たくき よしみつ テレビライフ連載「ちゃんと見てるよ」過去データ2010年の分

 たくき よしみつの 『ちゃんと見てるよ リターンズ』2010

 (週刊テレビライフ連載 過去のコラムデータベース)

 2010年執筆分

杉山愛の第二の人生は異種対決だ

2010/01/07

 少し前の年末年始スポーツ系特番を思い出している。
『SASUKE』(TBS系)は、セットを作るだけでとんでもない金がかかっているし、出てくる人たちの真剣度もすばらしいのだが、なにせ飽きた。どの程度すごいのかというのが実感できないのも欠点。インターナショナル版にしていくといいかもしれない。
 芸能人とスポーツ選手が対決するパターンでは『とんねるずのスポーツ王は俺だ』(テレビ朝日系)、徳光&所の世界記録工場』、『中居正広の7番勝負!超一流アスリートvs芸能人』(ともに日本テレビ系)などがあったが、『世界記録工場』は『SASUKE』同様、すごさを比較する基準値が見えづらい。
 それに比べて、『中居正広の~』は面白かった。特に、杉山愛が中居と組んでバドミントンの池田信太郎・潮田玲子ペアと対決したのはすごかった。杉山のバドミントンはレベルが高く、中居抜きで、杉山VS潮田のシングルス、あるいは杉山と松岡修造のペアだったらもっと面白かったのに、残念。
 杉山愛は、『とんねるずの~』でも、松岡修造と一緒にとんねるずと対戦していたが、視聴者の興味はとんねるずではない。例えば、引退直後の杉山と、引退してだいぶ経つ松岡が本気で対決したらどの程度力の差があるのかに興味がわく。
 杉山愛を案内役(ときどき自分も参加)にした、スポーツ異種対決、男女対決、プロアマ対決(アマチュア男性トップと女性プロなど)の番組をレギュラー化してほしい。芸能人を出さず、そのギャラ分をスポーツ選手にどんと出せば、難しい対決でも実現できるのではないか。

『龍馬伝』映画っぽい画質の秘密

2010/1/25

 NHKの大河ドラマ『龍馬伝』の「映画っぽい画質」が話題になっている。ハイビジョンで見るドラマは、役者の化粧ののりのよしあしや毛穴までリアルに見えて気持ちが悪かったが、『龍馬伝』では、全体がうっすらにじんだような画質、言い換えると、昔のフィルム映画のような画質になっている。
 もちろん、わざわざフィルムカメラで撮っているわけではない。カメラは30P(1秒間に30フレームを記録する)カメラというのを使っているらしいが、それがイコールにじんだような画質になるということではないだろう。おそらく、編集の際にデジタル処理で、フィルムっぽい質感に変換させているはずだ。
 さらには、従来のハイビジョンカメラで撮ったドラマは、遠くの背景までピントが合って「見えすぎて」しまい、違和感があったが、『龍馬伝』では適度に背景がぼけている。これも30Pカメラの恩恵らしい。
 また、今までの大河ドラマでは、固定式の大型カメラでど~んと撮っていたので、動きが感じられないシーンが多かったが、『龍馬伝』では手持ちでの撮影が増えたようで、映像のつながりがダイナミックだ。
 しかし、「にじんだ映像のほうがかっこいい」となると、ハイビジョンとはなんなんだという根本的な疑問も出てくる。昔のちょっとボケた映像のほうが、みんな安心して見ていられたってことじゃないの? なんて、意地悪なことも考えてしまう。
 ちなみに、NHKの『龍馬伝』のPRサイトを見ると、トップページの画像が、わざと粒子を粗く処理しているようだ。
 制作側も「にじみ」を相当に意識して打ち出しているのね。


『刑事コロンボ』声変わりの秘密

2010/02/08

『刑事コロンボ』シリーズが初めて制作されたのは1968年のことで、10年間で45本。その後、1989年から2003年にかけて、新シリーズが24本作られ、全69本が存在する。
 去年の1月から、NHKのBS-hiで、毎週土曜日の夜8時から新旧両シリーズの全69話すべてを放送することになり、現在も続いている。
 うちでもときどき懐かしみながら見ているのだが、ときどき、コロンボを始め、登場人物の吹き替えの声がシーンによってガラッと変わることがあり、びっくりする。そのシーンだけ、声優が変わるのだ。
 コロンボの声は、あの独特のスタイルを作り上げた初代の小池朝雄氏が1985年3月に亡くなり、その後を石田太郎氏が継いだ。石田氏に代わった当初は、違和感があって、なかなかストーリーに集中できなかったことを思い出す。
 新シリーズの第22話以降はWOWOWが最初に放映権を買ったが、そのときは銀河万丈氏がコロンボ役を担当。個人的には、石田氏よりずっと違和感がなく、なんだ、最初から銀河氏がやればよかったじゃん、などと思ったものだ。しかし、この違和感のなさというのは、要するに初代の小池コロンボにいかに似ているかということで、改めて小池コロンボの強さを知らされる。
 現在放送されているコロンボで、シーンによって声が変わるのは、最初に放送されたときカットされていたシーンが復活したから。すでに故人となった小池氏だけでなく、他の登場人物の声も変わることがある。
 さて、どこで変わるかな……と注意しながら見るのも、新しい楽しみ?かもしれない。

