2012/02/24

 日光狛犬巡り(5)青龍神社の小さなはじめちゃんは明暦4年!! その2


夢中で撮っております


背中には骨?が浮かび上がっている


尻尾は越前禿型に近い


この狛犬は裏側を見ないとダメ。な、なんと、かなりはっきりと文字が読み取れるのだ

この狛犬については、狛研のサイトに詳しい解説が載っているので引用する。

年号は「明暦四戊戌年(1658)六月」、横腹に「奉納 天狗兩疋(にひき)」、後足腿に「原俊左衛門」と彫られている。
この狛犬がすごいのは、まず古さ。
関東以北に石の狛犬が奉納されるようになったのは、東照宮の寛永大造替に功労があった松平正綱と秋本泰朝に刀と銀百枚の恩賞が授けられたお礼として、二人が奥の院に狛犬を奉納したことがきっかけだったという説がある。
奥の院の造り替えが始まったのが寛永18年の春で、9月に完成し、17日に正遷宮したことから、狛犬奉納はその直後、寛永18年10月から19年の4月にかけての時期ではないかというのが狛犬研究家・山田敏春さんの説。
1641~1642年ということになる。
すぐそばに、その十数年後に納められたはじめちゃんがいるというのが面白い。東照宮の狛犬のように蹲踞した立派なものではなく、越前禿型が這いつくばったようなはじめタイプ。ということは、奉納したのは名のある武家ではなく、東照宮奥の院の狛犬を見られなかった商人だろう。
狛犬の話だけ伝わってきたが、形が分からない。そこで、すでに各地で奉納され始めていたはじめちゃんタイプになった……と推察できる。

ちなみに東京でいちばん古い狛犬は目黒不動尊の狛犬で承應3年(1654)。江戸築城の時の石工総元締め亀岡久兵衛政重が奉納したものとされている。
2番目に古いのは赤坂氷川神社の延宝3年(1675)の狛犬で、赤坂の鳶職が奉納したもの。
この青龍神社のはじめ狛犬は、目黒不動尊の4年後、赤坂氷川神社のよりは17年も前に位置しているわけで、庶民が奉納した石造り狛犬としては日本有数の古さだ。歴史的な価値が非常に高い。
以上、狛研のウケウリ。狛研の人材はすごいね。


左右衛門あたりは読めるが、だいぶ摩耗してしまっている


左前足に明暦4年の年号、腹に「奉納 天狗兩疋」の文字


狛犬ではなく「天狗(あめいぬ)」と刻んでいるところが面白い。天を翔ける狗(いぬ)


この年号がとても重要なのだ

<
こう彫られていたのがどんどん摩耗しているのだな


阿像のほうはかなりはっきり読み取れる


やはり明暦四年ですね


篠原誉左右衛門 とも読めそうだが……?


しかし惜しいね、この破損が
最後に、今回バーチャル修復した阿像の顔を再掲しておきましょう。労作?

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