2011/03/20 14.24PM
ガイガーカウンター
昨日(19日)昼頃、発注してあったガイガーカウンター(RADEX RD1706)が届いた。
イギリスのショップから取り寄せたのだが、そのショップも、昨日見たら、すでにすべての携帯式ガイガーカウンターは売り切れていた。
ショップのJameさんからは「Thank you for your email. We are pleased that your order arrived fairly
quickly and that you are safe and well.
Hope you manage to keep safe and well.」という短い励ましのメールが届いた。
RD1706はそこそこ高性能なガイガーカウンターで、放射線量の測定可能範囲は0.05~999マイクロシーベルト。
つまり、1ミリシーベルトまでを計れる。詳細には、
ガンマ線:0.1~1.25MeV(ミリオン-エレクトロン-ボルト=イオン・素粒子などのエネルギーの単位を表す)
X線:0.1~1.25MeV
ベータ線:0.25~3.5MeV
リアルタイムにマイクロシーベルト値でその場の放射線量を表示し、設定値以上になると警告音やバイブレーションで警告を発する。また「バックグラウンドモード」というのがあり、最初にその場の環境標準値(5箇所で5回計って平均を出す)を測定し、バックグラウンドモードに切り替えると、その基準値をどれだけ上回ったかを示す。
一般向けのRD1503、RD1503+といったモデルより上級機で、測定線量が1桁高いところまで計れる(一般向けの1503シリーズは上限が99マイクロシーベルト)のとバックグラウンドモードが使えるのが特徴。
すでに30km離れていても150マイクロシーベルト以上を計測している場所もあるので、そういう場所では99マイクロシーベルトまででは振り切れてしまうのでこっちにしたのだ。
ロシア製。ボタンにマークも付いていない。でも、説明書を読んだら(ロシア製だが、説明書は英語)、想像していたよりはるかに簡単・明瞭な機械だったので安心した。
ツイッターで、ガイガーカウンターは初期設定や調整が難しく、素人には到底扱えるものではないなどと言っていた人もいたが、それは研究所にある本格的な測定器の話だろう。さっき見たテレビで、東工大の助教が同じものを持って「このスタジオでは○○で、まったく安全です」とやっていた。
これによれば、現在僕がいる川崎市麻生区では、0.15マイクロシーベルト前後である。
日本における大地からのγ線の時間当たりの空間線量率は、0.02~0.08μGy/h(1時間あたり)であり、ラドンを除く自然放射線による年当たりの線量当量率は、約1.1mSv/y(年間)だそうだから、2~7倍程度だ。問題になる数値ではないけれど、おそらく福島第一原発の影響で若干高く出ているということだろう。
このまま収束してくれると思っていたのに、最新のニュースによれば、3号炉(プルトニウムを含んだMOX燃料が炉内に入っている!)の炉心溶融が起きていて、格納容器に穴を開けて圧力を下げないと危ないらしい。これは危機的な状況だ。建屋はすでにボロボロで、格納容器は剥き出しなのだから、それに穴を開けるということは、高濃度放射能が風に乗ってばらまかれることを覚悟の上で、そうしないと爆発する状況まで来てしまっているのだ。
まったく、どこまで期待を裏切られ続けるのだろうか。
11日、津波でバックアップ電源がすべて流された段階で、とりあえず大型蓄電池を運び込むことはできなかったのか。そういう備えが数百キロ圏内にさえなかったということなのか。
箱を開けてみる。思っていたより小さいな
とりあえず測定したところ、0.12マイクロシーベルトだった
バックグラウンドモードを起動するために5箇所の平均値を計測する画面
取説には、1.20マイクロシーベルトを超えたらその場から離れて、しかるべき組織に連絡した上で適切な処置を受けよという注意が書かれている。
文科省の測定では、昨日の東京(新宿区)や神奈川(茅ヶ崎)の測定値は0.04マイクロシーベルト前後で、0.15レベルが宇都宮市、水戸市で0.17くらい。もしRD1706の計測値0.12が正しければ、昨日の宇都宮市や水戸市よりは少しマシな程度ということになる。
いずれにしても、この数値自体は大したことはないけれど、平常値でないことは確か。
テレビで嬉々として喋りまくる石川迪夫を見ていて、1988年に放送された『朝まで生テレビ』を思い出した。顔がすっかり変わってしまっていたが、あのとき、推進派の先頭でひとり調子っぱずれなことをまくし立てていたのが石川迪夫だった。当時の肩書きは「日本原子力研究所・動力試験炉部長」。