バンクーバー五輪中継への不満

2010/02/22


 毎回、オリンピックになると、糸井重里さんがやっているWEBサイト『ほぼ日刊イトイ新聞』に視聴者が投稿する「観たぞ!」コーナー(http://www.1101.com/vancouver2010/index.html)を楽しんでいる。NHKで紹介される応援ファックスの千万倍面白い。これを読んでいると、仕事などで生中継を観られない人たちが、いかに仕事中にテレビをこっそり観るかで悪戦苦闘しているかがよく分かる。
「涙が止まりません。ヨドバシのテレビ売り場なのに」とか「誰もいない役員室のテレビをこっそり観ています」とか「トイレに駆け込んでワンセグ入れたら、なんと電波が圏外じゃないですか!」といったメールがわんさとある。オリンピック中継にこれだけ熱くなる人がいっぱいいるのだとよく分かる。
 テレビ局は視聴者のこの熱さを分かっているだろうか。例えば、地デジが入らないわが家では、NHKのBS1メインで観戦しているが、NHKのBS1は標準画質。フィギュアの中継をきれいに観たいのに、その時間帯、BShiではしょーもない再放送番組をやっている。NHKはBSハイビジョン放送をどう考えているのか。蓮舫議員にビシッと質問してもらいたい。
 逆に、BSが観られない人たちのイライラも相当だったはずだ。大注目のフィギュア男子フリーは、地上波では日本テレビ系しか生中継していなかったので、日テレ系が観られない人はガックリきたはず。
 地デジ化で大騒ぎしているが、日本では、地デジが観られないだけでなく、民放のある系列を観られない、BSを観られないという人たちがいっぱいいることを忘れないでほしい。

     

「事なかれ主義テレビ」症候群

2010/03/06

 NHKオンデマンドというテレビ番組のダウンロードサービスがあるが、この「見逃し番組サービス」で2月28日放送分のオリンピック中継や大河ドラマのダウンロード数はかなり多かったのではなかろうか。「見逃した」人がダウンロードしたからではなく、津波警報の注意画像が邪魔で、そのまま保存しておく気がしなかった人が、きれいな画像で見直したくてダウンロードしたと思うのである。
 津波警報をテレビで報じることが重要なことは言うまでもないが、あのでかい日本列島の画像が一部ピコピコ赤く点滅する状態で長時間出っぱなしだったのはいかがなものか。NHKだけでなく、全局がそうだった。
 あの「とにかく警報画像を出しとけばいい」という一種「事なかれ主義的な処置」は、かえって、視聴者に「狼が来たぞ効果」的な慢心や不信感を与えたのではないかと懸念する。
 やるにしても、画面下一列に文字で出し、情報チャンネルは別に置くとか、やり方を工夫することはできるはずだ。
 話は少し変わって、バンクーバー五輪開会式で、聖火台の柱が1本立ち上がらないという事故があったが、中継ではまったく触れようとしなかった。これって日本だけでは? 他国のテレビでは「あれ? 1本立ち上がりませんね。どうしたんでしょう」などと中継していたと思う。それをしなかったのも「事なかれ主義」放送の典型例だ。
 五輪運営側では、この事故をちゃっかりネタにして、閉会式でピエロが「柱立ち上げのやり直し」をするという演出を加えた。あの自由さ、緩さ、臨機応変、創意工夫の精神を、日本のテレビにも学んでほしい。
   

消えるお笑い番組・育つお笑い番組

2010/03/23

 3月いっぱいで『エンタの神様』(日本テレビ系)と『ザ・イロモネア』(TBS系)のレギュラー放送が終わった。どちらも「ああ、やっぱり」だ。
 特に『イロモネア』の最後のほうは自暴自棄だった。芸人を偽のロケに連れ出し、誰がどういう順番でボケるかをあてさせるなどという、企画段階で却下されるべき特別編?を2週も続けたのには唖然。審査方法を改良するだけでもまだ少しは延命できただろうが、すっぱりやめたのは正解だったろう。
『エンタ』のマンネリぶり、幼児化はだいぶ前から限界に達しており、終了は遅すぎたかもしれない。というより、純粋なネタ番組として質を上げさえすればよかっただけなのだが。
 消える番組がある一方で、深夜枠では頑張っている番組がいくつかある。今いちばん注目しているのは『潜在異色』(日テレ系)。鳥居みゆきがサンドウィッチマン伊達のボケ(普段の逆)に正統派のツッコミを入れる漫才とか、延々20分近く繰り広げるユニットコントとか、どれも野心的な出し物で気合いが入っている。レギュラー陣の人選もいい。オードリー春日やアンガールズ田中などのネタ作り職人には、才能を存分に発揮する実験場として、ドランクドラゴン鈴木拓やロンドンブーツ田村亮のような埋没人員には、改めて腕を磨く道場として機能している。これこそお笑い番組のあるべき姿ではないか。
 現代のテレビ番組には、予算と面白さが反比例するという法則があると思うが、お笑い番組はそれが顕著だ。哀しくなるから触れないけど、優勝賞金1億円の……とかね。お笑いは、ビジネス以前にアートなのだよ。
        

「都市伝説」は新しい情報番組形態か

2010/04/05

『やりすぎコージー』(テレビ東京系)の中の「都市伝説」シリーズが人気を集めているらしい。都市伝説というと、以前は「口裂け女」とか「トイレの花子さん」のようなホラー譚や、「○○公園のボートに乗ったふたりは必ず別れる」といった他愛のないものをさしていたが、最近では「911事件は『テロの脅威』を印象づけるためにアメリカの軍やCIAが関与して作り出したヤラセだ」とか「新型インフルエンザウイルスは研究機関で人為的に作り出されたもの」といった世界規模?の話もすべて「都市伝説」に分類されて語られることが多い。
『やりすぎ~』のコーナーでも、フリーメイソンのネタなどは特に人気があるようだが、実はこの手のお話は、一概に「都市伝説」として笑い飛ばせるものではない。例えば、911事件。上層階に旅客機が突っ込んだだけで、高層ビル全体が(ましてや何のアタックも受けていなかった、ビル群の外れにあった7号ビルまでもが)瞬時に崩れ去るなどということは、物理的、工学的に考えられないと、多くの専門家が真面目に主張している。「公式報道」を信じていない人たちは、政府高官を含め、世界中にたくさんいるのだ。
 最近では、地球温暖化を示すデータが捏造されたことを示唆するメールがクラッキングされた「クライメートゲート事件」が欧米を騒然とさせたが、こうしたニュースも日本ではほとんど取り上げられない。
 もはや、日本のテレビメディアでは、「都市伝説」というオブラートに包まなければ、重要な情報をまともに流すこともできないのかもしれない。そういう時代になってしまったのか。 
          

