2012/08/08

鹿沼という町

「旅の手帳」という雑誌で、狛犬絡みの取材をしたいというので、鹿沼まで出て行った。
取材を受けるとき、最近はもっぱら宇都宮駅前の珈琲屋さんにしているのだが、旅行雑誌ということで、こちらから「新鹿沼駅まで来てもらえれば、鹿沼の彫刻屋台を展示している場所をご案内しますよ」と提案したのだ。
鹿沼のネコヤド商店街にもお洒落な喫茶店やレストランがあるが、そういうところで長時間インタビュー取材は迷惑だろうと思い、いつ行っても人がいない、屋台のまち中央公園の物産館で取材を受けた。
ここは軽食も取れるので、蕎麦を頼んだ。
蕎麦の専門店でもないのに、結構おいしい蕎麦だった。
実は、前々日、花木センターに行ったときに入った鹿沼市内の某お蕎麦屋さん、店の雰囲気もよいし、食器なども凝っているし、お店の人の感じもよく、おつゆもおいしいのだが、肝心の蕎麦がまったくダメ(腰がないし、味もしない)、という、なんとも残念なお店だった。
あのお店で、せめてこのくらいの蕎麦を出してくれればいいのになあ、と思ったりした。


彫刻屋台を見る、取材記者さん


何回見ても飽きない


銀座二丁目の屋台は、やはりピカイチ


案内役の人(70代?)は、僕は会うのが2度目だったが、向こうは覚えていないようだった。
銀座一丁目、二丁目という町名について記者さんが質問したら、
「かつては吾妻町(あづまちょう)という町名だったんですよ。それが、一時期、日本中で銀座という名前をもらって町名変更するブームがあって、そのとき変わってしまったんです。残念です」
と言っていた。
この老人は銀座二丁目(上横田)の人で、町内にはもう10軒くらいしか家が残っていなくて、この屋台を町内で維持していくのも大変な負担になっていると漏らしていた。
10月の第2土曜・日曜日に行われる「ぶっつけ」と呼ばれる祭りには、鹿沼の屋台が勢揃いするのだが、それが老人中心の町内には、体力的にも経済的にも大変な負担だという。
今年も、町内には出すのだが、今宮神社境内には入れないのだそうだ。
「神社に入るとお金がかかるんですよ」
とのこと。
それにしてもこの素晴らしい文化財をどうやったら全国区にできるか。栃木県内でさえ、鹿沼の彫刻屋台を知らない人がたくさんいる。話には聞いていても、実際に見たことがないという人たちがいっぱいいる。ましてや他府県の人たちは知りようがないわけで、お祭りのときに限らず、普段から「有形文化財」としてもっともっとPRしていくことが大切なのに、鹿沼市の文化課は写真を撮るなとか、撮ってもいいがネットに出すなとか言っているのは、何を勘違いしているのか、という先日体験したことを喋っているとき、まるでそれを聞きつけたかのように、鹿沼市文化課の職員二人がやってきた。
ここぞとばかりに、
「今、鹿沼市がいかにダメかという話をしていたところですよ」
と、職員相手に説教を始めた。
ニコニコ聞いているだけだったが、通じたのかなあ。

鹿沼はもっともっと頑張れる。彫刻屋台にしても、古い街並みにしても、観光資産としてどんどん活用すべきだ。行政にセンスと実行力のある人がひとりでもいれば大分違うのだろうが……。

その後、今宮神社のはじめちゃんを案内


それにしてもこれはなんなのだろうなあ


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