正確な記録を見たいと思ってアマゾンに古書を注文した後、あれ? これってうちにあったのでは……と思って、書棚を見たらしっかりあった。うっかりしてしまった。
読み直してみると、広瀬隆や槌田敦がいかにまともなことを言っていたか、そして石川迪夫がその適確な指摘を関係のない数字や余計な説明を得意げにまくし立て、それに対して??となった司会の田原総一朗がいちいちストップさせて話題を変え、推進派の論理破綻に逃げ道を与え続けていたかがよく分かる。
詳細は今度、落ち着いたときに。
今は3号炉の致命的崩壊⇒高濃度放射能の拡散がとにかく心配だ。
3号炉はプルトニウムを含んだMOX燃料である。
なぜ日本でも有数の老朽化原発である福島第一でプルサーマルを許可するのかと迫られながらも認めた佐藤雄平県知事、国、そして、まったく必要のない危険因子追加行為を強行した東電は正気の沙汰ではない。
もう読むことなどないと思っていたのに……
2011/03/20 20.35PM
「安全」ならいいってもんじゃないんだよ
基準値を超える放射能汚染が見つかった牛乳やほうれん草、水道水の報道が続き、そのたびにメディアも政府も「まったく問題ない数値」を強調していますが、専門家が決めた「安全基準値」を超えている状況が、生活をしていく上で問題ないのかどうかを判断するのは、結局は我々、つまり個々の住民です。
福島県民はこれから、あらゆる困難を前提にして生きていかなければなりません。
実際に居住地域に残留している放射性物質の量、そこから出てくる放射線の量、汚染された土壌や水、農作物などから体内に摂取してしまうであろう放射性物質の量、そして実際よりはるかに過剰に反応する風評被害(国内だけではなく海外からのものも含めて)。
人間ですから、少しでも現場から遠く離れたところで暮らしたいと思う気持ちはありますが、実際にはそうはいきません。ローンを抱えて建てたばかりの家があったり、農場や工場、勤め先などの生活基盤があるわけですから。
いろいろなことを考えた上で、多少の放射能による危険要素には目をつぶって、この地で生きていったほうがまだ幸せだ、あるいはそうするしかない、という判断をくだすわけです。それは政府やメディアではなく、住民が判断することです。
ですから政府も行政機関も、もちろん事故の根本責任者である東電や保安院も(保安院はいちばん役に立たないどころか、こういう事態を招く土壌を作りだした張本人。さっさと解散させて、別の緊急対策組織を立ち上げるべき)、
出すのは生のデータだけで結構 。
「○○で△△という数値が出ました。これは安全基準値の○倍です」
それだけで結構です。
その数値や現実を受け入れた上で、どう生きるか、どう対応していくか、それは結局は私たちが決断していくしかないのですから。
CTスキャン1回分の放射線量の何分の一だとか、そんなメッセージを付け加えるから、ますます信用できなくなるのです。
「安全基準を超えているけれど、実際にはぜ~んぜん安全なんですよ」と言いたいのであれば、それは国や行政ではなく、別のグループ(研究者グループや民間団体、個々の学者、専門家)が言えばよい。私たちはそうしたメッセージを取捨選択し、吟味し、今後の生き方、暮らし方を決めます。
なぜなら、国が言ってきた「安全」は嘘だったということが、すでに今、目の前で証明されているからです。
国と一緒に安全だと言ってきた、あるいは国に安全だと言わせてきたトップの人たちが、この状況においても、テレビで笑いながら「あなたがたと違って私たちは専門家なんだから」という口調でしょーもない数字を並べてみせる。そういう人物に権力を与えてきたのは国であり、権威あるなんとか学会やらなんとか機関、超優良巨大企業であり、その人たちが今回の事故を起こしたのです。安全だ安全だと言い続ける人物を信用していいのかどうかは、私たち自身が決めます。
私個人で言えば、すでに50代半ばを過ぎましたし、20年後に癌になる確率が何倍になりますというような要素よりも、福島で生きていくということの幸せを選ぶでしょう。
いろいろなことを考えた上で、決めていくしかありません。その判断のもとになる「いろいろなこと」は、住民ひとりひとりで違います。
その判断に先回りし、人をバカにした「安全宣言」をするのはやめていただきたい。
「安全」というは、比較の問題 です。でもそれは、CTスキャン1回分の放射線量と今福島原発から出ている放射性物質が原因の放射線量とを比較することではありません。
今回の許し難い人災により、
原発周辺住民は、今までに比べて極めて困難な生活を強いられ、今までより安全ではない環境を、希望の持ちづらい未来を押しつけられました 。そういう「比較」の問題です。
その中で、住民たちはみんな、必死に考えて、苦渋の決断をしながらこれから生きていくのです。
さらに言えば、人間が生きていく上で、理論上の安全より大切なことがあります。
それは「生き甲斐」。