NHK発・今年流行りそうな方言

2010/04/15

 何年ぶりかでNHKの大河ドラマと連続テレビ小説の両方を見ている。昨年はどっちも見ていなかった。
 大河は、福山雅治が坂本龍馬をやるというだけで、なんじゃそれ、と思っていたけれど、ちっくと気になり、見始めたら、こらあ止まらんぜよ。
『ゲゲゲの女房』は、どんな話になるのかとちょっこし見始めたら、これまた面白いのよね。
 龍馬は土佐弁、ゲゲゲは出雲弁。テレビドラマでは、100%方言にすることはなく、特徴的なフレーズだけを繰り返し使って台本が書かれる。だから、視聴者にはますます特定の方言フレーズだけが叩き込まれ、覚えてしまう。
 では、NHK発、今年の流行方言トップ3を探ってみよう。
●第3位 がいじゃのう
 本来「がいな」は「荒っぽい」という形容詞らしいのだが、龍馬が黒船を見てこう叫ぶのを見た人は「すごい」「でかい」という意味だと受け取っただろう。そんな風に意味を拡大して定着させても面白いぜよ。
●第2位 おまんを好いちゅう
 プロポースのときや口説くとき、照れ隠しに使えるきに。
●第1位 ちょっこし
 龍馬の「ちっくと」もいいけど、ゲゲゲで大杉漣(主人公布美枝の父親・飯田源兵衛役)が連発する「ちょっこし」のほうが味がある。ちょっこしのほうがちっくとよりちょっこし勝っとるかなあ。すでにネット上でも「ちょっこし」は流行の兆しを見せていて「ちょっこし」検索して見たら13万7000件もヒットした。「ちょっこし教えてください」という感じで。
 さて、あなたは「ちょっこし」派? 「ちっくと」派?


       

美男美女ではリアリティがない

2010/04/26

『プレミアム8 水木しげるのなまけ者になりなさい~ゲゲゲの女房とののほほん人生』を見た。この夫婦、面白いね~!
 インタビューを受ける水木しげるは、「人間ができた岡本太郎」という感じ。ときどきテレビ的に危ない発言をする夫を、夫人が横から止めに入る様子が特に印象的だった。
 すっかり水木夫妻(本名は武良茂・布枝)に興味を抱いてしまった私であるが、二人の実像を垣間見るにつけ、ドラマ『ゲゲゲの女房』でこの二人を演じる役者の美男・美女ぶりに違和感を感じてしまうのである。
 そもそも、水木しげるは結婚したとき40歳近いのに、水木役の向井理はまだ28歳。これからどんどん歳を取っていく役なのに、20代の二枚目俳優を起用するというのが分からない。
 主人公・布美枝役の松下奈緒は、女優、ファッションモデル、ピアニスト、作曲家、歌手という絢爛豪華な肩書きを持っている美人で、「内気で地味で、背が高すぎてなかなか嫁に行けなかった」女性には到底見えない。 今回、主役を選考するにあたってオーディションをやらなかったらしい。なぜだろう。背が高くて、地味で、でも、みなから愛される女性を演じる女優を本気で探してほしかった。いとうあさこじゃ背が足りない(162cm)し、大林素子じゃ演技が不安か。でも、そういう方向性で探すべきだったのでは?
 水木夫妻が生きてきた世界、考え方、生き方は、希望を持てない現代を生きていかなければいけない我々にいろいろなことを教えてくれる。それだけに、ドラマといえども、もう少しリアリティを持たせた作り方にしてほしかった思うのであるよ。
   

拾われる芸人・捨てられる芸人

2010/05/15

 以前、このコラムで、芸人コンビは一見地味に見えるツッコミ役の力量がすごく大事だということを書いた。先日、CSで録画しておいた『オレたちひょうきん族』(フジテレビで80年代にやっていたお笑いバラエティ)を見ていて、その思いをさらに強くした。あの頃「うなづきトリオ」などと馬鹿にされていた松本竜介、ビートきよし、島田洋八の3人は、今、お笑い界の帝王のようになっている島田紳助よりはるかにうまく役をこなしているのだ。それに比べてあの時代の紳助の下手なこと下手なこと! まともにろれつも回っていないのには驚いた。
 ひるがえって、今、『爆笑レッドシアター』(フジテレビ系)に出演している芸人たちがみな生き生きしている。特にはんにゃの川島章良、ロッチのコカドケンタロウ、しずるの池田一真、ジャルジャルの二人などは、この番組の「水」が合っている。
 例えば、「2の二乗は?」と訊かれて「0・2」と答える川島はどこまで素なのか。ボケだとすれば名演技だし、天然なら、これまたとてつもないことだ。2の二乗を知らなくても、人生、なんにも困ることはないのだという発見。勇気づけられなあ。
 こういうゆとりというか、優しさ、緩さが、80年代の『ひょうきん族』にはちょっこし欠けていたんだと思う。その後、竜介は他界し、今では、きよし、洋八をテレビで見ることはほとんどない。弱肉強食……か。
 弱者がどんどん切り捨てられる時代だからこそ、お笑い番組でまで、センスのない弱肉強食的な演出は見たくないよね。
『レッドシアター』は、構成作家が頑張っているんだね。お笑い番組最後の砦かもしれない。

   

