阿武隈カエル図鑑(5)

タゴガエル

タゴガエル
07/04/21
分布
北海道を除く日本全域。山地の渓流付近。

大きさ・容姿
30mm〜60mmくらい。。

06/05/28
アカガエル科のカエルで、パッと見たところは地味なので、見かけてもヤマアカガエルやニホンアカガエルだと思って気にもとめないことが多い。
はっきり同定できるのは春先、繁殖のために地味に鳴いているとき。くぐもった特徴的な鳴き声なのでタゴガエルがそばにいると分かる。岩をどかしたりすると見つけられることもあるので、そのときが唯一のシャッターチャンス。
ヤマアカやニホンアカガエルに比べるとやや小柄。

産卵
4月〜5月、渓流の伏流水に卵を産みつける。他のアカガエルが池や田圃に無造作に産むのに比べると、この「伏流水の中に産みつける」という点が最大の違い。
結果、卵を見つけることは極めて困難。卵は少ないときは30個ほどで、他のカエルに比べると極端に少ない。また、卵黄が大きいことが特徴で、オタマジャクシはこの卵黄の栄養分だけで変態まで生き抜くといわれる。
いずれにせよ、生息域が限られていることと、産卵場所が特殊であることから、謎の多いカエル。生態の研究もまだまだこれから。
うちの前の沢に生息しているが、普段はまず目にすることができない。

シュレーゲルアオガエルに抱きつくタゴガエル。非常に珍しい「異種抱接」


孵化〜オタマジャクシ時期
卵もオタマもまだ見たことがない。伏流水の中に産みつけられるというのだが、大雨で流されてしまうこともあるに違いない。他のアカガエルに比べると非常にリスクの高いオタマジャクシ時代を過ごすと言えそう。

変態
オタマジャクシは20mmほどに成長した後、7〜8月に変態するらしい。変態直後の子カエルはアカガエルの子と区別がつかないのではないだろうか。目にしたとしても、同定できそうにない。


鳴き声
ゴゴッという短く低い鳴き声を断続的に発する。鳴き声のインターバルが非常に長い。音量は小さいので、近くに行かないと聞こえない。

性格
普段は普通に土の上にいたりするらしいが、見てもよく分からない。繁殖期は、鳴くくせに岩陰などに隠れている。すばしっこいというわけでもないので、引きこもり、オタク系のカエルと言えるかもしれない。
繁殖時の鳴き声も、ゴゴっとくぐもった、短く、ボリュームの低い声。省エネでセックスしている感じ。
かと思うと、美形のシュレーゲルアオガエルに抱きついたりして、ますますオタクのイメージか……。

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