生きていく甲斐がない生活の安全を保証されても、少しも嬉しくないのです。
そうした人間として大切な心の中のことにまで、いい加減な比喩や論理のすり替えでズカズカと踏み込まないでいただきたい。
曾爺さんの
鐸木三郎兵衛 が生きていたら、どんな行動をとっているだろうか……曾爺さん、今ほどあなたと話がしたかったと思うときはありません。
あの世の三郎兵衛とツイッターでつながれたらいいのに……。
2011/03/20 21.07PM
3号機はプルサーマル
今日は3号炉に関する情報が朝から乱れ飛んだ。
一時は「格納容器内部の圧力が高くなってきたので、やむを得ず人為的に内部の蒸気を外に出して圧力を下げる」と発表された。
これが何を意味するかといえば、「このままでは最後の砦の格納容器が圧力に耐えきれずに爆発し、高濃度の放射能が広範囲に拡散することになる。その最悪の事態を避けるために、周囲に高濃度放射能が出ることは目をつぶって格納容器に穴を開けて(あるいは通常そうした用途では使わないバルブを開けて)蒸気をそのまま外に出す」ということ。
東電の記者会見で、どこかの記者が「そのバルブには放射性物質を濾過するフィルターはついているんですか」と質問をしたが、訊かれた広報担当者は「ないと認識しています」と、小さな声で答えた。フィルターなしで放射性物質を外に放出させなければならないほど、事態は深刻だったのだ。
午後には、「圧力は高いものの安定したので、蒸気を抜く作業は見送る」と発表。
このときも、記者のひとりはかなり気色ばんで、3号機の水位や圧力の数値について「水位が変わっていないのではなく、抜けきっていて水位計が動いていないだけなんじゃないですか。すでに剥き出し状態なんじゃないですか」と詰め寄っていたが、それに対して広報担当者は明確に否定できないでおろおろと手元の紙をめくりながら口ごもるばかり。
3号炉は、見ての通りボコボコに吹き飛んでいるのだから、配管などが壊れていることは明白。格納容器そのものが壊れていなくても、蒸気が配管などからだだ漏れ状態なのは、普通に考えれば当然のこと。外部電源をつないだとしても、まともに動く装置など残っていないだろう。
そもそも、電源が来ていないのに、どうやって圧力や水位を知ることができるのか不思議で仕方ない。放射能が強すぎて誰も近づけないわけだし、格納容器の上は瓦礫の山で、外から見ても格納容器がどんな状態なのか目で確認できないわけだし。どうやって彼らは圧力や水温、水位のデータを得ているのか、どなたか詳しい方に教えていただきたいものだ。
官房長官は「あらゆるデータから判断して(3号機に)注水はされていると認識しているし、それは関係部署全員の認識でもある」というようなことを言っていたが、その具体的根拠は示せない。すべてが東電からの伝聞によるものなのだから仕方がないといえば仕方がない。しかし、見ているほうとしては、データを出している東電がおろおろしているのだから、たまったものではない。
要するに「3号機については詳しいことは何も分からない」というのが事実だろう。
周囲の放射線量の推移などから想像逞しく「こうではないか……」と言っているだけ。
ところで3号機で忘れてはいけないのは、この炉は他と違ってプルサーマルだということだ。
我々はつい半年前、3号機でプルサーマルが開始され、職員らがパチパチと拍手をしている映像を見せられたばかりである。
発電が始まったのが昨年9月23日。その後出力を徐々に上げて、国の検査を受けて10月26日ごろから営業運転に入っているはずだ。(
2010年9月23日朝日新聞報道 など)
この朝日新聞の記事に、気になる記述がある。
//同原発3号機のプルサーマル発電をめぐっては18日、非常時に原子炉へ冷却水を送るポンプが待機状態になっていないことを示すランプが消えず、正常に働かないことを示した ため原子炉の起動が予定より約12時間遅れた。その後は順調に核分裂反応が連続して起こる臨界に達した。//
いきなりスタート時点から重大なトラブルを起こしていながら、平気で発電開始しているのだ。
福島第一原発というのは、日本でも相当古い原発で、そろそろ耐用年数を終えて、本来なら何もなくても廃炉にしなければならないはずなのだ。その老朽化した原発で、あろうことか、人類がまだ経験したことのない「沸騰水型原子炉でプルサーマル」という実験をしたわけである。
プルサーマルの原子炉から出る放射性物質の構成は一般の炉から出るものと違うのか。違うとすれば、どのように違うのか。そのへんのデータはまったくと言っていいほど公表されていない。というか、誰も分からないのではないだろうか。
普通のウラン燃料を燃やす軽水炉でも、プルトニウムは生成される。MOX燃料は最初からプルトニウムが入っている。そのプルトニウムが燃えた残り滓にはどんな放射性物質がどのくらい含まれているのか?