『メンタリスト』と郷田ほづみ

2010/05/28

 最近、一度解約したスカパー!(HD)を再契約した。
 スカパー!e2のほうがBSアンテナ一つだけで見られるし、外部チューナーもいらないからすっきりすると思って、スカパー!を解約し、e2にしたのは2年くらい前だっただろうか。
 しかし、これが誤算だった。e2にすると、録画するためには、契約しているB-CASカードを録画機に入れておかなければならず、そうなるとテレビ本体ではe2は見られず、録画機で録画中はチャンネル切り替えができないのでe2は見られず……という状態になり、外部チューナーで受信するスカパー!よりずっと面倒で不便なことになってしまったのだ。やれやれ。
 というわけで、元を取ろうと、スーパードラマチャンネルなどで海外ドラマを録画するようになったのだが、今のところ収穫は『メンタリスト』という刑事ドラマ。現代版『刑事コロンボ』という触れ込みで宣伝中だ。
 コロンボばりの観察力に長けた主人公が、刑事課の中で「ウザイやつ」と嫌われながらも活躍するという犯罪ドラマ。展開の速さや主人公の屈折したキャラクター設定などがイマ風か。
 吹き替えなので見やすい。で、この主役の声が「郷田ほづみ」となっていたので、あれ? もしかして怪物ランドの……と思って調べたら、そうだった。
 怪物ランド、知っている人はかなりの年輩だろう。1983年に、平光琢也、赤星昇一郎、郷田ほづみの3人が結成したお笑いトリオ。怪物ランドではいちばん地味だった郷田氏、声優もやっているのだね。平光や赤星はどうしているのだろう。
 それにしても、面白い番組を探すのが大変な時代であるなあ。

   

W杯をアナログで見させられる理不尽

2010/06/11

 最近、BSデジタルの番組表をチェックしたら、BS291~298という実際には見られないチャンネルの番組表が表示されて邪魔だ! という経験をしている人は多いはず。
 これは地デジ難視聴地域用のBS放送で、首都圏の放送(NHK2局と民放5局の計7局)を同時放送している。
 それはよかった、と思うのは早い。B-CASカードでスクランブル(暗号化)されていて、これを見るためには、難視聴地域の住民だと認定された上で、使っているB-CASカードの番号を申請し、スクランブルを解除してもらう必要がある。しかも、その地域で本来放送されていないキー局は解除されず、見させてもらえない。
「難視聴対策」(当然、税金も注ぎ込まれている)なのにスクランブルをかけて見られなくさせるとは何事か。そもそもBSでやれるのだから、地デジで大騒ぎする必要もないじゃないか、という怒りの声が上がるのは当然なのだが、この問題を理解・認識している人は少ない。
 わが家はBSデジタルが視聴できるし、ワイド画面の液晶テレビもあるのに、サッカーW杯中継はボケボケのアナログの狭い画面で見るしかない。「難視聴対策BS」がスクランブルをかけずに放送されていれば、ワイド画面のデジタル放送で見られるのに、まったく理不尽だ。
 今すぐスクランブルは解除し、暫定期限としている2015年3月以降は、このBS帯域を全国の地方局連合に譲り渡して、地方局制作の番組を全国どこでも誰でも見られるようにするべきだ。地方局には「制作局」としての自主独立の気概を持った「別の戦い」をしてほしい。
   

スカパー!のW杯中継はお通夜のよう

2010/06/25

 前回、地デジが入らない山奥のわが家では、W杯はボケボケで狭い画面のアナログ地上波で見るしかないと憤ったが、スカパー!HDのおかげで広い画面で観戦することができた。
 しかし、一つ誤算が。雰囲気が滅茶苦茶暗いのだ。
 3戦全敗で戻ってくると、多くの日本人が予想していた中、まさかの決勝トーナメント進出である。そのめでたいデンマーク戦の直後でさえ、スタジオはお通夜のようだった。誰一人笑顔がない。なんやねんこれは。
 メイン司会はフリーアナウンサーの倉敷保雄。紹介テロップには「独特なテンポとユーモラスな語り口が人気」と出るが、勝利を決めた直後でさえ、「え~と、嬉しいです」と呟いただけ。確かに「独特なテンポ」だ。
 暗さを支配しているのは、スカパー!が力を入れて獲得した「公式コメンテイター」のオシム元日本代表監督。オシム氏の暗さのパワーが尋常ではないため、スタジオの司会者、ゲスト陣の誰一人笑わず、会議で上司に怒られている社員のような顔で押し黙っているのだ。
 デンマーク戦生中継の後、オシム氏は例のごとく、今日の試合のここがだめだったと延々解説した後、「私は耳に痛いことを言うが、聞きたくないことも我慢して聞く習慣をつけてほしい」などとだめを押す始末。その間、スタジオは謝罪会見場のようなムードに包まれていた。
 一人一人の能力があっても、組み合わせを間違えるととんでもないことになるのはサッカーの試合と同じ。オシム氏を起用するなら、スタジオには川平慈英レベルの能天気なキャラクターが必要だった。いい勉強になったね、スカパー!
   

