話は変わって、フェイスブックで「マリアの父親が2万1000円ではとても手が出せない。なんとか入手する方法はありませんか?」というメッセージが届いて、なんのことかと思ってアマゾンを見たら、本当に2万1000円をつけている業者さん?がいた。↓
一時、数千円をつけていたのは知っているのだが、万の単位になるとは……
うちには数冊まだありますので、
たぬ書房からどうぞ。
我が家にも完全に在庫切れ状態なのは『カムナの調合』など。これはいくら探しても1冊しか手元にないので手放せない。
ブクログでデジタル配信はしているのだが、やはり電子ブックはいつまで経ってもフォーマットが統一されないとか、アップル系では日本語のコンテンツそのものが足りないなどなど問題が多すぎて、こちらとしても現状では積極的に対応しようという気になれない。
で、『マリアの父親』だが、この「どうにか入手できませんか」と問い合わせをいただいたかたの言葉がきっかけとなって、数十年ぶりに読み返してみた。
数か月くらい前からだろうか、『マリアの父親』の阿武隈バージョンを書こうと思っていたのだが、まずは元の『マリアの父親』を読み直すことがどうしてもできないでいた。
目の前で小説以上のことが起きてしまって、今さらあのテーマでフィクションを書いてもなあ……という思いが強かった。
さらには、あの作品はすごく未熟な作品だった、という思いが頭の中で固定化されていて、読み返すのが辛いな。そんなわけで腰が重いまま、時間だけ過ぎていっていた。
で、ようやく意を決して(大袈裟だけど、本当にそんな感じ)、本を開いてみたら……。
予想に反して、あれよあれよと言う間に読了。内容を半分以上忘れているので、他人の作品を読んでいるような気分で読めた。
確かに未熟なのかもしれないが、じゃあ、今の自分はもっと成熟した小説を書けるのかと言えば、まったく自信がない。未熟なままでも、エネルギーが込められていたこの作品。これはこれであまりいじらずに残しておくべきではないのかという気持ちが強くなった。
それで、まずはこれを最小限直してデジタル化しようと思い立ち、作業を始めているところ。
最初から打っていくのと、OCRを使うのとどちらがいいのか、ちょっと迷ったが、OCRを使うことにした。
現在、半分弱のあたりまできたところ。
この作業が完成したら、これを『新・マリアの父親』として、ネットで読めるようにして、同時に版元を捜したい。
集英社が文庫化してくれるといちばんいいのだが、難しいだろうなあ。
それにしても、「小説すばる新人賞」受賞作で文庫化されなかったものって、他にどのくらいあるのだろう。
ネット上では有名なガンダーセン氏の様々な動画。
当初、「3号機は水素爆発ではない」という彼の主張を、ネット上でさえ「トンデモ野郎のふざけたデマ」と一笑に付していた人たちが多かったが、今では学者たちの中にも彼のあのときの推理に近いことを言っている人たちがたくさんいる。
上の動画では、
- 非常用ディーゼル発電機がたとえ高いところにあって津波で水没しなかったとしても、その発電機を動かすエンジンの冷却水のポンプが水没しているのだから、どっちみち非常用ディーゼルは使えなくなっていた。この問題を解決するには、冷却ポンプを水没しても使える水中ポンプに替えなければいけないが、そういう出費を東電はことごとくケチっていた。
- 地震発生当時、1Fには1000人の作業員がいたが、もしあの地震と津波が夜に起きていたら、敷地内に残っている人間は100人程度であり、真っ暗闇の中、到底あの事態に対応できなかった。そうなっていたら、惨事はどこまで広がっていたか分からない。
という点は特に心しておくべきだろう。
そんな中、
東京電力は28日、福島第1原発3号機原子炉建屋1階の北東エリアにロボットを投入し、放射線量を測定したところ、床表面付近で毎時最高4780ミリシーベルトに上ったと発表した。昨年11月にほぼ同じ場所の線量を計測した際は同1300ミリシーベルトだった。
東電によると、調査は27日に実施。ロボット2台を入れ、約1時間40分にわたり、線量の測定や状況確認を行った。東電社員や協力企業の作業員計12人で調査を行い、最大の被ばく線量だった人は0.52ミリシーベルトだったという。
[時事通信社]
……という記事が出た。
この内容、時事通信社のこの数行の配信だけで、大手新聞社やテレビが報道した形跡がない。
東電が自分で発表したというのだから間違いない内容(むしろ控えめな内容)なのだろう。
4780ミリシーベルト/時 というのは、約5シーベルト。7シーベルトは99%の人間が死んでしまうという致死量だから、もはやそんな場所には人間は一瞬たりとも近づけない。廃炉作業なんてとてもできない。
つまり、3号機の後始末は、我々が生きている間には無理、ということだ。
文字通りお手上げ。ひたすら水をかけ続けるだけ。とんでもない汚染が地下へ、海へと流れ出し続ける。
選挙前の今だからこそ、こうした現実をみんなしっかり見つめなければならないのに、マスコミは口をつぐむ。