テレビメディアでそのへんのことを解説しているのを未だに見ていない。それ以前に、3号炉がプルサーマルだということさえほとんど言わない。これも自主規制なのか?
2011/03/22 11.21AM
取捨選択という意味
当日記・緊急時バージョンに、武田邦彦氏のブログがリンクされていることについて、あんなトンデモ学者の扇動に加担するとはどういうことか、といったメールをいただいています。
同様のご意見をお持ちのかたがたくさんいらっしゃると思いますので、ここで少し私のスタンスを説明しておきます。
私は基本的にこの人に好印象を持っていません。環境問題の嘘、温暖化議論の嘘をテーマに大変な数の本を出していますが、基本的な考え方は概ねいいものの、いつもやり方が雑だからです。
彼のブログを見れば分かるように、誤字脱字、単純な文章のミスを校正しないで出しています。物書きとしては、これだけひどい原稿を、いくら緊急時だからといってそのまま露出する神経は理解できません。
例えば
「原子炉から出る有害な放射性物質の半減期は、ヨウ素が8日、バリウムとストロンチュームがともに30日、そしてプルトニウム141が14年です」 などという記述がありますが(平成23年3月20日20時 執筆とある。これを書いている22日10時21分時点で訂正なし)、プルトニウム141というものは聞いたことがありません。プルトニウム241という同位体はあり、半減期は14.4年です(ちなみに使用済み核燃料の再処理で得られるプルトニウム239の半減期は約2万4000年で、人間にとっては永久にアルファ線を出し続けているのと同じ)。
しかし、グーグルで「プルトニウム141」と検索すると、多数のページがヒットします。そのどれもが、武田邦彦氏のブログの誤記をそのままコピーしたもののようです。「専門家」と名乗っているのですから、こうしたミスには細心の注意を払っていただきたいものですが、彼の場合、単純な誤記があまりに多く、そのことをいっこうに気にしていないところが困るのです。
私の原稿も誤字はありますが、都度、見つければ直す努力は惜しんでいません。
彼に対していちばんがっかりしたのは、今回のことではなく、以前、リサイクル問題のことを書いた原稿の中に恣意的なデータ捏造があったことです。こういうことを1度でもすると、それだけで他の部分まで信用がおけなくなり、全体としての論旨も嘘ではないかということになってしまいます。これは、真面目にリサイクル「神話」の問題点を指摘してきた他の人たちにとっても大変な迷惑です。
今回のことでも、時間を追うごとに内容が粗くなり、恣意的に誇張した数字を出してくるようになっていることに、またか、という思いを抱いています。
ただ、この人の言っていることの中には、重要な主張も含まれています。
例えば、
1)内部被曝と外部被曝を区別していない報道はおかしい
2)1時間あたりの放射線量数値と累積被曝の数値を比べるのはおかしい
これはその通りでしょう。
例えば、
「50mSv被ぱくによる小児(O~15才)の白血病リスクはゼロだ」という主張 をしている人がいます。
これが正しいのかどうか、私には分かりません。ただ、仮に正しいとしても、ここに出てくる50ミリシーベルトは
累積被曝 であって、今テレビで報道されている各地の線量(1時間あたり)計測値と比較することはできません。
1マイクロシーベルト/時は、単純に1年間浴び続けたことにすれば365×24=8760マイクロシーベルト=8.76ミリシーベルトです。
実際にはその間、わずかに損傷を受けたDNAがあったとしても自然に修復を繰り返しながら1年間が経過するわけで、1時間に一気に8.76ミリシーベルトを浴びたときの危険性とは比較にならないくらい低くなるでしょう。
ちなみに50ミリシーベルトを8.76で割ると5.7ですから、毎時1マイクロシーベルトを5.7年浴び続けると累積被曝50ミリシーベルトになります。
すでに私も書いたように、福島第1原発から30km北西では、事故後ずっと150マイクロシーベルト前後が記録されていて、21日になっても100マイクロシーベルトを下回りません。100マイクロシーベルト/時は、年間87万6000マイクロシーベルト=876ミリシーベルトです。10年なら8760ミリシーベルト=8.76シーベルトです。このくらいの数値になると、もはや安全だと言いきる人はほとんどいないでしょう。
さらに問題なのは、外部からの被曝はそこから遠ざかれば終わりですが、放射性物質を体内に入れてしまった場合の内部被曝はずっと続くということです。