『自転車でGO!』と『家族に乾杯』

2010/07/08

『生中継 ふるさと一番!』(NHK総合)は、リハーサルのやりすぎが透けて見えて面白くないということを、だいぶ前にこのコラムで書いた記憶がある。同じNHKでも対照的なのは『鶴瓶の家族に乾杯』で、こちらはぶっつけ本番ロケが売り。事前の仕込みがないとこんなに面白いという証明になっている。
 しかし、アポなし、仕込みなしの醍醐味は伝わってくるものの、毎回、基本は「こんな田舎にこんな有名人が来てくれた。すごいすごい」的な空気が強すぎて、ちょっこししらけることもある。肝心の「家族」とのふれあいにしても、プロ芸人の客いじり的なにおいが気になる。
 この手の番組の最高峰?は、福島テレビ『サタふく』内の人気コーナー「自転車でGO!」ではなかろうか。
 これはほんとにすごい。普段はローカルニュースを読んだり地方競馬中継をしている局アナである藺草英己(いぐさひでき)が、毎週自転車で福島県内をふらふら回っていくだけのコーナーだが、道に迷って同じところを何度も回ってしまうとか、教えられた店に行ったら閉まっていたという、しょーもないシーンが延々とそのまま流れる。
 2003年からやっていて7年目の人気コーナーだけに、行く先々で藺草アナはすでに「有名人」なのだが、ひたすら低姿勢、天然ボケに徹していて、そのすがすがしさ、自然体は、どんな役者、芸人もかなわない。「作らず、記録する」精神こそロケの原点だと、改めて教えてくれる。このコーナーだけを抜き出した『日曜日も自転車でGO!』がスカパー!e2のインターローカルTV(無料)で見られるので、一度お試しあれ。
   

池上彰レベルの人材があと10人必要

2010/07/12

 参院選は、案の定、民主党の自爆で終わったが、投票締切の午後8時直後に、各局が一斉に「民主大敗、自民勝利」を伝えたのはしらけた。開票速報番組の存在意義がないよねえ。
 そんな中、テレビ東京系の『池上彰の選挙スペシャル』は、頭抜けて面白かった。開票結果よりも、分かっている結果を踏まえて、キャスターの池上彰が選挙や政治に関する問題を次々に解説していく内容。開票特番の新しい形を作ったと言える。
 当選者へのインタビューでも、谷亮子(民主・比例・当選)には「国会ではどの部会に所属したいですか」という質問し、どんな部会があって、どんな問題を扱うのかも分かっていない谷が答えることができなかったシーンは見事だった。同様に、中畑清(たちあがれ日本・比例・落選)は「読売のナベツネさんにここから出ろと言われたということですが」とズバッと訊かれ、しろどもどろだった。
 日本のテレビ界、というより、報道の世界に、池上彰レベルの人材があと10人は必要だ。池上は忙しすぎて、今や講演などはすべて断っている状態だという。
6月30日放送の「そうだったのか! 池上彰の学べるニュース」(テレ朝系)では、口蹄疫問題で間違った解説をしたとして問題になったが、これなどは番組制作スタッフがきちんと検証しなかったことが原因。
 ちなみに選挙特番ではテレ東系に出たため、地上波で池上の解説に接することができた人たちはそう多くはない。(私の住む福島県ではテレ東は見られないため、BSジャパンで見ていた)
 BSジャパンはテレ東系列で、以前からテレ東を見られない地域の人たちからは「BSジャパンでテレ東番組の同時放送を!」という要望が強い。BSジャパンも、できることならそうしたいと思うのだが、もろもろの力に阻止されて実現できない。
 なぜBSで地上波番組を同時放送できないのか? その問題も解説してほしいが、放送界最大のタブーだけに、さすがの池上もテレビでは言えない。
   

『プライミーバル』で英国気質を知る

2010/08/05

『恐竜SFドラマプライミーバル』(NHK総合)というのがある。イギリスの各地に「時空の亀裂」が現れ、その亀裂を通って、毎回、太古に絶滅した生物や未来の狂暴な生物が出現。それに対処するチームが奮闘する……というお話。言ってみれば、昔の怪獣ドラマ「ウルトラシリーズ」のようなものだが、違うのは内容の屈折ぶりだ。
 まず、主人公を含め、主要登場人物が簡単に死ぬ。第1章からずっと主役だった動物学者のニック・カッター教授は、第3章第3話で妻に殺されてしまう。
 ニックの助手役スティーブンは、準主役クラスのイケメンだが、第2章の最後でニックの身代わりとして食い殺される。
 そのスティーブンとニックの妻のヘレンは過去に不倫していて、それがニックにばれて、チームワークが乱れていく……。
 こうなると、見ているほうは、恐竜とかはどうでもよくて、人間関係と滅茶苦茶なストーリー展開だけが気になっていく。
 例えば『ウルトラセブン』で、アンヌ隊員が人妻熟女で、職場ではウルトラ警備隊の隊長と年下のモロボシ・ダンを二股かけて関係を持っているなんて設定にしたら、日本国民はパニクっていただろう。でも、イギリスではむしろそういう要素がないと人気が出ないらしいのだ。
 異国文化を知ることはとても面白いし、視野が広がる。特にイギリスの番組は、娯楽もドキュメンタリーも質が高いから、結構ハマルことが多い。
 ちなみに、イギリスの公共放送BBCが、去年、日本のBSに進出するために申請をしたが、はねられてしまった。なぜなんだ総務省。通販チャンネルはこれ以上いらんぜよ。
   

「暗いドラマ」の王者は英国かドイツか

2010/08/20

 前回、イギリスのドラマがいかに屈折しているかについて書いた。例として出した『プライミーバル』は、恐竜や未来の凶悪な生物が登場したりして子供番組的な要素も強いが、これが刑事ドラマ、犯罪ドラマともなると、暗さと屈折ぶりに拍車がかかる。
 CSではAXN系、FOX系、スーパードラマチャンネルといった、海外ドラマを中心に放送しているチャンネルが多いが、アメリカのドラマとヨーロッパのドラマは作り方が明らかに違っていて興味深い。
 イギリスの刑事ドラマの代表ともいえる『フロスト警部』は暗さの極み。事件が解決しても登場人物たちの不幸は増すばかり。1話が長いので、体力がないときは見られない。『セカンド・サイト』は主人公の敏腕警部がどんどん視覚を失っていくという設定。ぼんやりした映像が随所に出てきて、視聴者もどんよりした気持ちになる。イギリスの刑事ドラマは他にもいろいろあるが、とにかく暗い。
 しかし、暗い、救いがないという意味ではドイツのドラマも半端ではない。『ドイツ科学捜査チーム~真実を追う者たち~』(AXNミステリー)などは、イギリスドラマのような文学性が薄く、ストレートに暗い。
 死体の映像もリアル。突然画面の真ん中にぼかしが入ったのでなんだろうと思ったら、焼死体(男)の股間だった。つまり、オリジナルでは、焼けただれたペニスがそこに映っているのだ。
 このドラマ、ヨーロッパ中で放映されているそうだが、特に「女性層から圧倒的な支持を獲得した」というのだから分からないものだ。ヨーロッパ文化はやはり深い。
   

