2011/12/11 

 怒濤の狛犬ツアー(5)復元はいつに……


借宿新地山山道口を後にして、次は深仁井田の国津神社。ここもバスを停める場所がないので、路上でハザードをつけたまま待機してもらった。
通行の皆様、ご迷惑おかけしました。

国津神社の狛犬は梅沢敬明という東京美術学校(今の東京芸大)彫刻科出身の石工さんが彫った、なんとも不思議なというか、ものすごい狛犬。僕は「デコラティブ狛犬」と呼んでいる。
ご子息のかたも今回のツアーに参加していて、バスの中でも隣に座っていた。
ここは落ちてはいなかったものの、結構ずれていたり破損したりしていて、修復が望まれる。でも、お金が出ないだろう。
入り口の鳥居なども根こそぎ倒れて大破。
場所が、重機が入りにくい坂の上にあるため、しばらくはこのまま放置されるのだろう。
ツアーに参加していた梅沢さんも悔しそうだった。


吽像。台座が欠けて、本体もかなりずれて危なっかしい状態

最後は反町近津神社の和平の飛翔獅子。
この作品は実は今年、震災後に「発見」された。
神宮寺の近く、普通に道沿いにある神社にあったのに、なぜ今までみんな気づかなかったのか、どう考えても不思議でしょうがない。
震災の被害を見て回っているときに「発見」された。残念なことに、阿像は顔から地面に突っ込んで落ちたため、顔が見えない。
石段の上にあるので、重機を入れるのも大変そうだ。

石段の上にあるため、修復のための重機を入れるのが難しい


吽像は無事。なかなか見事な面構え


台座から落ちた阿像を呆然と見つめる参加者たち


これはいつ落ちるか分からない。近づかないようにしましょうね


顔が見たかったなあ……

そんなわけで、鹿嶋神社、棚倉八槻都都古和気神社、鮫川村熊野神社、古殿八幡神社、石都都古和気神社、沢井八幡神社、中島村川田神社、新地山羽黒神社山道口、深仁井田国津神社、反町近津神社……と、朝8時出発で午後4時までかかって10社を無事に回り終えた。
参加者の平均年齢は70を超えていたかもしれない。もしかしたら僕はみなさんの子供のような年齢で、最年少だったかも。

震災後、いちばん嬉しい仕事だった。
川内村にいて、もう福島はダメじゃないかと、日々、落ち込んでいただけに、そんなことはないよ、と励まされた感じがする。
福島の熟年パワー、ここにあり。
福島というと、復興だの援助だのという話題の中で語られるばかりだが、今日はそんなこととは関係なく、みんな普通に、ごく自然体で、楽しむために朝早くから集まってきて、実際、1日堪能していた。
この「普通さ」にどれだけ救われたことか。
僕自身の今後の生き方についても、大いにヒントをもらった気がする。
感謝。

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