ヨウ素は半減期が短く、8日ですので、16日後に1/4、24日後に1/8、32日後に1/16……と減っていきます。セシウムはかなり長く放射能を持ちますが、尿などに混じって体外に出るものもあります。でも、いいことばかりを出して「全然心配ない」というのも片寄った報道でしょう。
何度も書きましたが、私たちは正確なデータと判断の材料を求めているのです。そこから先は、自分のケースにあてはめて判断するしかありません。
東京は安全だという論調は、首都圏での買い占め騒動を抑える目的でなされていると思いますが、原発周辺に住んでいる人間にとっては少し頭に来る言い方です。
首都圏のために福島で電気を作ってきたのに、いざ福島に放射能がばらまかれると、「福島は別として東京は安全だ」と繰り返す。それはないだろう、と。
武田邦彦氏の初期の役割は終わり、そろそろ危ない面のほうが大きくなってきた感じなので、今日の更新分からは、彼のブログへのリンクは外しておこうと思います。
ただ、今は誰がインチキだとか罵倒しあっている時ではないでしょう。
彼に限らず、立派な仕事をしてきた学者のみなさんの多くが、テレビに出てくると妙に嬉々とした話し方で、ランナーズハイじゃないですが、今回のことで妙に舞い上がっている印象を受けます。きっと、学者というのはそういう面を多かれ少なかれみな持っているのだと思います。
昨日も書いたように、いちいち腹を立てたり揚げ足取りをしたりするより、錯綜する情報や主張の中から、有用なものだけをうまく取りだしていくことが大切です。
2011/03/22 13.36PM
少し息抜きを
てっちゃんに教えられて、デーブ・スペクター氏のツイッターをフォローしてみました。
傑作なのをいくつか転載:
●避難民がたくさんいるこういう時に、文句や苦情ばかり言う「非難民」にはならない方がいいと思います。
●その心意気に全面的賛成のお笑いコンビ→賛同一致マン
●いま被災地に必要なACとは「公共広告機構」ではなく、電源の方だと思います。
●上層部が決断せず、現場に押し付けた悲劇的事故→マルナゲドン: 作業員の皆さんの任務の成功と、無事な帰還を心からお祈りしています。
●現地の作業員が命懸けで頑張っているのに、首脳陣が責任のがれをしてる電力会社→逃電
2011/03/22 15.28
大人向けかも
VIDEO
↑このアニメがすごい閲覧数になっているようです。
いろいろ細かい批判をする人もいるけれど、まあ、よくできているかなあ。
子供向けを装って、実は大人向けなんでしょうね。
一方、テレビメディアは相変わらずひどい。
↑例えばこの番組、さっきやっていて、あまりの無茶苦茶な解説に呆れました。
ほうれん草から54100ベクレル/kgの放射能が検出されたというニュースを受けて、「84kg食べても100ミリシーベルトを超えない」などという解説をしていました。
ベクレルは単位重量や面積あたりの放射能の強さで、シーベルトは身体に影響を与える放射線量の数値(ここで言っている100ミリシーベルトは年間の数値)。本来意味が違うものなのに、単純に換算している。
(23日追記:もしするのであれば、核種ごとに、どのような状況で摂取したとき(吸い込むのか飲み込むのかなど)、人体がどの程度の放射線被害を受けるかという試算モデルにあてはめて算出するように決められています
⇒ここなどを参照 番組では放射能と単位時間あたりの放射線量の違いすら言わずに強引な「換算」をしていました)
この説明が滅茶苦茶であることは分かっているはずなのに、解説しなければいけない近畿大学原子力研究所所長という人は「100ミリシーベルトを超えると健康に影響がでるのではなく、100ミリシーベルト以下は健康にまったく影響が出ないという意味です」と力説する始末。
こういう番組が、ますます視聴者に不安を与える(こんな嘘を並べなければいけないほど状況は緊迫しているのか?と疑わせる)ことになるということが分からないんでしょうか。
……いや、多分、制作スタッフに単純に能力がなく、出演している人たちは過剰に口を閉ざしているだけのことなんでしょうが。
こういう番組を観ていて、今まで冷静を呼びかけていた他の専門家たちも、次第に「メディアのでたらめぶりが深刻」だとツイッターなどで言い始めています。
どういう計算をしたのか?↑ しかもスタジオにいる誰もこれがおかしいと言わない(言えない?)
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あのとき、さまざまな偶然が重ならなかったら今頃日本は本当に「終わっていた」ということを、的確に分かりやすく解説。
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