2011/10/31の2

一瞬の トリオ・ザ・ホワイト

みよこさんが見知らぬ白い犬2匹を後ろに引き連れて散歩していた。取り残されたどこかの犬がやってきて、一緒に散歩しているのだとか。
チャッピーと散歩を始めたら、こっちに合流してしまった。

今日のチョロ


なかなかこれ以上にはなつかない


トリオ・ザ・ブラックと母親のフーちゃん
フーちゃん、最近はフーッとやらなくなった
いつまでも唸るしんちゃんよりはお利口だな


県道脇の田圃に、ここひと月ほど、ユンボが入って穴を掘り、土を運び入れていた。
この土地の持ち主からは「汚染された土ではないから安心して」と言われていたのだが、目立つ場所だけに、村の人たちは戦々恐々。噂は村中に広がっていた。
汚染土の「仮置き場」をどこにするかという問題が全国ニュースにもなっているご時世だから、まあ、当然だろう。
村では土建屋の社長が会長となって、除染事業を一手に引き受ける組合を結成。さあ、どんどん仕事をくださいね、という態勢になっている。
そこのダンプが連日どこからか運んできた土を私有地に積み上げているのだから、不安が広がる。
しばらく留守にしていた間にそのへんのことはどんどん進み、村の汚染土仮置き場として、割山トンネルの向こう側(20km圏で現在は立ち入り禁止区域)にある蕎麦畑周辺が決まったと聞いた。
蕎麦畑は、村民が特産品として力を入れてきた「川内高原蕎麦」のシンボル的存在。そこに汚染土を埋めるというのだから、これから先、川内高原蕎麦はもう諦めましたということなのだろう。
その蕎麦畑はもともとは村有地だったのを、県の農業振興公社?だかに貸して、その公社から村民グループが借りて共同作付けをしていたらしい。そこを汚染土仮置き場にするというので、まだ契約が数年残っているのを「契約解除に同意します」という書面にハンコを押させられた、と、近所のおばちゃんが言っていた。
「そう言われたらハンコ押すしかないもの」
こんな風にして、川内村はどんどん農地を失っていくのだ。
呆れたのは、元牧草地になっていた広い草地を、蕎麦畑の次の候補地として村が選んだという話。
そこは高原で、たまにトライアルバイクのイベントなどが行われていた。そんなところに汚染土を入れたら、風で簡単に土が飛ぶし、水は上から下に流れるのだから、徐々に放射性物質は下流側に移動して居住地を脅かす。
せっかく放射能汚染が奇跡的に低くてすんでいる村の中心部に、さらなる汚染の原因を持ち込んでどうする。金が入ればなんでもやるのか。

セイタカアワダチソウまで生えてどうしようもなくなった田圃には、今、村が購入した草刈りアダプターをつけたトラクターが入り、草刈りを始めている。「除染」名目で行われていて、高い日当が出るそうだ。
じいさんが自前の仮払い機を持って田圃の脇に座っている姿をよく見るようになった。時給に換算すると2000円以上になるこの「除染」に参加するためだ。
原発敷地内の草刈りだってそのくらいの時給で人を集めていたと聞く。
目的の半分以上は、地元の人にお金を渡すことだから、効率や意味は二の次になる。
今行われている「除染」名目の作業は、多くがそういうことなのだ。
それをどうこう言うつもりはない。しかし、せめてマスクくらいしたほうがいいよ、と言いたい。
川内村の汚染は軽度だったとはいえ、草刈り木で舞い上がる土埃や繊維の微粒子を吸い込むのは危険だ。しかし、マスクをして作業している人はほとんどいない。

農作物を作って稼ぐ金と、こうしたわけの分からない作業日当や補償金で得られる金と、同じ金だと思ってしまったら、日本の農業はもうおしまいだな、と思う。

疑惑の土置き場は、県に苦情が入ったとかで、片づけられた。
土の正体は、役場のそば、河を浚渫した土だとかなんだとか。まあ、あのへんの土なら大して汚染はされていないだろうが、今はもう、福島県内の土は多かれ少なかれどこも汚染されているのだから、村の外から土を運び込んで捨てるということは、村の中に今までよりも多くの放射性物質が溜まるということになる。
きれいに片付いた跡地(というか、元々は田圃だが)に行って線量を計ってみたが、大したことはなかった。
しかし、今回は汚染された土ではなかったが、今後何十年もの間、土や瓦礫を積んだダンプを見るたびに、人は疑心暗鬼になる。そういう世の中になってしまったのだ。


たくき よしみつ 新刊情報

裸のフクシマ ★10月15日発売 『裸のフクシマ 原発30km圏内で暮らす』(講談社 単行本352ページ)
ニュースでは語られないフクシマの真実を、原発25kmの自宅からの目で収集・発信。驚愕の事実、メディアが語ろうとしない現実的提言が満載。

第1章 「いちエフ」では実際に何が起きていたのか?
第2章 国も住民も認めたくない放射能汚染の現実
第3章 「フクシマ丸裸作戦」が始まった
第4章 「奇跡の村」川内村の人間模様
第5章 裸のフクシマ
かなり長いあとがき 『マリアの父親』と鐸木三郎兵衛

今すぐご注文できます 
アマゾンコムで注文で買う
⇒立ち読み版はこちら
使い分けるパソコン術 ★9月20日発売 800円(税別) 『使い分けるパソコン術 ──タブレット、スマートフォンからクラウドまで』(講談社ブルーバックス)
iPad、スマホ、クラウド、ツイッターなどのSNS……怒濤のデジタル潮流の中で溺れることなく自分流を貫くには、「使いこなす」よりも「使い分ける」発想が必須。「選ばない」「使わない」ことだって使い分けのひとつだ。失敗する前に読んで、賢く「使い分け」るための羅針盤ブック。

第1章 iPad、買っていい人、悪い人
第2章 タブレットとネットブックを使い分ける
第3章 スマートフォン、買っていい人、悪い人
第4章 クラウドサービスを使い分ける
第5章 ブログやフェイスブック、ツイッターを使い分ける

今すぐご注文できます 
アマゾンコムで注文で買う    bk1で買うbk1で買う    

⇒立ち読み版はこちら


一つ前の日記へ一つ前へ    abukuma.us HOME    takuki.com HOME      次の日記へ次の日記へ







↑タヌパックの音楽CDはこの場で無料試聴できます
Flash未対応ブラウザで、↑ここが見えていない場合はAmazonで試聴可能こちらへ



たくき よしみつの本 出版リストと購入先へのリンク  デジカメと写真撮影術のことならここへ! ガバサク道場

  たくき よしみつの「本」 電子配信開始



  タヌパックスタジオ本館   ギターデュオKAMUNA   あぶくま狛犬札所60番巡り   日本に巨大風車はいらない 風力発電事業という詐欺と暴力