった。
お孫さんのひとりがいわき市久ノ浜の幼稚園に通っていて、間一髪で津波に呑まれるところだったのを助かったとか、放射性物質がばらまかれたおかげで農業は当然大変なことになっているとか、山木屋太鼓の音がうるさいのではないかと心配していたが、生まれたばかりの赤ん坊が太鼓の音を子守歌代わりにすやすや寝付くようになったのでよかったとか、いろいろな話が出た。
外での会話だったからどんどん身体が冷えていく。
ともぞうさん、というそのおじさんが「そこに行けば何か飲めるんじゃないか」と教えてくれたので、隣の「おじまふるさと交流館」という公民館風の建物に移動。
自販機で温かい飲み物を買って、誰もいないロビーで休憩。
そこに管理人のかたが現れて、話が聞けた。
原発が爆発して避難命令が出た後、ここ川俣町にも浜側から多くの人たちが避難してきて、ピーク時はこの建物に1500人くらいが雑魚寝状態だったという。
「あのとき、放射性物質が入るというので、換気口に目張りを始める人もいた。その記録としてまだ剥がさずに残してある」というので、それを見せてもらった。




山木屋太鼓の看板がかかっていた


お隣の「おじまふるさと交流館」の図書室。換気口に目張りが残っていた


あのとき何が起きていたか覚えておくために敢えて剥がさないである、と管理人さん


励ましの寄せ書きが壁に


天井の換気口を撮るTokoさん


ロビーには各部屋の放射線量が表示されている

その後、一旦、町の中心部に戻って、スーパーの片隅、飲食コーナーで打ち合わせ。
すぐに時間が経ち、気がつくともう練習開始の時間。急いで小島に戻る。
太鼓を載せた車輌が着いたところで、みんなで太鼓を降ろしていた。どこかで演奏したままだったのだろう。
ちょっと手伝ったが、重いのなんの。一人で抱えると腰に来るわ~。

建物の中は冷え切っている。僕もTokoさんもダウンジャケットを着たまま。靴のまま入れないので困ったなあと思っていたら、入り口に古いスリッパが何足かあったのでちゃっかり拝借。それでも足下は冷える。
でも、驚いたことに素足のままの子供たちが何人もいる。
「冷たくないの?」と訊いたら「最初は冷たかったけど、慣れますよ」と平然とこたえる。

やがて一列に整列して礼。注意事項、伝達事項が伝えられ、準備運動が始まった。

準備運動から


裸足の子も多い
練習風景↑ 指導しているのは遠藤元気氏。青年チーム「山猿」と「鴉」の両方で活動していたが、山猿はメンバーが就職して活動が難しくなったために解散。今は「鴉」のリーダーを務める傍ら、年少チームの指導やソロ活動もしている。


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