全米オープンテニス錦織圭のドラマ

2010/09/03

 錦織圭が、相性のいい全米オープンで大健闘。2回戦では、第11シードのマリン・チリッチ(クロアチア)を5時間のフルセットの末に破った。コートサイドの気温が40度という炎熱地獄での試合で、二人とも身体のあちこちに痙攣を起こしながらの死闘だった。あまりの暑さで、主審や線審も朦朧として、ミスジャッジを連発。カウントを間違えたまま気づかずに終わったゲームもあったほどひどかった。
 不幸なことに、この試合が行われたコートにはチャレンジシステム(複数のカメラとコンピュータの解析でボールがインかアウトかを明示する装置)がなく、誤審は誤審のままゲームが進んだ。両選手とも疲労困憊の中、誤審にまつわるストレスを抱えたままプレイする姿は気の毒だったが、テレビ観戦している我々も、結局誤審だったのかどうかが分からない。WOWOW3だから画質は標準画質だし。
 中継権契約の規約に触れるのかもしれないが、放送しているテレビ局側で独自に問題シーンをスロー再生したり、トリミング処理で拡大画面を出したりということはできないものか。
 先のサッカーW杯南アフリカ大会でも誤審が連発で、今頃ビデオによる確認制を導入しようなどという議論になっているが、デジタル放送時代なのだから、そういうのは極力取り入れたほうがいいと思うのである。陸上では100分の1秒の差で勝負が決まるんだからねえ。
 こうしたシステムで誤審が明らかになっても、リアルタイムで訂正しきれないから、試合に反映できないケースは残る。しかし、誤審かどうか分からないまま視聴者がモヤモヤし続けるよりはずっとマシだろう。
   

You Tubeもどき番組だらけ

2010/09/17

 最近、You Tubeに投稿されている人気動画をそのまま流しているだけのようなテレビ番組が目立つ。10月の番組改編を前に、9月はその手の番組が特に多かった気がする。『超ド級!ありえない映像ベスト67』(9月5日、フジテレビ系)、『スパモク!!おもしろ映像ベストセレクション』(9月9日、TBS系)、『ビートたけし特別主催 おバカンヌNo1映画祭』(9月10日 日本テレビ系)……と、9月の第2週だけ見てもこれだけあった。
 この手の番組のネタは、かつては世界中のテレビ番組だったが、最近では一般人による投稿動画をそのまま流していることが多い。また、違法行為だが、テレビ番組中の面白いシーンはYou Tubeなどの投稿動画サイトにアップされているので、これまた見ようと思えばパソコンでいつでも見られる。実際、You Tubeの人気動画上位を見ると、サッカーのトホホゴールシーンを集めたダイジェストなどがいっぱいある。これらのネタ元は、当然、投稿者自身が撮影したものではなく、テレビ中継画面のパクリだ。
 つまり、「なんでもいいから面白い動画を見たい」と思ったら、You Tubeで探せばいいわけで、テレビで見る必然性は何もない。それなのに、テレビ局の制作マンがWEB上の投稿動画を必死で拾い集めてゴールデン枠で2時間番組として流すという行為は、「テレビの敗北宣言」ではないのかしら。
 この手の動画は当然のことながら画質は粗い。その粗い画像を地デジのハイビジョン放送で流しているのだから、これまた「地デジなんて大したことない」という証明かもしれない。

   

TBSが『ゲゲゲの女房』スペシャル!?

2010/09/29

 NHK連続テレビ小説『ゲゲゲの女房』最終回前日の9月24日、NHKの『スタジオパークからこんにちは』に水木しげる夫妻が出るよ、というケータイメールが2箇所から届いた。それだけ人気なんだなあ、と改めて感心しながら見ていたのだが、同日の夜、TBSの『中居正広のキンスマ』が2時間まるまる「ゲゲゲの女房スペシャル」だったのには、ちょっこし驚いた。
 ベッキー、假屋崎省吾、安住紳一郎アナが水木プロまで押しかけて中継(録画だが)。ねずみ男のコスプレで顔に髭まで描いていった假屋崎は、水木しげるに「(衣装の)色がよくないね」と軽くいなされていた。
 スタジオの中居とのやりとりでも、大竹しのぶが何度も「スマップの中居くんってご存じですか?」と訊くが、水木センセイはほぼスルー。「何? サカイ?」。中居は「はいサカイです」と、いわゆる「老人いじり」的対応に終始して対抗したが、まったく相手にならず完敗。
 かつてはドラマのTBSと言われた民放の雄が他局の番組にこれだけ乗っかってプライドはないのか、などの声もあったが、昼間のNHK『スタジオ~』よりはラフで面白かった。
 ただ、もっと民放ならではの企画ができたはず。登場人物のモデル全員を追いかける「あの人はこの人」的企画とかね。例えば、初期アシスタント3人組は誰で、今何をしているのか。点々ばかり執拗に描かされた菅井(北川和義)、放浪癖のある小峰(つげ義春)、新人賞をとって辞めていった倉田(池上遼一)が語る「水木しげるの真実」。
 そのくらいやってくれたら、むしろ「あっぱれTBS!」と賞賛されたかもしれない?

