たくき よしみつ シドニー五輪テレビ観戦記5
「ちゃんと見てるよ」(「TVライフ」連載)では書ききれない、シドニー五輪テレビ中継批評をリアルタイムで掲載。
ワイナイナにもっと声援を
さて、今日は男子マラソンですね。期待はしていません(^^;;
……と書いた数時間後、それにしてもちょっとひどすぎじゃないの、という男子マラソンの結末。
旭化成の2選手にはあまり期待していなかった。特に佐藤は、早々と代表入りさせるなど、甘やかされているので、気分的にも応援しづらかった。
旭化成の陸連内での「政治」腐心は、さわやか宗兄弟へのイメージをどんどん悪化させている。宗猛は今でもファンだけど。
レース後、陸連スタッフは、川島、佐藤を競技場に残したまま帰ってしまったとか。残された二人は呆然としながら携帯電話で連絡を取り「さっさと選手村に戻れ」という指示を受けたとか。なんだか今大会への陸連の姿勢を象徴しているなあ。
銀メダルのワイナイナはコニカの陸上チーム所属。日本に長いこと住んでいる、いわば「身内」なんだから、もうちょっと応援してあげてもいいのに。瀬古監督(ヱスビー)は、「駅伝では日本選手より粘らないワイナイナに負けたのが悔しい」と言っていたそうだが、ちょっと違うんじゃないのかな。ワイナイナのほうは「ニューイヤー駅伝の上州空っ風のほうが辛かった」と平然と言ってのけたとか。
男子惨敗で、高橋尚子の強さが改めて浮き彫りになった形。やっぱり相当大変なコースだったのね。
女子1万で入賞できなかった川上優子選手も、今後は駅伝をパスしてマラソンに転向したいと表明しているとか。女子の人材を半分男子に分けてほしいもんですね。第二の中山は現れないのか。寂しいなあ。
というわけで、やぶにらみ観戦記はおしまいです。
閉会式、なんか歌謡ショーみたいでしたね。
柔道の篠原だけじゃなくて、審判が点数をつけるすべての競技が、なんだか不透明な印象だった今五輪。水泳シンクロも、なんでロシアのテクニカル点が日本より上なの? と思ってしまうけれど、やはりあの手の競技は、ほとんど「ショー」化してしまっているから、裏の政治も含めて競技ということなのかな。
それだけに、純粋に勝負が決まる競泳や陸上の選手選出「不正」(敢えて明言したい)は、二度と繰り返してほしくない。しつこいけど、やはりこれだけは言っておきたいよね。
(2000/10/02)
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