2013/06/23

ゴロの命日


//6月23日、3回目のゴロちゃんの命日ですね。
今夜もサッカー番組はコンフェデ杯で盛り上がっていますが、
ゴロちゃんのことを思い出しました。
「ああ、ゴロちゃんはワールドカップ南アフリカ大会の最中に月に帰ったのだな」と。 //


……というメールを読者のかたからいただいた。
去年もゴロの命日に同じようなメールをいただいた。それで予定表に忘れないよう「ゴロ命日」と入れてあったのだが、昨夜はPCの電源を切らずに寝てしまったので、今日は起動せず、気がつかなかった。(PCの起動時に予定表ソフトも自動起動して、予定や記念日があると知らせてくれるようになっている)

//『Orca's Song -KAMURA3-』を聞きながらこのメールを書いています。
寝る前にハーブティーを飲みながらこのCDを通して聴くのが定番です。//


とも書いてあった。

井津先生がおっしゃっていた「対象の数が大事なのではない。一人に向かって、の精神で」という言葉を思い出す。
アラ還になっても、やはり「数」がほしいという欲は尽きない。
売れていればこんなに苦労していないのに、という煩悩というか、小人の悩みが消えることがない。
でも、やはり「一人に向かって」の精神が大切なのだろう。
音楽においては、だいぶ前からその「一人の聴衆」は自分自身になっている。

昨日などは、「数を欲しない」という精神がだいぶ板についてきたのか、昔ほど思い悩むことはなかった。
どんなときも、淡々と演奏できるようになりたい。
どうしても邪念が入ってしまうんだけどね。
計算と、自然体と、精神集中が三位一体となった演奏が理想だけど、ほど遠いなあ。

このかたのメールの中に、「源平(日光市の蕎麦屋)の記事を読んで、5月の連休のときにいわきの夫の実家を訪ねたときのことを思い出しました」という一節があった。

夫の実家でよく利用していたおいしいお蕎麦屋さんが海沿いにあったのだが、3.11で経営者夫妻が亡くなり、店舗建物がずっと空き家状態で残っていた。
そこが、改築されて海鮮料理屋になっていた。
そこでご飯を食べながらオーナーに話を聞いたところ、

「仙台で寿司屋を営んでいたが震災で借金して新築したばかりの店が全壊し母親も亡くした。
思い悩んだ末に夫婦で仙台を離れ、心機一転知らない土地で頑張ることにした」
「借金の保証人が兄弟なので迷惑を掛けられない。辛くても生きるために働くしかない」


……ということだったそうだ。

「菩提寺に墓の手入れに出向いても、いまだに墓石が倒れたままになっているお墓がたくさんあって心が痛みます」

とも書いてあった。

いわき市は本当に大変なことになっている。

5月24日の毎日新聞に「共生遮る誤解の連鎖」というタイトルでいわき市の現状についてかなり詳細な記事が載っている↓



昨年、いわき市の市役所や公民館など4か所の公共施設に「被災者帰れ」と黒いスプレーで大書された事件をきっかけに、福島県の中で前から起きていた「支援格差」「賠償不平等」問題について解説している記事。
これは2011年夏くらいから起きていたことで、今頃メディアが報じるのはあまりにも遅すぎるのだが、それでも、ようやくまともな「現地リポート」を載せ始めたのかな、とは思う。

こうした落書きが出現するほど、いわき市民と双葉避難民との軋轢は悪化の一途をたどっている。
こうした内容のメールが、市役所あてにも届いているという。

同じことは郡山市や福島市でも起きているのだが、いわき市は特に原発立地であった浜通り避難者の流入が多かったので、こうした軋轢がどんどん膨らんでいく。

いわきで被災して亡くなった蕎麦屋夫婦の店に、仙台で被災した人が入って借金を返すために必死で働いている。
その横では、「働かないでパチンコ三昧」を続ける「避難者」や、それを罵りたくても顔には出さず、ストレスをため続けるいわき市民もいる。

以前、あるイベント会場に呼ばれて講演をしたときに一緒に登壇したいわきから来た女性も、開口一番「賠償格差」に対する怒りをぶちまけていた。

『数字と確率で実感する「フクシマ」』にも書いたが、いわき市民はもしかすると双葉郡住民よりもヨウ素による初期被曝を受けているかもしれないが、そのせいで甲状腺癌をはじめとする病気になったと証明されることはないだろう。大きな不安を抱えながら生きていかなければならないいわき市の人たちに、もし、避難区域同様、ひとり毎月10万円の精神的損害賠償金を支払ったとしたら、年間で4000億円を超える。2年で8000億円。
双葉郡とは人口が桁違いに違うから、賠償金額も桁違いになる。
それは絶対に避けたいので、「いわき市は汚染されなかった」ことにしたい。実際、セシウムはそれほど降ってこなかったので、今では空間線量も土地の汚染度合も大したことはない。消えたヨウ素を確かめる証拠は残っていない。

こうした複雑な問題は、結局は沖縄の基地問題やかつての水俣のように「ローカルな問題」として、大多数の国民からは「気の毒だけれど、私には関係ない」と切り捨てられる。

いろんなことを思い出させられるゴロの命日。

ベランダでうだうだしているみ~ちゃん


おまえはラッキーだったねえ、ほんとに


知らん~

静かな日曜日。
オオカミ池では、アカガエルのオタマがほぼ全員変態を終えてあっちこっちに散って行った。
庭にもほとんど姿がなく、敷地の外に出て行こうとするやつが何匹かコンクリートの叩きの上をはねているだけ。


シュレの卵塊、ポツンとひとつだけ最後のやつも無事に孵化。池へ


カナヘビ。こないだみ~と鉢合わせしたやつかな。自分で切り落とした尻尾が再生し始めているようだ


下から、トウキョウダルマガエルのアーニー、ツッチー、ツッチー


↑ツチガエルを撮っていたら、小さくギエっという鳴き声が聞こえて、足下に何かがピュッと寄ってきた。
見るとヨリコだ。今日もこいつ、なぜか寄ってきたなあと思いながらカメラをヨリコに向けたら、小さな虫をパクリ。
池の中にはさっきバットから池に放したばかりのシュレのミニオタマが元気に泳いでいる(一瞬小さい白い点みたいに見えるやつがそう。大きく見えているオタマはまた別)
アーニーもなぜか近づいてきた。
結構見所満載の動画ですよ↑



尻尾が再生し始めているカナヘビ。なんかゴムの部品をくっつけたみたい


敷地から出ていこうとルートを探りながら跳ね回るアカガエルの子たち。変態直後よりもずいぶん丈夫になってきた印象





のぼみ~日記の写真はオリンパスXZ-10、フジフィルムXF1、X-S1 で撮っています

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