   

チリ鉱山事故救出劇各局の対応は?

2010/10/14

 チリ鉱山事故の奇跡的救出劇は、本当に劇的だった。
 救出カプセルが送り込まれる13日午前中(日本時間)から、頑張って生中継していたのはフジテレビ。ところが、肝心の最初の救出者が現れるお昼過ぎには『笑っていいとも!』に切り替わって、他局に視聴者を奪われた。翌日の「最後の遭難者救出」の場面も『いいとも!』で逃していたが、いいのか?
 NHKはしっかり生中継するだろうと思ったらそうでもなくて、最初の救出者が現れる前後にちょっこしBSの大リーグ中継を中断してやった他は、定時ニュースに挟み込むだけ。アニメ流している場合じゃないぜよ。
 TBSはおいしいポイントでの生中継ができた。13日午後、現地在住の打村晋三さん(70代男性)の電話リポートも面白かった。「今の大統領は右派で、日本で言えば自民党。長い間の左翼政権から代わって苦労しているので、またとないPRのチャンスでしたね」などと解説。司会の恵俊彰が慌てる場面も。
 確かに大統領、出すぎだったよね。現場はチリの国旗だらけで、救出カプセルにも国旗がペイントされていた。何かというとマイクの前で演説。最後の作業員(リーダー)のルイスさんが出てきたときは、長々と演説をぶち、本人も並ばせて国歌をフルコーラスで歌う。これもすべて「お国柄」で済むのかな。
「石のお土産」持参で有名になったスーパーマリオことマリオ・セパルベーダさんは、日本ならしばらくバラエティ番組に引っ張りだこ確実だが、「俺は鉱山作業員として生き、死ぬのだ」って、かっこよすぎだわぁ。
 他にもツッコミどころ満載だったが、ともあれ、よかった!
   

『龍馬伝』はどこまで「史実」か?

2010/10/28

『龍馬伝』がいよいよ終わる。
 ところで、NHK松山制作の『しこく8 弥太郎と龍馬の119日』では、『龍馬伝』の中では幼なじみとして描かれている坂本龍馬と岩崎弥太郎が、実際には同じ土佐でも50キロ離れた別々の場所で育っており、顔を合わせたのは明治維新直前だという「史実」を伝えた。それも、長崎での119日間だけだという。弥太郎は長崎の土佐商会に赴任してから、初めて龍馬に会ったというのだ。
 この番組は『龍馬伝』の「関連番組」として紹介され、全国放送もされた。つまり、NHK自らが『龍馬伝』の内容は史実とはかなり違うんですよ、と説明したわけで、実に興味深い。
 また、『歴史秘話ヒストリア』で「逃げちゃだめだ~逃亡者・桂小五郎明治をひらく」というのをやったが、ここで紹介された桂小五郎(木戸孝允)像も、『龍馬伝』の中のクールな小五郎とはかなり違う。「逃げの桂」の異名を持ち、いつも一人で敵前逃亡。京都花街の芸妓・幾松と恋仲になり、幕府に追われる身となるや、汚い身なりで橋の下に隠れる。幾松はそんな小五郎にせっせと握り飯を届け、小五郎が京都から逃げると、後を追って下関や出石まで探しに行き、潜伏先で結婚していた小五郎を別れさせて夫婦になった。
 ふうん。これはどうも小五郎のほうが二枚目・福山雅治に合っていた役柄のような気がするし、これはこれでぜひNHKにドラマ化してほしい題材だ。
 でも、福山はもう龍馬のイメージがつきすぎて無理かなあ。「おかげさまで岩崎弥太郎と正岡子規の区別がつかなくなった」と言われる香川照之みたいになっちゃうもんね。
   

『てっぱん』を斜め後ろから楽しむ

2010/11/10

 NHK連続テレビ小説『てっぱん』。いいじゃないですか。最近では『ちりとてちん』以来の出来ではないかしら。
 まずキャスティングが大成功。おばあちゃん役の富司純子がうまいのを今さら誉めるのは失礼として、若手がみんないい。
 特に主人公・あかりの二人の兄役(遠藤要と森田直幸)が抜群にいいよね。あかり役の瀧本美織も、最初のうちは演技が力んでいたが、どんどん自然に演じられるようになってきた。
 地道に演技を磨いてきた役者をしっかりオーディションで選べばいいのよ。
 ストーリー展開が早いのも嬉しい。…と書いていて、ああ、前作『ゲゲゲの女房』とは正反対なのだと気づいた。
『ゲゲゲ』はキャスティングにリアリティがなく、ストーリー展開が遅かった。ドラマよりも、本物の水木しげるを見ていたほうが面白かった。それを教えてくれたのがあのドラマの功績。
 ところで、『てっぱん』のオープニング、前回の最後のシーンから始まることが多いが、あれはどうも編集ではなく、まったくの別テイクを使っていることが多い気がする。
 それとタイトルバックに流れるダンスが妙に気になる。
 商店街のようなところにいっぱい集まっているコマが必ず2回ずつくらい入っているが、最初は左端でちょっと離れて踊っている眼鏡の青年の一生懸命さが目について、いつもそこばかり見ていた。そのうち、右端でちょっと厚化粧のおばさんも真剣な顔で踊っているのが気になって、今はその後ろの……。
 で、あのダンスシーンは「公募」しているのだね。みなさんも応募してみてはいかが。
   

『てっぱん』のそっくりさん論争?

2010/11/24

 NHK連続テレビ小説『てっぱん』を斜めに見て楽しむ特集?第2弾である。
 主人公・あかりの長兄・欽也役の遠藤要という役者さん、最初に見たときは、エハラマサヒロもついに連ドラ抜擢かあ…と、感心していたのだが、隣で見ていたかみさんが「絶対に違う!」と言い張る。
「むしろ舞の海でしょ。舞の海の弟じゃないの?」(勝手に人の兄弟を作り上げるな)
 で、調べたら、違うんだねえ。
 でも、僕と同じ勘違いをした人はいっぱいいたようで、Googleで「てっぱん 兄 エハラマサヒロ」と検索すると、軽く1万件以上ヒットする。エハラマサヒロ本人のブログには、遠藤要と並んで写っている写真まであった。エハラ本人も似ていておいしいと思っているようだ。そのうちネタにするのかな。
 しかし、さらに驚いたのは「田中荘」に住むさえない父子(子供はまえだまえだの兄)の父親役。これはなんの疑いもなく田口浩正だと信じきっていた。「芋洗坂係長の元相方が出ているね」などと言いながら見ていたのだが、違うのである。松尾諭という役者さん。嘘だろおい。
 これもGoogleで「田口浩正 てっぱん」と検索すると、2万件近くヒットする。田口、松尾ご両人が並んでいる写真というのも見つけた。同じだ! 世の中、こんなに同じキャラの役者がふたりいていいものなのか。これは損なのか得なのか。
 しかし、やっぱり信じられないと言えば、芋洗坂係長である。お笑いユニット「テンション」の痩せているほう、という認識だったが、今やどう見ても同一人物には見えない。世の中、信じられないことがたくさんある。

      

それでもWOWOWをやめられない

2010/12/02

 現在、わが家はスカパー!(e2ではなくHD)とWOWOWを契約しており、パラボラアンテナが2つついている。
 スカパー!はほとんどがイギリスのドラマ専門になってしまった。これは結構録画して見ている。問題はWOWOWで、テニス4大大会中継くらいしか見ることがない。まったく見ない月というのも結構ある。
 それでも解約できないでいるのは、お笑い系で欠かせない局だからだ。このところずっとラーメンズやバカリズムの舞台が放送されることもなく、自動で録画される「コメディUK」(キーワード登録しているので、勝手に録画される)くらい(それも再放送ばかりになった)なのだが、忘れた頃にしっかり劇場ライブをやったりする。
 先日も『シティボーイズ・ライブ2010 10月突然大豆のごとく』を楽しんだ。
 尖閣問題を受けて「ワタシ悪かたアルヨ」「大変です~! 中国が謝りましたぁ!」とか、舞台の上に大きく「アナログ」と表示された黒い幕を出したりといった、地上波ではできそうもないネタも満載だった。
 こういうのを見ると、やっぱりWOWOWを解約するのはもう少し待とう、と思うのである。
 このコラムでも何度か書いたが、WOWOWはCMを流していない、つまり、スポンサーに縛られないという大きな武器を持っている。この武器を最大限に生かした番組作りをしなければもったいない。できあいの映画を配信するなんていうのは、他の民放でもNHKでもCSでも、あるいはツタヤやUSENでもできること。くれぐれもライブとオリジナル番組中心に考えていかないと自滅ですぞ!
    

数字と確率で実感する「フクシマ」

数字と確率で実感する「フクシマ」

 (2013/05 Tanupack、99円)……もしもあのとき夜だったら? もしも北東の風が吹いていたら? もしも1週間早く起きていたら? ……シンプルな7つの「もしも」を想定して、「フクシマ」がこの程度の被害で済んでいるのは奇跡的な幸運に恵まれた結果だったということを検証。「一歩間違う」どころか、偶然に偶然が重なった結果の幸運だった!
 「フクシマ」を忘れようとする国、国民に向けて、スタート地点に戻って見つめ直そうという問いかけを分かりやすい確率論で展開。

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新・マリアの父親

新・マリアの父親

 (2013/01 Puboo、250円)……「フクシマ」を予言していたと言われる「20年早すぎた問題作」をデジタル版として改訂し、発表。たくきは福島県川内村で実際に原発人災を間近に体験したが、無力感に包まれ、20年前に書いた『マリアの父親』を読み返す気持ちにすらなれなかった。
避難体験から1年半以上経過し、古書が高額で売られていることを知り、原本を全ページスキャンすることから始めて、最低限の改訂を加えてデジタル版を作成。『新・マリアの父親』として発表。

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改訂新版 神の鑿

改訂新版『神の鑿』

(12/04 狛犬ネット 1000円税込)…… 江戸時代天保年間に福島に流れ着いた高遠石工から始まる天才石工三代記。小松利平、小松寅吉、小林和平の生涯と作品群を、豊富な画像とドラマチックなストーリーで解説。通算第6版は最終版のつもりで1000部製作。

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『3.11後を生きるきみたちへ 福島からのメッセージ』

『3.11後を生きるきみたちへ 福島からのメッセージ』

(12/04 岩波ジュニア新書 820円+税)…… 大人にこそ読んでほしい、福島原発人災から1年を経過して分かったこと、今起きていること、これから先考えなければいけないこと。
第1章 あの日何が起きたのか
第2章 日本は放射能汚染国家になった
第3章 壊されたコミュニティ
第4章 原子力の正体
第5章 放射能より怖いもの
第6章 エネルギー問題の嘘と真実
第7章 3.11後の日本を生きる

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裸のフクシマ

『裸のフクシマ』

(11/10 講談社単行本 1600円+税)…… ニュースでは語られないフクシマの真実を、原発25kmの自宅からの目で収集・発信。
驚愕の事実とメディアが語ろうとしない本音の提言が満載。
第1章 「いちエフ」では実際に何が起きていたのか?
第2章 国も住民も認めたくない放射能汚染の現実
第3章 「フクシマ丸裸作戦」が始まった
第4章 「奇跡の村」川内村の人間模様
第5章 裸のフクシマ
かなり長いあとがき 『マリアの父親』と鐸木三郎兵衛

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